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冷静と情熱の間には保冷剤が詰められている話

あくまでも体感だが、1年前よりも世の中の推しへのモチベーションが低下している。私だけではなく、たぶんどの界隈でも少なからずある話なのだと思う。ナタリー記事で活動休止・解散が目に入るが、初めて名前を知るようなバンドだったりすることもしばしば、凄い売れてるとかじゃないけど今までライブさえできていれば生活できていたのか……と感心しかけたが、モチベーション低下で続けられないという可能性も大いにあるので、金銭面でも精神面でもやはりライブというものは死活問題なのだなと思う。前にも配信になって影響を受けてしまったアーティストの話に触れたが、たまたま私の推しのメンタルが無事で、私のメンタルも割と強かったというだけの話なんだろう。

ライブがないというのは、推しがいのなさに直結する。配信チケットをいくら買っても、ライブを観ているという証明にはならず、内側はともかく外側に向けた完全な満足感を得る事はできない。ツイキャスで配信チケットを購入するとツイッターに連動して報告できるシステムを、やるのもみるのも恥ずかしいと思っていたが、購入ありがとうと引用RTしているアーティストさんのツイートを見て、今の時代にはこういうことが大事なのだろうなあと図らずもほっこりしてしまった。

このnoteを書き出したのが昨年の6月でその時は、ライブに行かなくても情熱は変わらないよね〜と思っていた。
よく、熱心だったファンほどアンチになりやすいとか好きだった分だけ憎しみに変わるとか言われるけれど、それはどこかに期待する心が残っているからで、本当に失望した時は虚無しか残らない。

冷静と情熱の間にカイロが貼られているなんてことはまずない、大抵は保冷剤が予想よりも多めに詰め込まれているのだ。

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と、ここまでの内容を今年の4月に書き始めて下書きのまま寝かせていた。湿っぽさのせいもあり、だいぶ腐敗も進んでいる。
そこから約半年、世の中の状況は少しずつではあるけどマシになっていて、最近だとライブをお休みしていたスカートがボロフェスタで再開するっぽい事で一番実感することができた。個人的に変わったことと言えば、接種2回目を今週末に控えていること、打ったらライブにも行けると思っていたが街中のウェーイ系の若者の多さに辟易しているのでもうこうなったら治療薬ができるまで出歩かない方が精神衛生上良いのではないかと思い始めていること、大きめの仕事が決まり沢山の人とこれから否応無く関わらなければならず生活のためとは言え来るべきライブ再開のために節制に節制を重ねていたのにこれで感染したら泣くに泣けないなと考えていること、雨後の筍のように現れる地下鉄の地上出口で5〜6人集まってワイワイしている集団は一向に健康なご様子で本当に毎日苛々していること、など。

今年になってから、配信を行わないライブがいくつかあった。1年もあったのだから、もう配信で新規客を取り入れる時期は終わったし、費用対効果もわかったのだろう。私の好きなバンドに関しては今後、現地だけのライブが増えるような気配が濃厚だ。Ginza Sony Parkで5月に行われた映像・音響・演出・スイッチング・カメラワーク全て最高な1時間越えのライブ(セトリ付)が今もYouTubeにアップされているのでなかなかあれを超えるのも難しいのかもしれない。某テクノユニットのライブ配信のために会員制のサイトに登録したものの、暫くしたら会員でなくても観られるようになったりYouTubeで公開されたりして若干拍子抜けしてしまった。私も動員数が少なかった企画の2時間位ある動画を勿体なくてYouTubeで公開しているので、ですよね〜という思いがある。本当に毎回毎回お金を払って配信を観る人は限られているのだろうな。

さて、保冷剤の例えは我ながら言い得て妙だと思う。他者を変えることは出来ないし、考えること自体烏滸がましいのはよく理解している。ただし欲しいものリスト、テメーはダメだ。

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