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半年後の世界の話

ライブに行けなくなってから半年が経った。厳密に言えば、ライブ自体は2月末以降行っていない。最後に出掛けた催しは3月末にcafe104.5であったDJイベントで、週末にも緊急事態宣言が発令されるという情報があったので早めに切り上げて帰宅したのだった。それから、ライブどころか外食すらも行っていない。潰れたら困る豆花のお店で週2でテイクアウトする位。宅配便を受け取っただけでも手を洗うし、買った物にはアルコールスプレーをかけまくるし、出勤時は地下鉄を使うが退勤は徒歩に変えた。個人で取れそうな感染対策はかなり取っている。

有観客ライブもぼちぼち開催され、いいなぁ〜!とは思うものの、自分も参加しようとはまだならないし、かと言って行く人に対して自分が節制しているのに遊び惚けやがってとも思わない。来るなと言っているのに渋谷に仮装して集まった奴らは滅びろと思うし、わちゃわちゃになった最前の様子の写真をアップする野外フェスの公式アカウントはバカなのかとも思うけど、少なくとも私のタイムラインに上がって来る、対策を取った上で活動しているアイドルやミュージシャンやMCバトルイベントや、それを支えるファンの方々は、本当にそれぞれの活動存続のためにやれる事をやってほしいと思っている。配信チケットを買ったり、投げ銭したり、推しのBandcampに万単位でぶっ込む位しか自分はできないけど、みんな元気でいてほしいなと思っている。

さて、4ヶ月前に1年周期でライブに行かなくなる話を書いた。ざっくり言えば、ライブで一時の楽しい感情を買っているはずが、スタッフに嫌な対応されたり、ファン同士の関わりが面倒臭くなったり、アーティスト本人に嫌気がさしたり(これは本当に酷いエピソードがあるのでその内書きたい)という目に遭い、何だかんだで全てが受け付けられなくなるという話だった。(だった?)「感情を買っている」という表現は、リアルタイムでは「応援している」なので、当事者でなくなったから使える言葉だね。

こんなこと書くと不謹慎とか罵られそうではあるが、感染しないように個人でやれることはやっているので、もう事態の終息に自分は関係ないのだと思っている。更に感覚的に自分の仕事量は大して変わっておらず、Amazon prime とPS4とネット環境さえあれば外出しないのも大して苦ではないことから、ライブに関しては諦念すらしているものの、だからこそ目下の悩みもライブに行けないという一点に尽きる。

「ライブに楽しく行けている内は、楽しくファン活動ができている」という10年来の刷り込みのせいもあるし、今までライブに行っていた頻度が尋常じゃなかったせいもあって、元通りとは行かなくとも、本当に再び行ける日は来るのだろうかという漠然とした不安がある。あんなにライブやイベントに行き積んだはずの功徳は、きっと7月や8月や9月にクラブで行われた命知らずが集うライブやMCバトルに行かなかったことで、もうなくなってしまったような気がする。3年積んだ石が、賽の河原の鬼に跡形もなく粉砕されてしまった。そんなこと杞憂かも知れないのはわかってはいるけれど、もし自分が逆の立場だったら「一番大変だった時に来てくれなかったくせに今更どの面下げて来ているんだ」と一瞬でも脳裏に過らないか自信がない。ライブ参加復帰のタイミングが正直難しい。ライブ行きまくって自分でもライブ企画してたガチ目の人間のメンタルですらこんなピンポイントで弱らせてくるのだから、本当にブッコロな極まりない。

この間の姫乃たまちゃんの配信は、考えさせられる内容だった。推し目的という不純な動機ながらたまちゃんのイベントには何度か行ったことがあって、その度に「今日もボーイくんかっこよかったね!」などと声を掛けてもらい、本当に優しく接していただいていた。決して友達ではないけれど割と近めのアーティストが、ライブができないことや配信でコミュニケーションが取れないことに大きな影響を受けていたという事実は、やはり一介のファンである私も少なからず思うところがあった。配信の中で「推しのここが好き、この曲が好き、と発信してくれるだけで救われるアーティストがいる」というようなことを仰っていた。この場合の発信とはTwitterのことではあるが、Twitterはエゴサパブサ、監視の果ての知らない鍵アカからのリプやRTというストレス源にさらされているので、私は意図的に名前を出して呟かないようRTしないようにしていたのだが、これだけで救われるとまではいかなくてもファンがここにいるよ……という意思表示になるのなら、今後はいいねRTは躊躇しないように心がけたい。

しかし、舐めたリプやいいねRTしてるのがアニメ・イラストアイコン/◯◯中・◯◯高主張/ソシャゲの話……自分の推しラッパーがそんなんばっかりに支持されるという未来は流石に想像していなかった。自分を良貨だと思っているわけではないし、アルバム制作のためとはわかっているので様子見ではあるが、流石に悪貨が良貨を駆逐する現場までは見たくない。ああいう舐めた奴らがウェーイモッシュッシュと小箱に集まっている想像をして苦々しく思っている。本当に苦々しい。キャパ80のハコに何人入れるかわからないが、ラッパー多数、お客さんも飛び入り参加OKのカラオケ大会やるなんて気が狂っとる……そんなことを考えている間に、都内の感染者数は爆上がりになってしまった。これは結構デカめの様子見イベントが早速発生してしまったな……と、例の病が再発するのではないかと怯えている。

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