忘れたいこと
僕はあまり多くのモノを持ちたくないタイプの人間です。
先日、久しぶりにヤフオクに出品しました。2種類の株主優待券とジレです。合わせて1万円程度の収入になりました。
ジレは数年前に旅行先のデパートで買ったもの。いやな思い出があるものでした。
その頃、僕はジレにはまっていました。「こういうのが似合う男になろう」と。
旅先のデパートで出会ったそれは一目惚れでした。店員さんとも色々話をしました。
「在庫はこの一点しかないのですが、お取り寄せで新品をお届けできます」
新品であることにこだわりはなかったですし、そのまま持ち帰りたかったのですが、店員さんの強い勧めで新品を自宅に届けてもらうことにしました。
届け先の住所を書く僕。それを見る店員。
「あぁ、この辺りの方ではないんですね。一期一会でしたら、こちらをお持ち帰りしますか?」
僕が遠方の人間だと知り、店員は態度を変えました。「どうせ、もう会うことはないだろう?だったら、新品をわざわざ届けてやることもないか」とばかりに。
このジレを見るたびにそれを思い出すのです。
でも、ジレ自体に罪はありませんし、一目惚れもしていました。自宅に届けてもらった新品のジレ。店員の態度。ジレを見るたびにもやもやした気持ちになりました。
数年が経ち、僕の中のジレブームも去り、ようやくそれを手放すことができました。でも、その店員の態度は今でも時折思い出してしまうのです。
その嫌な気持ちをここに書き留めることで、僕はそれを忘れることができるかも。そう思って書きました。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?