トラウマ。
「大人を舐めてるの?」
今でも思い出してしまう。
高校の時、部活の顧問に言われた言葉です。
私は高校時代、吹奏楽部で副部長をしていました。
主な仕事は、スケジュール管理、調整、先生からの連絡を部員に伝えること、など。
あと何してたっけ、覚えてないや。
とにかく、より良い部になるように、とは
いちばんに思っていました。
いつものように先生に部員の出欠連絡を伝え、先生からの連絡を受けるために職員室に向かいました。
その日はOBであるプロの方からの合奏レッスンが入っていました。
しかし、同じ日に、生徒向けに行われる講座も入っていたのです。
2人の部員が、そのセミナーに行きたいから欠席します、と私に連絡をくれたので、「分かった!」と言い、その旨を先生に伝えました。
すると、先生からは「なんで行かせちゃったの?なんで許したの?今日レッスンって分かってるでしょ?」
私は何も言えませんでした。
校内で行われている講座だし、誰でも受けられる権利はあるはずだし、本人が「行きたい」って言っているんだし。欠員が出るのは正直困るけど、仕方のないことだと思っていました。
顧問は、「部活第一優先」の人でした。
欠席なんて許されない、そんなスタンスの人でした。
でも、その講座によって人生が変わる人だっているのかもしれない。行かなかったら後悔するかもしれない。
人生の中で、そりゃあ、自分の将来の方が部活よりも大事であって、いいでしょうよ。
だから私は「行かないで。部活のレッスンの方に参加して。」とは言えなかったのです。
確かに、吹奏楽部の欠員は困る。
でも、みんながみんな、「吹奏楽命」じゃないのは仕方のないこと。
当時の私は自分を責めました。どうすれば良かったか分からず。職員室で罵声を浴びながら立ち尽くしていました。
「こうやって、怒られるのは私だけでいい。」
こう思いはじめたのもこの頃から。
この日から、私は部活を休むことができなくなりました。
39度越えの熱を出したときでも、行きました。
インフルになった時と、
一度、自分で電話すらできず気づけば母が連絡を入れていた、くらいに倒れ込んだ時に、休んだっけな。
とにかく必死だったあの頃。
周りが嫌な思いをしないように必死だったつもりだけど、
多分かなり、迷惑とか心配とかかけていたと思う。
顧問のことをこういうふうに書いてしまったけれど、
とても生徒思いの、素敵な先生でした。
状況が悪かっただけであって。
今でも消えることのない私のトラウマ。
もう、手放しても、いいんだよなぁ。
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