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最近の物理に対する姿勢

物理学科に属して1年と半年が過ぎた.B1のときとでかなり物理に対しての姿勢が変わってきたように思えるので,昨年までの様子を思い出しつつ,今の物理に対する考えと自分のスタンスを書き起こしてみようと思う.


B1とそれ以前では,物理というのは,″物理″という分野だけで完結するようなものだと思っていた.(完全に完結するとは言わないが,物理学科の学生として物理学科の講義を受けていれば,その後の物理の学習をするのに問題がないものだと考えていた.)

以前は素粒子理論のみに興味があった.たしかに素粒子理論ならば(数学は多少やったほうがいいとはいえ)″物理″の範囲に包含されていると感じる.

しかし,最近は数理物理学に興味があるのではないかと感じており,数理物理学であれば,素粒子理論よりも深い数学の知識が必要になる.実際に数理物理学の世界を知っている訳ではないので正確なことは言えないが,数学科と同等か,それより少し雑な知識は必要なのだろう.

特に物理学と数学とで世界を分断してしまっている訳ではないが,以前まで物理学と数学の混じりあっている分野を知らなかったので(素粒子理論がそれだと思っていた),物理学と数学の世界は少し離れた,少し入り交じりはするが,独立はしている,というような印象であった.

しかし,B2になってから「微分形式」や「幾何学」というワードに(なぜか…)惹かれるようになってしまった.それがいいのか悪いのか,数理物理学を知るきっかけとなった.また,場の理論というのものは″物理″であると思っていたが,物理学と数学とで研究対象とされているらしい.それも新たな発見であった.


また,上記のほかに変わったのは,物理に対する情熱だと思う.B1までは「なにがあっても素粒子理論をやるのだ.それしかない.」といった感じで,志高く,Webのページなどを漁って読んだりしていた.また,「自分はアカデミアに向いている人間である.」など,今思えば恥ずかしいでしかない自己評価をしていた.

しかし,今は「物理をやってて楽しさをB4まで持っているのであれば,そのまま院とか行けばいいのかもなぁ.」だとか,「素粒子理論や数理物理学をやりたい気持ちがするけれど,自分は学部生であるし,その研究の世界にいる訳ではないので,現段階で興味があるかもしれない,としか言えないよなぁ」というかなり形のあるような,ないような自分の望む未来像がかなり靄がかったものとなった.
また,自己評価については,「人より理解出来ている部分は多少はあると思うが,あまり(物理をちゃんとしている)人と話したことがないからなんとも…」といった感じになった.


見かけ上では,物理のやる気がなくなったのか.という印象を受けるかもしれないが,そんな気持ちはしていない.前より物理の世界を知って,現在自分が置かれている状況について把握し始めて,正常な思考ができるようになったのだと思う.猪突猛進と言えばエネルギッシュで良いのかもしれないが,突き進んだ先が望まぬものであれば変更は容易くないので,猪突猛進というよりか千鳥足でフラフラ進むのがまだいいように思える.(B3になっても千鳥足であると少し困るのだがB2まではまだ許容されるだろう.(されてほしい.))


こんな感じでB1と比べていい意味で大人しくなった.もう少し情熱があってもいいように自分でも思えるが、この状態で精神的に安定しているので,ここから無理やりエネルギーを加えて不安定性が増して崩壊してしまうリスクを取るのは控えて,思考が変わらない限りはこのまま物理の学習を進めていきたい.


ちなみに今は,″物理″というか数学寄りの物理に興味がある.数学的構造が物理学に落とし込めるようなものとか,また,高エネルギーの状態を幾何的に理解したいのかもしれない.
ただカッコイイという安直な気持ちでやりたいもの,としている気もするが,それもその分野に進むきっかけにはなると思うので,自分のその興味の持ち具合について客観的に「かわいいもんだな.」と捉えておいて,実際にその分野を覗き見て,興味があるものだという確信を得たい.

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