見出し画像

「概念の刷り込み」

 行けーーー!

 ぶっ刺せ〜!こねくり回せ〜!、、、、って、あらやだ、いらっしゃい。今「竜退治の英雄伝」を見てて興奮のあまり思わず叫んじゃった。ちょっと恥ずかしいところを見られちゃったから、今日はさっさと本題に行っちゃうわ〜。今日のテーマは「概念の刷り込み」よ〜

気付かれぬように

画像1

 概念に限らず、対象に洗脳を施す際は「気付かれぬように」が大原則です。上の画像のように、一部だけなら気付かれませんが、全体が見えてしまうと「コントロールされている」と気付かれてしまうからです。

 また、映画やアニメに象徴が登場すると「これは刷り込みだ〜!」「これはマインドコントロールだ〜!」って騒ぐ人がおりますけど、"気付かれぬように"が大原則なのに素人でも分かるような刷り込み方はいたしません。それに、象徴を見ただけで何がどうって事はありません。むしろ、そのように考えてしまうことが”一部だけ見させられている”状態と言えます。わたくしが申し上げる"刷り込み"とはそういうモノではなく、刷り込まれていることすら分からないほどのモノなのです。

 ではまず”気付かれずに刷り込む”ツールから見てゆきましょう。最古の刷り込みツールってなんだと思います?


音楽

画像2

 単刀直入に申しますと音楽であり、厳密には”リズムに乗せられた詩”です。これについては、わたくしがとやかく言うより、プラトンの『国家』の引用を読んで頂いた方が早いです。以下の引用はソクラテスと友達の会話形式です。

 「守護者たちとしては、どこかそのあたりに見張所を建てなければならないようだね。つまり音楽・文芸のなかに」

「たしかに法に反したことでも音楽・文芸におけるそれは」と彼は言った。
「やすやすと気づかれずに忍びこんでくるものですからね」

「そう」と僕は言った。「自分は娯楽に過ぎないというようなフリをして、何一つ悪事を働かないような顔をしてね」

「事実またそれは、他には何もしないのですからね」と彼は言った。
「こういう大へんなことを別とすれば。すなわち、そういう音楽・文芸における違法というものは、少しずつ入りこんできては住みつき,じわじわと目立たぬように人々の品性と営みのなかへ流れ込んで行く。そしてそこから出てくるときには、もっと大きな流れとなっていて、こんどは契約・取引の上の人間関係の分野を侵すことになり、さらにそこから進んで法律や国制へと、ソクラテス、大へんな放縦さをもって向かって行き、こうして最後には、公私両面にわたるすべてを覆すに至るのです」

  音楽の本質とはこういうものです。我々が生まれた時からある概念「常識」の中の「音楽」は「娯楽」に分類され「良いものだ」と思っております。事実、美しい音や旋律は人の心の癒しになりますし、心温まる詩は時に勇気づけられもしましょう。しかしながら逆も然りであることを忘れてはいけません。美しい音や旋律に”支配者に都合の良い常識”を語る詩をのせたなら、引用の最後にもあるように”公私両面に渡る全てを覆すに至る”のです。

 えっ?娯楽の音楽がそんな訳ないですって?

 重ねて述べますが音楽に限らず全ての物事には”両方の性質”がある事を忘れないでください。使い方によってはどちらにも効果的に機能します。純粋に人の心を癒すために音楽を奏でる人もおりますが、表向き同じように謳いつつ人の心をコントロールするよう歌う人も存在します。そして、最も重要なことは、音楽のターゲットが情報の取捨選択ができぬ”子供”だと言うこと。再度『国家』から引用します。

 我々の国の子供達は早くから、なるべく法に合致する方向を持った遊びを与えられるようにしなければならない。遊びが法に反した性格のものであるために子供達がその性格に同化されるならば、大きくなってから法を守る立派な人間になることは、不可能だろうからね

 音楽と同様に皆様が勘違いしておられるものの中に「法」もあります。法も「我々にとって良いものだ」「絶対的に正しいものだ」と記憶しておりますが、こちらの本質は以下です。

 しかるに支配階級というものは、それぞれ自分の利益に合わせて法律を制定する。(中略)そしてそういうふうに法律を制定したうえで、この、自分たちの利益になることこそが被支配者たちにとって"正しいこと"なのだと宣言し、これを踏みはずした者を法律違反者、不正な犯罪人として懲罰する。

 このような性質の「法」に合致するような娯楽を子供の頃から与えられているのです。ではなぜターゲットが子供なのか?これについては『沈黙の兵器』と『素晴らしい新世界』から引用いたします。

 国家は公教育をコントロールし、国営の保育センターをさらに増設し、父母が子どもを早い時期からそこへ〝派遣〟させるよう義務づけなければならない。洗脳教育は早いうちから行うほど、子どもたちの変移の速度を(強制的に)上げることができるのである。
 かくしてついに、子供の心はこうした暗示そのものとなり、こうした暗示の総計がまた子供の心そのものとなる。いや、何も子供の心とは限らない。それが成人の心でもある。生涯を通じてそうなのだ。判断し、欲望し、決定する心。それがこういう暗示で出来上がってしまうのだ。ところで、こういう暗示は我々が与える暗示なのだ。つまり国家が授ける暗示なのだ。

 上が『沈黙の兵器』、下が『素晴らしい新世界』。国営の保育センターとは現代でいうと幼稚園・保育園。一昔前は旦那の稼ぎで家族全員が食べられましたので母親が子の面倒を見るのが当たり前でしたが、旦那の賃金の下落とともに「ウーマンリヴ⇄男女雇用機会均等法」に乗せられた人々のお陰で女性が働きに出なければならない世の中になってしまいました。国は税収倍増で、国民は負担が倍増。早いうちから子供を預けて働かなければならない社会の出来上がり〜。この社会の流れ、偶然だと思いますか?

 「子供の心は暗示そのものとなり、それが成人の心でもあり、生涯通じてそうコントロールされる」という話をすると、前述の話と同様に決まって「そんなまさか〜」と言われますが、それは「そんなことはあり得ない」という常識の中にいるから分からないのです。
 例えば3S政策のスポーツ。政治的関心事から大衆の目を逸らすことが本質のスポーツですが、常識的には「良いもの」に分類され、子供の頃にやっていたスポーツの種目に「生涯を通じて」夢中になっておりますでしょ?そもそもスポーツは”子供向け”に開発されたもの。昔の知性ある大人は興味を示さなかったのよ?例えば高校野球とプロ野球、どっちが先に流行ったと思います?そこにPODAMが関わっているのだからお察しでしょう。

 ただ、どちらも我々の住むマトリックスでは「陰謀本」扱いですからいまいち信じられませんよね〜?ではこんなのをご紹介いたします。


童謡

画像5

 陰謀本とは違い、我々の住むマトリックスで実際に使用されたものをご紹介いたします。wikiからの引用です。

 マザーグースの著名な童謡は特に17世紀の大英帝国の植民地化政策によって世界中に広まった。現在ではイギリス発祥のものばかりでなく、アメリカ発祥のものも加わり、600から1000以上の種類があるといわれている。英米では庶民から貴族まで階級の隔てなく親しまれており、聖書やシェイクスピアと並んで英米人の教養の基礎となっているともいわれている。現代の大衆文化においてもマザーグースからの引用や言及は頻繁になされている。

 「マザーグース=洗脳」とは中々結びつきませんか?600から1000の童謡全てが洗脳として機能するわけではありませんよ。他愛もない多くのお話の中に紛れているいくつかが”それ”です。例を挙げてみましょう。

 前述の最も古きツールから考えますと「リズムにのせた詩」であり、マザーグースで言うなら「覚え歌」です。代表的なのは「月曜日に生まれた子は」。リズムに乗せた「月曜日から日曜日」までの詩を歌いながら暗記させると言うもの。

 この時点でヤバさ分かります?分からないなら刷り込まれてますよ。

 「月曜日から日曜日までの1週間」を勝手に暗記させられるのです。分別のない子供の頃に意味もわからずです。1週間は常識なのだから問題ないと思いますか?

 あなたのその常識は本当に"我が国の常識"だったのですか?

 わたくし冒頭から申し上げております。「刷り込みとは刷り込まれていることすら気づかない」と。
 想像してみて下さい。古来より「太陰暦」を使用している国の子供に「太陽暦の1週間」を暗記させたなら、30年後、その国の常識はどうなっているでしょう?また、それが世代を重ね繰り返されたらどうなると思います?子が親となり子を作り、その子もまた親となり子を作りと繰り返し、常識という名の洗脳を伝えてゆくのです。三世代も重ねたら、この国の先祖が大切にしてきた智慧の塊である「暦」がすり替わったとしても気付けません。信じられませんか?そうしましたらあなたの周りの人間にどれほど「太陰暦」を知っている人間がおりますか?それが繰り返した結果です。
 余談です。我が国ではマザーグースが使われた歴史は残っておりませんが同じ結果になっていることは確かです。本来我が国の暦は「太陰暦」であり、明治5年(1872)11月9日に廃止され現在の太陽暦に切り替わりました。また、太陽暦の開始は明治6年1月1日からとなります。


竜退治の英雄伝

画像3

 冒頭の画像からも分かるように、本件でわたくしがお伝えしたき事はここからです。長い前置きが必要だったのは、きちんと「刷り込み/洗脳」を理解して頂きたかったから。有名な洗脳方法の一つであるサブリミナルが一般的に広まったせいで、「洗脳は行動をコントロールできるもの」との誤認識が多く見受けられますが、実際は「常識と言う概念を刷り込まれている」と言う事です。概念という考える基盤を刷り込まれてしまうと、もうその中でしか物事を考えられなくなってしまいます。
 新興宗教にハマる狂信者を想像して下さい。狂信者は元々持っていた概念の上に新興宗教独自の概念を上書きされます。そのため新興宗教独自の概念の中でしか物事が考えられず、救済に来た他者の言葉は一切届かないため悲惨な結果を招くのです。知らぬ間に概念をコントロールされることは誠に危険なことなのです。

 言うなれば、考えることを奪われていると同義

 ただ、概念の刷り込みと言われてもいまいちピンと来ないでしょう。そこで登場するのが「竜退治の英雄」です。音楽・童謡と同じように仕組みを見てみましょう。

無題 1

 とある英雄伝は時代とともに変わります。主要人物や大まかな話の流れは変わりませんが、物語内の常識が変化します。

 元々の英雄伝は、敵対国との いくさで果敢に戦った軍人のお話。たったこれだけなんです。これにいつしか竜がくっつき王様がくっつきお姫様がくっつき財産がくっつくのです。よろしいですか?

 支配層が妻帯を認めず、資産を取り上げ清貧をゴリ押しした時代の英雄伝は、竜を退治した後に信仰と清貧を貫き独身のまま殉教します。

 支配層が婚姻を奨励し個人が資産を持つことを許した時代の英雄伝は、攫われたお姫様を助けるために竜退治し、その後助けたお姫さまと結婚し、国を治める王としてお金持ちになり、幸せに暮らします。

 このように、物語の主要な設定は変わりません。人の心を惹きつける魅力的なキャラはそうは生まれないため、そこはいじらずに背景を変えます。現代の我々からしたら、騎士の英雄伝は古臭いお話ですが、当時の子供にはリアルタイムの時代背景です。物語の中の常識は現実世界へと波及します。

よろしいですか?

 現実に近い時代設定の物語なら、物語の中の常識が現実世界に波及するのです。情報の取捨選択ができない子供ならなおさらです。そんな子供たちが大人になり社会を構築するのです。あちらの思うがままだと思いませんか?

 

現代の英雄伝

スクリーンショット 2021-09-04 22.59.16

 前述のお話は500年も1000年も前のお話です。その後はシェイクスピアの劇場へ発展し、雑誌、ラジオ、テレビと進化してゆきました。長い歴史があるため現代は少々複雑ですが本質は変わりません。「細かな行動が刷り込まれる」のではなく、「考える基盤となる概念が刷り込まれる」という事を念頭にお進み下さい。

 冒頭では「象徴でマインドコントロールできない」と申しましたが黄金比に関しては別です。黄金比は自然が持つ根本の比率であるため人の目を惹きつけます。これは目に見えない力とかスピッた話ではなく、人間の脳の働きによるものです。
 人の脳は日々雑多な情報に晒されています。中でも視覚は五感の割合の87%を占めます。最も情報量が多いということ。現代社会はどこを見回しても人の作りし不自然な比率の情報ばかりです。そんな中で「自然の比率の黄金比で出来た情報」は不自然な情報より処理が容易いため優先的に処理します。雑多な情報の中の黄金比のイメージは以下の画像のように脳は受け取るでしょう。

黄金比洗脳

 よ〜く考えて下さい。子供はアニメの細かな設定など理解できません。何となくボーッと見ています。物語の後半になると英雄は変身します。前述の画像でわかると思いますが黄金比を纏い変身します。ボーッと見ていた子供の心はキュッと惹きつけられます。その後に起こることといえば決まって勧善懲悪の戦いです。暴力はいけませんと言いながら、「法」「常識」に反した者へは暴力も厭わない概念が形成されます。

 みんな大好き猫型ロボットのお話は何が刷り込まれると思います?スクールカーストです。体育会系のパワー型のガキ大将、お金持ちの小狡い奴、ヒロインの女の子、出来過ぎな子、何をやってもだめな主人公。子供は集団生活の中で、物語の中の誰かに自分を当てはめカーストの上下を定めます。

 多分これも未だに変わってないと思うのですが、日曜日の朝8時から9時の時間帯で「男の子向け」と「女の子向け」が放送されているはずです。これは時代に合った「男らしさ女らしさ」が刷り込まれます。
 また、男女のバランスも少しづつ変更されてきました。昔のアニメのヒロインの立ち位置は”こっそり応援するお淑やかな幼馴染”ってところです。それがウーマンリヴの流れと歩調を合わせるかのように”かかあ天下の幼馴染”に変わりました。その結果、尻に敷かれる亭主が大量生産され、しまいには嫁にDVされる男がいる世の中になりました。
 あ〜〜、まだまだ色々とあるのですが、5000文字越えておりますのでまとめに入ります。


つまりはね 

 マジシャンが使うミスディレクションみたいに、誰もが注視する主要人物や、あからさまな象徴が洗脳なのではなく、何となく頭に入ってくる「概念・常識」が洗脳の本質であるということ。また、それらは娯楽を通じ、さも良いことのような顔をして心に入り込んでくるということ。そして、そうした暗示で出来上がった心は、生涯を通して思考に影響を及ぼします

 自分で気づき根っこを取り除かない限り、生涯に渡りコントロールされ続けます。大人になり、自らおかしなモノを上書きしてしまったなら、それも同様に自分で取り除かない限り生涯に渡り思考に影響を及ぼします。

 己の知識を つるぎとし、マトリックスを切り裂くのです

やよい絵画


 それでは本件はこれにて締めといたします。あなたの心にわたくしの二刀流が届きましたなら引き続きお付き合いをよろしくお願いいたします。


本:『As above So below』
https://www.amazon.co.jp/gp/product/B09TDT58PB

ブログ:Above the Numbers Below the Numbers
https://simotukiyayoi113.wixsite.com/above-the-numbers

ショップ:Apparel
https://suzuri.jp/Simotuki_Yayoi_113

動画:Channel 113
https://m.youtube.com/channel/UC_pov7R97psyYm9s9I4CfLw

Twitter
https://twitter.com/As_above_So_me

Instagram
https://www.instagram.com/simotsuki_yayoi_113/


もしよかったらサポートをご検討してくださいまし。 わたくしのお伝えするお話は大衆娯楽誌のように広まるようなものではなく、ビジネスとしては成り立ちません。故にnoteを通してのサポートは大変助かります。 わたくしのお話があなた様の心の琴線に触れましたならサポートをお願い致します。