味気のない日々の中で

塩気の多い味噌汁を飲み干す。
「ごちそうさま。」返事はない。

今日は30分だけ早起きした。
何もない日。自分のためにすべてを使う。

ワックスを多めにつける。肌にクリームを塗る。

ドアを開ける手が軽い。お気に入りの洋楽、思い出の曲。日差しが少しだけまぶしい。

初の一人旅。初の名古屋。高速バスで隣に女性が座ってきた。狭い。

矢場町、大須のメイド喫茶、名駅近くの銭湯。自分だけの旅。気を遣うこともなく。

夜の名駅。飲み屋をはしごする。
ふと、思い出す。一番おいしかった酒。一人で飲む酒ではない。

ジャックコークを飲み干して店を出る。行先は決まった。

所持金は最低限。高価な店、高価な買い物はできない。苦渋の決断。

無心で商品を手に取る。無心で。部屋はせまい。

ありきたりなシチュエーション。それなりの満足感。それなりの虚無感。

メガネ、そうだよ、そんな感じ。酔った時の反応も、そんな感じ。

代わりはいくらでもいる。メガネも。
代わりはいくらでもいる。タバコも。
代わりはいくらでもいる。ジャックコークも。

無理数から有理数を生み出す感じ。
思い出せ、無理数だ。

薬が足りてないのか、おかしい、ねむれない。あの日と同じ。
全部同じ、気持ちは全部違う。

暇な時にはまた遊ぼう。バカみたいに酒を飲もう。バカみたいに。みたいじゃない、バカになろう。キャッチも、マスターも関係ない。

「じゃあね。」

フラッシュバックした。

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ふんわり名古屋一人旅を振り返ってみました。この時はまだ傷が癒えてなくて若干きつかったです。書き終わって「あの時はきつかったなあ」と懐かしく思うくらい今は大丈夫になっています。

アホな出費をしたのもこのときで、商品を手に取って部屋に持っていくスタイルはなんのことか分からない人もいると思います…笑

とはいえ初めて尽くしの旅ですごくよかったです。

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