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[Decode Art] 映画「π」:「象徴」

 本件は特殊な映画のDecodeです!以前にもご紹介しましたが、本格的なDecodeは綴りませんでした。なぜなら、単純にめっちゃ長くなるからです。レジュメを作るのにも難儀するほど。根本が分かっておりますと単純明快なシンボリックな映画なのですが、分かっておりませんと見当違いな連想がつながり本質が見えません。以下の言葉を忘れないでください。

 そこで知恵は、その真理を象徴で包み、その直感を寓意で覆う。信条・儀式・詩は比喩であり象徴である。

33階級騎士レノルド・E・ブライト


はじめに

 この映画については二部作か三部作を考えております。全体的な構成としては「象徴」「伝説」「数学」の三つに分けられます。ただ、伝説と数学については文章量が予測できないため、二部作か三部作かは書いてみて判断します。本件では作中に登場する象徴から、どのように読み解けば良いのかの視点を綴ります。では始めましょ〜♪


象徴

主人公の語る法則

 映画の冒頭、主人公のマックスが自身の考えを語ります。わたくしの新刊の13ページにも記しました。これらをまとめて一言で言うと「全ては数である」でありピタゴラス学派の考え方です。つまり、ピタゴラス学派の視点で読み解けるということ。ではその視点でDecodeしてゆきます。


女の子の電卓

 主人公に暗算を頼む女の子の電卓。彼女は冒頭で二つの計算を頼みます。一つ目の計算は上記の画像の「322」。わたくしの読者様にはもうお馴染みの象徴数字。この数が示すは「知恵」。なぜ知恵なのか?それは創世記3章22節が由来。人が知恵をつけたシーンゆえに「322」は知恵の象徴とされています。でも多分本当の智慧の意味は「プリンプトン322」。こっちはピタゴラスの定理ですし、創世記よりもプリンプトンの方が古いですよ。どちらにせよ「知恵/智慧」の象徴であることには変わりありません。


ユダヤ教徒のレニー

 あなたが創世記と聞いて連想するのはキリスト教だと思いますが、ユダヤ教のトーラーが先です。モーセ五書とも呼ばれます。ここまでは誰でも知り得ることですが、カバリストの視点はご存知ないでしょう。カバリストが「モーセ五書」と聞いて思い浮かべるのは、カバラ体系の三大経典「形成の書」「光輝の書」「黙示録」です。

 神はカバラ即ち律法の魂の魂の密儀を彼に伝授した。モーセはこの神が与えた秘密の教えを「モーセ五書」の最初の4巻の中に封じ込めた。

カバラと薔薇十字

 事実、映画に登場するレニーはカバラ由来のゲマトリアを披露し、主人公にはっきりと「カバラを知っているか?」と聞きます。そんなレニーに主人公はこう返します。

 フィボナッチ数列と螺旋です。狙った訳ではないのですが、新刊「Divine Ratio」の11ページから14ページまでにフィボナッチ数列と螺旋がまとめて詳しく書いてありますので参考にして下さい。

 映画「ダヴィンチコード」でも出てきましたね。秘密結社に属していたソニエールのダイイングメッセージは「13‐3‐2‐21‐1‐1‐8‐5」でした。このメッセージはフィボナッチ数列を知っている人ならすぐにおかしいと気づきます。順番がバラバラですから。全体的にはウィトルウィウス的人体図のダヴィンチヴァージョンを示しています。以下の画像の暗証番号もフィボナッチ数列。

 これらから読み取れることは「結社に属している人はフィボナッチ数列を当たり前に知っている」ということ。いつも言う目の前にある秘密であり、智慧の基本です。

 きっと皆様は「自然の数列」として学んでいるため「どれほど神聖な智慧」であるか分かりません。また、これはわたくしが悪いのですが、ポンポンと密儀の数字をツイートしちゃいますので「隠された数字」と言う概念が薄れています。よろしいですか。

 カバラ、つまり律法の「魂の魂」だけは巧妙に隠され、ユダヤ人の中でも最高の密儀参入者しか、その秘密の原理の伝授を受けることができなかったのである。

カバラと薔薇十字団

 わたくしがお伝えしているお話が「魂の魂」「秘密の原理」の一部です。前作『As above So below』はまさにそのもの。余計なものを全て剥ぎ取った本。密儀の数も原理も丸出しで、本来は神話に組み込まれヴェールに包まれていたもの。

これもわたくしの本のどちらにもありますでしょ?


導師のエノクと師匠のソル

 エノクと言ったら神話のノアの曽祖父であるエノクを連想するのが普通ですが、カバリストは数を重要視するためエノクを「太陽」と読み解きます。なぜなら、エノクの年齢は365歳だからです。太陽の擬人化ということ。また「エノク」の名前の意味は「導師」です。

 この様に密儀を含む神話というものは、大衆が注目しがちな部分ではないところに秘密を解く鍵が組み込まれています。逆に考えれば、その様なところに鍵が組み込まれていたなら、その物語は密儀を含むお話である可能性が高いと言えます。

 映画「π」の主人公が教えを仰ぐおじいちゃんは、「師匠」の「Sol=太陽」です。故に、この映画は古き神話と同じ視点で見ることにより、密儀が見えるということ。


748 ÷ 238

 「748÷238」が登場するのは最後のシーン。冒頭で「知恵の数」を象徴的に示していた女の子が再度登場します。と言うことは再度特別な数を示すと言うこと。

 748÷238、この解は「3.14285…」となる「3桁同士でπの近似」になる組み合わせです。これを聞いて「?」な人は、わたくしの名前の由来を思い出しましょう。

 わたくしの名は「霜月やよい」。漢字でかくと「霜月弥生」。その意は旧暦の「霜月 / 11月」と「弥生 / 3月」に由来します。つまり「113」。

 3桁同士の組み合わせで最もπの近似になるのは「355÷113」であり、ブラヴァッキー夫人の「シークレットドクトリン」の「カバラ」の項にも記載されている大切な数字です。

 故に「3桁同士でπになる組み合わせ」をラストに組み込んでくるくらいですから、このπと言う映画は、ギリシア人にとってのギリシャ神話、ローマ人にとってのローマ神話、ユダヤ人にとっての経典神話のように、現代人にとっての「現代的密儀神話」なのです。


まとめ

 「ピタゴラス学派」「322」「カバラ体系三大教典」「フィボナッチ数列」「太陽の擬人化」「πの近似の組み合わせ」、これらの象徴的な理由から、映画「π」には、古き神話のような視点で見ることで違う意味が現れるダブルミーニングの映画であると言えます。しかも本格的。というのも…

 こうなっておりますから、最近は似たり寄ったりの、これ見よがしに象徴をわざと見せつけてくる映画や漫画ばかりになってしまいました。が、πと言う映画はそれらとは訳が違います。ガチ密儀です。

 なぜガチかと申しますと、とある伝説の再現だからです。その伝説についてが来週の記事になります。ヒントは以下の絵と冒頭の女の子が主人公に頼む二つの計算の二つ目の数。悶々と考えながら一週間をお過ごし下さいまし〜♪

73 ÷ 22 = 3.31


 ではでは本件はこれにて締めとさせて頂きます。あなた様の心にわたくしの「322」が届きましたなら引き続きお付き合いをお願いいたします。

 わたくしはずっと変わらぬ歩幅で

あなたの少しだけ前を、ただひたすらに歩いております。

峻厳と慈悲の2本の剣を、抜き身できつく握りしめ。

ちなみにこの記事は3223文字


新刊:『Divine Ratio Re:Decode』

本:『As above So below』

アパレル&小物:Cavalier Camp

動画:Channel 113



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