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ハウスミュージックは「欲望する諸機械」

「Fool's mate」1986年3月号を読み進んでいくと、フェリックス・ガタリのインタビューが載っていた。こんな音楽雑誌、今はもうないだろうな。フェリックス・ガタリはジル・ドゥルーズとの共著「アンチ・オイディプス」や「千のプラトー」が有名なフランスの哲学者、精神分析家で、パリ第八大学の精神分析コースにおいて、ジャック・ラカンのもとで学ぶ。1968年五月革命以降、ジル・ドゥルーズに出会い、政治犯救済運動を推進する一方、ブロワ近郊のラ・ボルド病院(ロワール=エ=シェール県)に分析家として勤務し、精神医学改革の運動を起こしてきた。患者を院内活動、クラブ活動に責任ある参加をさせ、集合的主体化の拠点づくりを目指す。個人の確立よりも集団と個人のあいだに現れるその局面の主体性を作ろうとした。入門書として「闘争機械」、「エコゾフィー」、理論的著作として「精神分析と横断性」、「分子革命」、プルースト論の「機械状無意識」などがあり、また、自伝的作品に「リトルネロ」、芸術作品や数学を論じたものに「分裂分析的地図作成法」がある。分子とは比喩で、体積の変わらないモルと対置される。意識がモル的な動きしかできないのに対して、無意識は自由に元素のように結びつき様々な分子的な結びつきを実現する。無意識を第一義に置いた視点は、今もって斬新である。私が初めてフェリックス・ガタリを知ったのは、高校時代に函館の本屋でアントニオ ネグリとの共著「自由の新たな空間」を、ただその本のタイトルに惹かれて買ってからである。内容は難解でよくわからなかったが、文体がかっこよかったのを覚えている。その後、浪人時代に「アンチ・オイディプス」を買って受験勉強そっちのけで読みふけり、大学3年生の時の都市論のレポートで、ハウスミュージックを「欲望する諸機械」として論じて難波和彦先生から「A」の評価を頂いた。
CDの方はお洒落系の音が終わり、続いて2枚ダンスミュージックが続く。
1枚目はイタロハウス・クラシックのFPI PROJECTの「Rich In Paradise」である。1曲目の「Going Back To My Roots」は、プロデューサー・チームHolland-Dozier-HollandとしてMotownで一時代を築き、シンガー・ソング・ライターとしても多くの名曲を残したLamon Dozierが、自分達のルーツ、アフリカへの情景を歌った歴史的名曲&不滅の名曲が原曲で、Richie HeavensやOdysseyによるカヴァーも人気がある。オリジナルのLamont Dozierの「Going Back To My Roots」は1977年の作品であるが、私は後年再発された12インチシングルのアナログ盤を持っている。


FPI Project ‎– Rich In Paradise [1990]
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Lamont Dozier - Going To My Roots (1977)
Ten Minute Masterpiece By Soul Legend Lamont Dozier
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Richie Havens- going back to my roots - live
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Odissey - Going back to my Roots (High Quality!)
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2枚目は金原千恵子の「STRINGS OF LIFE」だ。金原千恵子は、BREW-BREW、Aska Stringsなどの活動を経て、金原千恵子ストリングスを結成。サザンオールスターズ、井上陽水、福山雅治、阿部義晴、山下久美子、佐野元春、ピチカート・ファイヴ、Bonnie Pink、椎名林檎、MONDO GROSSO、コーネリアスなど、数多くのアーティストのステージ・サポートやレコーディングに参加し、クラブ・シーンでの支持も厚く、自身の作品ではヴァイオリンとハウス、ダンス・ミュージックを高い次元で融合させたサウンドが特徴である。アルバムタイトルの「STRINGS OF LIFE」はデトロイト・テクノの御三家の一人のデリックメイの歴史的名曲で、圧倒的なポテンシャルで人々を熱狂へと引き込んだ、エレクトロニック・ダンス・ミュージック史上もっとも重要で影響力を持った名曲と呼ばれている。


CHIEKO KINBARA / Strings of Life
CHIEKO KINBARA / Strings of Life
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~PEMAの本棚~

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