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[ True History ] 語られぬ女神の物語

はじめに

・Madonna's Ritual / 聖母の儀式.2019
https://note.com/as_above_so_me/n/n2c4ad7575564

・Madonna's Ritual / 聖母の儀式.2012
https://note.com/as_above_so_me/n/naebb6cb29997

 本件は「聖母の儀式シリーズ」でお話した「女神バアラト」の「語られぬ女神の物語」についてです。本件を読了いたしますと、バアラトの巫女が"なぜ卑猥なダンスを踊るのか?"や、巫女の代名詞の曲「Vogue / 流行」や「Music / 音楽」の深淵が見えることとなります。

 また、女神ガイア、女神イシスなどの太女神を通し、最終的には”女神バアラト”を象徴していたこともご理解いただけることでしょう。

 マドンナのエンタメDecodeから続いた記事ですが、タイトル画像をご覧になって頂ければ分かるとおり柱がありますので”マジ”の記事です。

本件の内緒レベルはわたくしの装備に現れているでしょ?
度肝を抜かれないようにちゃんと肝をしまってから読んでね♪



一つ目と2本の柱

 まずは少々神話のお話の復習から。

 陰謀論で広まり過ぎて、元がなんなのかさっぱり分からなくなってしまっている象徴「一つ目」と「2本の柱」。

 この象徴の最も古き答えを申しますと「一つ目」は「我決して眠らず」で、「2本の柱」は「似て非なる対」の、どちらも根本原理の象徴です。

「最も古き者(点・円)」と「最も古き父母(対)」

 わたくしは隠すのが嫌いですのではっきり答えを申し上げちゃいますが、上記のことは密儀に分類される智慧であり、それゆえ「一つ目の象徴」は「智慧」も象徴します。

 「我決して眠らず」「似て非なる対」「密儀という智慧」、これらがこの象徴の答えです。

『Divine Ratio』31ページ
「ソロモン神殿」と「紫禁城」と「胎蔵界曼荼羅」
場所も言葉も違いますけど
密儀は同じですから同じになります。

 根本原理は宇宙の原理ですから変えられません。ただ、伝え方は変えられます。変えられぬ根本原理を、それぞれの宗教神話の比喩や物語、象徴に変換し残すということ。ですから様々な神話に似た話があるのは、それが変えられぬ密儀の部分だからに他なりません。たとえば…

 北欧神話の智神オーディンは、智慧の獲得のために"自らの片目"を差し出し"木に吊るされた"寓話があります。 



 ギリシャ神話のキクロプスは"卓越した技術(鍛治・智慧)"を持つ"一つ目"の巨人。ゼウスの雷霆、ポセイドンの三叉の銛、ハデスの姿隠しの兜はすべてキクロプスの手によるもの。



 ケルト神話のバロールは魔眼と呼ばれる"一つ目"を持つ巨人。自身の孫である太陽神ルーの魔弾タスラムの一撃により倒されました。



 世界を裏で操る秘密結社イルミナティ。アダム・ヴァイスハウプトがヴァヴァリアで創設した、ピラミッドに"一つ目"を象徴に持つ組織、という現代の神話。



最も古き一つ目の物語

 ご覧頂きましたように、ひとつ目と2本の柱(セフィロト)は様々な神話に組み込まれ、変えられたり消されたりしておりますが、その原形はエジプト神話にあります。

 太陽神(昼)のホルスは冥府(夜)のセトと戦いを繰り広げ(似て非なる対) 最終的に勝利をおさめますが、代償として片目を失います。それを不憫に思ったホルスの祖母である女神ヌトは、くり抜かれてしまったホルスの眼を空に捧げ「万物を見通す眼」としました。

 ホルスとセトの戦いの意味(11:55〜12:44)


天に捧げられたホルスの眼

 女神ヌトは天空(宇宙)の擬人化で、その両手足は緒天体を支える柱です。

体内に太陽と月を内包するヌト

 彼女の片足は上エジプトのヘリオポスに、片足は下エジプトのネケブにあったと言われています。つまり古代エジプトの二つの大都市の、象徴的に建てられた柱は「女神ヌトの両足」と言うわけです。

女神ヌト

 この「空に捧げられたホルスの眼」と「女神ヌトの両足(柱)」が読み取りやすい象徴は以下です。

わたくしが見ているものが見えますか?

 本件の「語られぬ女神の物語」を理解するためには、この「2本の柱は女神の両足」と言う概念がとても大切になります。お忘れなく。では本題に進みましょう。



エジプトに支配された都市

フェニキア人のエリア

 地中海東岸の沿岸部に都市を築いた航海民族のフェニキア人。現代で言えばレバノンのあたり。彼らは巨大な統一国家は持たず、いくつかの都市国家群を形成していました。

 紀元前1800年ごろ、この土地にエジプト人が侵入し、約400年ほど支配します。その後、紀元前1100年ごろには再び独立しますが、もうすでに文化は侵食されており、フェニキアの主要都市テュロスの神殿には、エジプトの象徴であった2本の柱が鎮座していました。そして、エジプトの支配から脱した後もフェニキア人は2本の柱を作り続けます。つまりエジプトの支配を受け続けた結果、エジプトの2本の柱はフェニキアの文化の中に溶融したということです。



フェニキアの王

 フェニキアの王の名は「ヒラム」。名君であり優れた建築家でもある王。この名君ヒラムに古代イスラエルの王ソロモンが自身の神殿の建築を依頼し、名君ヒラムはフェニキアの中で最も優れた建築家である「棟梁ヒラム」をイスラエルへ派遣しました。そうして完成したのがエルサレムのソロモン神殿であり、その入り口に鎮座する2本の柱が「ヤキンとボアズ」の2本の柱です。

ソロモン神殿
ヤキンとボアズの2本の柱

 言うまでもありませんが、この棟梁ヒラムがフリーメイソンの開祖ヒラム・アビブです。そうなりますと当然ですが、フェニキアの神殿にも同じものがあると言うこと。"なぜならソロモン王は己で建築できぬからヒラム王を頼り、棟梁ヒラムに己のソロモン神殿を建築してもらったのですから"。

 「2本の柱」というと「ソロモン神殿のヤキンとボアズ」と言われますが、それを建築したのはフェニキア人の建築家・棟梁ヒラムであり、ソロモン神殿を建築した智慧の流出元もフェニキアです。これ重要。



流れから抜けている話

 ここで一旦立ち止まり、2本の柱の流れを振り返ってみましょう。

 まずはエジプト神話の"女神ヌトの両足の象徴である2本の柱"。そこからエジプトに侵略されたフェニキアへ。そのフェニキアの王が古代イスラエルの王に頼まれ、棟梁ヒラムが古代イスラエルのエルサレムにソロモン神殿を建築。その神殿の入り口には"ジャキンとボアズと呼ばれる2本の柱"。

 おかしいですね〜?あなたは古代の「エジプト神話の2本の柱」も、聖書の「ヒラム伝説の2本の柱」もご存知ですよね?

検索すれば出てきますから。

 ですが、古代エジプトからフェニキア経由で古代イスラエルへ流れていった2本の柱の、"経由地であるフェニキアの神話"はご存知ありませんよね?ソロモン神殿を作ったヒラムの国の話なのに、聖書経由のヒラムは知っていてもヒラムの国の神話は知りませんよね?

検索しても出てきませんから。


知らねば見えぬ何事も

知らぬは見えぬと同義なり

故に真理は知らされず

誤謬で踊る世界なり

 聖書の黙示録に登場する「赤い女」。「バビロンの大淫婦」「赤い娼婦」なんて呼ばれもします。魔女の正式な呼び名ですと「緋色の女」です。

 ではなぜキリスト教圏でここまで貶められている「緋色の女」を、あちらは象徴として用いるのでしょうか?

ここがポイントです。

赤い女の正体を知りませんと、、、

Matrixから抜けられません。



魔女の本気

KJV ヨハネ黙示録17章

 語られぬ物語の前に、語り尽くされた物語から。黙示録17章1節から7節までを引用します。重要な部分は太文字になっています。

  1. それから、七つの鉢を持つ七人の御使のひとりがきてわたしに語って言った。「さあ、きなさい。多くの水の上にすわっている大淫婦に対するさばきを見せよう。

  2. 地の王たちはこの女と姦淫を行い、地に住む人々はこの女の姦淫のぶどう酒に酔いしれている」。

  3. 御使はわたしを御霊に感じたまま荒野へ連れて行った。わたしは、そこでひとりの女が赤い獣に乗っているのを見た。その獣は神を汚すかずかずの名でおおわれ、また、それに七つの頭と十の角とがあった。

  4. この女は紫と赤の衣をまとい、金と宝石と真珠とで身を飾り、憎むべきものと自分の姦淫の汚れとで満ちている金の杯を手に持ち

  5. その額には一つの名がしるされていた。それは奥義であって「大いなるバビロン、淫婦どもと地の憎むべきものらとの母」というのであった。

  6. わたしは、この女が聖徒の血とイエスの証人の血に酔いしれているのを見た。この女を見た時、わたしは非常に驚きあやしんだ。

  7. すると、御使はわたしに言った。「なぜそんなに驚くのか。この女の奥義と、女を乗せている七つの頭と十の角のある獣の奥義とを、話してあげよう」

  8. 以降はこちらから。


 頭に入れるべきは「2 , 4 , 5」節です。キリスト教圏では「赤い女の象徴」と言えば、上記の聖書に基づく解釈です。

 ですからバアラトの巫女のダンスを見て「卑猥でいやらしい」と思うわけです。

 では"フェニキアの女神バアラトの神話"の概念ではどうでしょう?

 「卑猥でいやらしい」が「神聖な振る舞い」だったなら。



語られぬ女神の物語

 フェニキア人は、父なる神エル、その妻バアラト、息子のバールの三神からなる三位一体を崇拝していました。

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