【推薦図書】『マンガ 世界ふしぎ発見! いざ、エジプトへ!歴史ミステリーの旅』を読んだ話


こんにちは!


先日職場の同僚よりワークショップのお誘いを受け、チルドで米麹菌を飼育しているasa_swaです。
この菌たちがいずれ私の腸内環境を整えてくれるんだなって思うと、かわいくて仕方ない。
Twitterで #米麹菌かわいい みたいなハッシュタグがあればいいのに。

今回は久しぶりに推薦図書タグの記事です。
実は前から書いてみたかった。

『マンガ 世界ふしぎ発見! いざ、エジプトへ!歴史ミステリーの旅』(学研)

ジャンルとしては児童書で小学生向けの学習マンガなのですが、結論、ふしぎ発見!好きの方は読んで損はない、というのがファーストインプレッションです。

あらすじ

舞台は2086年。
本家「世界ふしぎ発見!」がスタートした1986年から100年後の日本。
2020年現在からだと66年後ですね。
1コマ目で夜景の中に赤坂ビッグハットが浮かび上がっています。
ビッグハットの耐用年数すげえな。

主人公はエイスワンダーという女の子2人組のキッズアイドルユニット、玲海と亜美がふしぎ発見!100周年企画第1弾「古代エジプト」回に出演する…ところからスタート。
ミステリーハンターのオーディションも兼ねた収録という設定。

司会はもちろん草野さん!(ホログラム)

2人は見事パーフェクト賞となり、バーチャルでタイムスリップしつつミステリーハンター体験の旅へ…というお話です。
ちなみに、この時のトップ賞として2人に贈られた特製トラベルパーカーは、時代とパーカーに合わせて勝手に変化してくれる設定。
こういうマンガならではのご都合主義をちゃんと説明してくれるの好き。


ミステリーハンター

ミステリーハンターは「なれるとしたらなってみたい特殊な職業ランキング」(マイナビ調べ)で男性編4位、女性編2位にランクインしています。

実際にはモデル・タレント事務所の推薦を受け、オーディションで決定しているそうです。
・明るさ
・(「世界ふしぎ発見!」にふさわしい)品性
・情報伝達力
…が選考基準とのこと。

それと視聴者目線で加えると…
・ボディランゲージだけでもある程度コミュニケーションを成立させられる
・飛行機や船、舗装されていない道での車移動に長時間耐えられる
・虫、両生類、爬虫類を食べられる
・何日かお風呂入らないでも平気
…なども必要条件ではないかと思います。

以前ベテランミステリハンターの竹内海南江さんが、あまりにも移動時間が長すぎてドストエフスキーを読破なさった話をインタビューで仰られていた気がする。
正直一般社会人のドストエフスキー読破は結構難易度高い!
…と思ってしまった時点で読書歴の底の浅さがバレてしまう(笑)。


プ〇キュア?

最後まで読んだ時に真っ先に思った感想としては…
あらすじ的に、プ〇キュアふしぎ発見!
もしくは、Inspire the Nextプ〇キュア。

途中、2人のガイド役としてロボタイプAI(?)MHSR-02(通称メロちゃん)もピラミッドの頂上で登場します。
ロボ+美少女の組み合わせは、どうしてかカタルシスを感じますね。
クロノトリガーのルッカ&ロボの影響でしょうか。
あと、メロちゃんはMade in 日立製作所であってほしい!

また、ここで注目したいのが、物語のスタートがクフ王ピラミッドの頂上だったこと。
ふしぎ発見!は2015年、日本メディアとして初めてふしぎ発見でエジプトのクフ王ピラミッドへ登頂しています。
1983年以降、ピラミッドへの登頂は禁止されていますが、ピラミッド調査チームに同行する形で登頂しながらの撮影と上空からの撮影が特例で許可されました。
また、2017年3月11日放送回では同ピラミッド調査チームの取材という名目で、最新機器を使った3大ピラミッドの計測調査への同行も特別に許可されています。

バックナンバー確認してみたら放送第1回目以来、これまでのふしぎ発見!エジプト回はおよそ80回。
最低でも年に1回はエジプト回があります。
それだけ何度も特集してきた積み重ねなんだろうなぁ。
継続って大事。


ピラミッドと街の近さ

ギザの3大ピラミッドは、エジプトの市街地からとても近いところに位置しています。
以前『トリビアの泉』でもスフィンクスの見つめる先にはKFCがあると放送されていましたが、本当に近い。

ピラミッドKFC (2)

スフィンクスKFC (2)

スフィンクスからなら徒歩4分
クフ王のピラミッドからなら徒歩15分
カフラー王のピラミッドからなら18分
メンカウラー王のピラミッドからなら23分
改めてサンキューGoogle。

ピラミッドのすぐそばが栄えていたのは、建設当時から変わらないと考えられています。
ピラミッドの建設に携わる職人や設計に携わる人々で需要と供給が生まれ、街が栄えていった…という流れですね。

スフィンクスの懐に当たる部分には、ヒエログリフで書かれたトトメス4世の『夢の碑文』。
トトメス4世は古代エジプト第18王朝の王(BC1400-1390)です。
スフィンクスが夢に現れて、自分を修復すれば王にしてやると夢のお告げがあったという謂れが書かれています。

ちなみにトト神のイメージ図はこちら

トト神イメージ

悠木 真咲さんによる写真ACからの写真


神話ってやっぱりおもしろい

途中で読み応えあったのが、メロちゃんのエジプト神話講座。
ここでいう神様とは、太陽神ラーのことです。

昼間世界を統治した太陽(神様)は2つの山の間にある冥界の門に入って
夜の間にエネルギーチャージする旅に出る。
太陽(神様)は冥界で悪魔神アポピスを討伐、力を取り戻して再び東の空から復活する。

王様は神様の息子という位置づけ。
神の声を聞いて民衆を豊かな国に導いてくれる存在として、民衆から尊敬されている。
神様は「始まりの海」から現れて、最初に降臨するための土地=「原初の丘」を作った。
クフ王のピラミッドはナイル側沿いの港から見ると、海の向こうに神々しく輝いていて、王と神の存在の近さの演出となっている。

カフラー王は2つのピラミッドを冥界への門に見立てることで、冥界の門に沈んでいく太陽(神様)、再生につながる終わりを表現しようとした。
…というのが、3大ピラミッドに秘められた演出と考えられています。

巨大建築物で神話を表現しようっていう発想がすごい。
権力と財力と民衆への求心力がないと実現できないプロジェクト。

日本で例えると、イザナギがイザナミ連れ戻しに黄泉平坂に行く件を
渋谷駅あたりで表現しようとした…みたいな感じになるのか?


たまに挟まれる小ネタに、ニヤリ

本筋のストーリーはそれはそれで楽しめるとして、「もしかしてそれは…」と深読み(邪推)できる小ネタがちょいちょい挟まれているのも、ふしぎ発見ファンとして嬉しかったポイントです。

ピラミッドの頂上ネタもそうなのですが、他にも、主人公2人が古代エジプトをバーチャル体験できる旅に出発するシーン。
2人の立っていた床が抜けて旅に出発するのが完全にボッシュート(笑)。

それから、ラムセス2世のハヤブサに亜美が髪飾りを取られてしまうシーン。
エジプトなので、ホルスとリンクしている演出なのですが、個人的には、先日放送していたUAEの鷹匠回が頭をよぎりました。
砂の街に集結するハヤブサさんたち、ほんとイケメンパラダイスでしたよ。


まとめ

ふと思い立って突貫工事で書いてしまいましたが、正直、駆け足でブログにアップしてしまったのをちょっと後悔しています。
もっと深堀りできるはずなんだけど、本気でやろうと思ったらあと2年は欲しい。(笑)

本編の合間に、エジプト文明が生まれた地形的背景、ピラミッドが作られた経緯、ラムセス2世やクレオパトラ(7世)のバックグラウンドに関する解説などもあり、エジプト×ふしぎ発見!のブランド力を改めて感じた一冊。

2020年も当然エジプト回があると思うので、その時にもう1回読み返そう。


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