見出し画像

ロット数1のマダミスを作ってみたのでその記録

いつも固定の7人でマーダーミステリーのプレイを楽しんでいます。ただし、1人(A子ちゃん)が海外留学中のため4ヶ月前から6人で遊ぶ日々。
月一で集まって2作品をプレイ、最近ご無沙汰だけどUZUやココフォリア等オンラインで頻繁に遊ぶ時期もありました。

2023年10月頃。
そんなマダミス仲間の1人(M子ちゃん)が年明け誕生日なので、オリジナルマダミスを作って驚かせるか〜と残りの5人で話にあがる。M子ちゃんに犯人役をやってもらい、エンディングブックで「え!?これオリジナルなの!?どひゃ〜!」となってもらおうという魂胆。

2023年12月7日。
話にはあがるけど具体的に動くことなく12月に突入。
この日、急遽5人中4人が集まれることになったので脚本会議@バーミヤン。
自分の中でたたき台を作っていたので恐る恐る提出してみる。いつもの7人組のメンバー1人1人に、微妙にキャラが重なる様に設定にしてみた。ストーリーはみんなで行った温泉旅行をベースに置いて。
たたき台を基に4人で話を膨らませ、なんとなく行けるのではと希望が見えた。そんなこんなで、温泉旅行で繰り広げられる旧友7人組間での殺人事件で行くことに決定。
脚本を詰めていくにあたり全員で手を加えるには時間がないということで、脚本は5人を代表してBちゃんという子に全振りすることとなった。頼もしくてキラキラしていた・・・

次の日から私はデザインに全集中することとなった。上記のバーミヤン会議にて自分はデザイン担当に手を挙げていた。
各自で動きつつ、メンバー全員で定期的に集まり脚本もデザインも基本はみんなで意見交換をして進めていくことに。
Bちゃんと私以外は花屋と美容師なので年末は特に繁忙期。それでもこの後繰り広げられる会議祭りに参加してくれて本業に支障を来たしていないか不安で仕方がない。


下調べ

まずはなにより入稿先の下調べ。

この時点で決定していたこと
・2024年1月15日が本番
・調査カードの作成が必要

そして願望
・箱化したい
・一箇所の印刷屋さんに依頼したい
・白黒印刷は避けたい
・極力安価に仕上げたい

まず小ロットも小ロット、世界に一つのマダミスなので1個から入稿できるところを探すのに苦戦。見つかったとして値段の問題があり、納得のいく値段のものが見つかるまで血眼でネットサーフィン。
そして最難関。納期。
動き出しが遅かったのでそもそもの納期が短かいことに加え、最強パワーワード「年末年始休業のお知らせ」に何度も白目を向きました。
高くつくけどキンコーズで印刷する、箱化は諦める、、、等色々な最後の砦を頭の中に用意することで心を落ち着かせた。

結果、カード類・ブック類・箱の3つに分け、それぞれ違う印刷屋さんに入稿することに決めた。入稿のルールが三者三様になるのと送料分価格が上がってしまうことがネックだが、3社に分けることでそれ以外の問題が突破できる。


箱作り

マダミスでよくあるパカっと開くタイプの箱は組箱と言われるタイプらしい。調べると世の中にはいろいろな箱があるのだと知った。キャラメル箱、スリーブ箱、地獄箱、、、
封筒タイプにするなど価格を下げる方法はあったのだが、どうしてもパカっとさせたくて今回はフタミ式組箱にした。蓋(フタ)と身(ミ)でフタミ式ということらしい。

温泉をテーマにデザインを作るのも良かったのだが、キャラ全員がすこし重くてすこし歪んだ愛を持っている作品と感じたので『平成の(愛)重めギャル』をテーマにデザインを進めた。
平成にしたのは令和のギャルの気持ちがわからなかったから。ギャルにしたのは我らがアイドルA子ちゃんにリスペクトを込めて。。。(A子ちゃんとは作品中の魚住に当たる。A子ちゃんは現在海外留学中。)

で生み出されたのがこちらの2つ。

黄色の方がスマートだしギャル感があって好きだったんだけど、誕生日プレゼントとして意味が重なるのはやはりリボンの方なのかなと。みんなにも聞いてリボンの方に決めました。

で、登場キャラが各々の愛を達成するまでのカウントダウン、そして現実世界ではお誕生日のお祝いまでのカウントダウンということでタイトルは「COWNTDOWN OF LOVE」に。

ストーリーがまだ変わることも踏まえてあらすじは記載せず、プレイ人数、プレイ時間、GMレスの旨だけを記載。
レーベル名も欲しくなったのでこちらも平成の重めギャルっぽくBFF=ベストフレンドフォーエバーに。友情にも重い平成ギャル。

そして到着したのが1月6日。
嬉しくて1人で「いえーい!」って叫んだ。平面以外のものを作るのは当たり前に初めてだったのでうまく入稿できているか本当に不安だった。
ちなみに入稿時不要な実線が誤って入ってしまっていて、担当者さんがすぐに指摘のメールをくれました。ありがたい対応。
震える手で組み立てたけど意外と苦戦した。組み立て終わって嬉しくて何度かパカパカした。

ツヤっと感がお気に入り
温泉旅行のストーリーを無視したパケ
底紙には”True Love"と印刷


ここで反省点。
このリボンのところが蓋と身で合わない。

完全にずれている

身を数ミリ小さくした分リボンの位置を変えなきゃなんですよね。なんで気づかなかったんだろうと思うけど、作成中は必死だったのかなあ。リボンが太めなこともあり目立たないことが幸いかな。


カード

カードはライオンさんの異種面付けによりかなり安く仕上げられた自信がある。21枚で1セットで、今回作るカードが奇跡的に42枚。無駄なく入稿できて地味に嬉しかった。と、この時までは思ってた。

カードはそれぞれのキャラが旅館で選びそうな浴衣の柄と帯の色をチョイス。漫画で使用するスクリーントーンにありそうな柄だなと思ったので、フォントも平成の漫画のエピソードタイトルに使用されそうなものを。
入稿も遅かったので到着は1月11日。ギリギリすぎる。

念の為モザイク

ここでも反省点。
レトロ感というのは素人が手を出す物じゃないんだなと学んだ。なんかただチープな感じに仕上がってしまったなあと。ワードで作りました!みたいな、、、
あと本来浴衣モチーフでカードを作っているので縦型にすべきだった。これについては作成時から気づいていたのだけど、イラレに不慣れなので縦型入稿に挑む勇気がなかった。アートボードを回転させてよかったのかな?兎に角入稿ミスがあってはならないので安全な道を行きました。

でも本来は凝り性なのでベストを叩き出したかった〜!叫


ブック系

キャラクターを描けずにどうキャラクターブックを作るのか。
幸いキャラクターの顔が描かれていないマダミスが多いので逃げ切ることに。後ろ姿だけとかシルエット姿とかのが多い印象。
で、試しにシルエット絵を描こうとしてみたところ、完成が5年後になりそうだったので一瞬で諦めた。各キャラクターが持っていそうな鞄をググって画像トレースして簡単に仕上げました。
そしてこれらブック系はギリギリもギリギリ、1月13日到着。

しっかりつくりこんできたBちゃん
冊子の色は各キャラの帯の色とリンク

部屋の間取りは7人で実際に宿泊した温泉宿の間取りを採用。
宿のサイトに間取りが掲載されていなかったので記憶を辿ってなんとか描き上げた。設計士さんからしたら滅茶苦茶な線の引き方ですがそこはご愛嬌。(本当は襖の間取りの正式な書き方を模したかったですがこれも時間がないので自主規制!)宿の間取りが少し特徴的だったので、『流石に途中で気づかれるのでは?!』とみんなでひたすらにヒヤヒヤしていた。

エンディングブックは、いくつかのエンドに分かれていてその内一つだけが「ハッピーバースデーエンド」
Bちゃんのアイディアで、我々5人+海外留学中のA子ちゃんからのバースデーメッセージを輝かしく掲載。犯人役であるM子ちゃんににこれを読んでもらってどっひゃーとなってもらう予定。
そこだけ作ればいいものを、Bちゃんは他のエンドもきちんと書き上げていて仕事の丁寧さにリスペクトです本当に。

そういうBちゃんの姿勢に感化されて可能な限りの演出をとQRコードを掲載してみた。このQRコードは読み込むとあるインスタアカウントに飛ぶようになっていて、そのアカウントはこのマダミスの制作過程の記録写真を並べる予定。behind the BFFとして楽しんでもらおうと言う訳です。
これも入稿時にはただアカウントを立ち上げただけで、投稿0のまっさらな状態なので入稿が終わってからちまちまと投稿。ちなみに当日の様子もバレないようにこっそり投稿を続けていた。
念には念をのタイプなので、ギリギリまで鍵アカウントにして(間違ってこのアカウントが見つかってしまった時のために。)、エンディング読みこみ寸前に鍵を外しました。


QRコードを忍ばせる


梱包

注文した全てが揃い、あとは簡単な梱包作業だけ。
カード類は裏面を見られずに各キャラに配る必要があったのでくるっとひとまとめに。
このひとまとめにするテープ、ちょうど良い商品が見つからずイベントでよ
く配布される使い捨てのリストチケットで代用。Amazonで購入できます。
キャラ用カード以外はちょうど良いサイズのジップ袋へ。

今思えば紙テープに両面テープつけて工作すればよかったな〜。まあなんかそれっぽく仕上がったからいいけどなんせ派手。

で、ここで最後の問題が発生。カードの裏面が見えてしまう!

丸見え

たしかにマダミスの調査カードって、「こちらは裏面です。このカードはめくらずに調査カードを表のまま配布してください。」とか注意喚起の書かかれたカードで挟まれたりしているな、、、注意喚起カードの作成が必要だったんだ、、、カード42枚でピッタリ入稿に喜んでいる場合ではなかった。

このまま梱包して、M子ちゃんが無邪気に箱を開封したら「あれ?これ裏見えてるんですけど〜!」と指摘されてしまう!そして計画がばれて地獄に突き落とされてしまう・・・!

それを避けるために100均で無地の名刺カードを購入、裏面に被せて事なきを得ました。人間って本当詰めが甘い。


完成& サプライズ

ということでどうにかこうにか完成しサプライズに間に合った訳です。

完成までの間に何度も5人で会議を重ねて、未完成のままコンビニコピーの試作品でテストプレイしたり、当日の立ち回りを考えたり。
実はもうこの企画がバレているのでは?とみんなで不安を抱えたままプレイに至りました。

本番は無事にびっくりしてくれてサプライズ成功!人生で一番驚いたと言ってくれて嬉しい。

押し付けがましいサプライズだけど、とにかくM子ちゃんを全力でお祝いしたかった〜!Bちゃんの脚本が上出来なので商品化したいけど、とにかくにこのお祝いの気持ちがあってやり遂げられただけなのです。その気持ちを失った今、商品化までは辿り着ける自信がない。

・・・とは言いつつこのnoteに貼っている画像にご丁寧にモザイクを入れている自分がいる。商品化しないならネタバレ防止のモザイクなんていらないはずなのに、本心がダダ漏れである。


終わりに

世の中にはきっと我々と同じような7人組が我々と同じようにロット数1のマダミスを作ろうとしているはず。
そんな方の背中を押せたらいいなとか余計なおせっかいを抱きつつ、自分は自分でこれからも遊びに本気で行きたいなと改めて思いました。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?