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構造をとりだす

ある先生が生徒さんの成長を止めかねない発言をしてました。

【君は喉が小さくて、声がもともと高いから、低い声がでることはない。】

【君は声門が中途半端に閉じていてハスキー声だから綺麗な声はでないよ】

そんなことはありませんよ。

この発言は個体、その人の元々の能力にはどうしようもない差があって、それを埋めるのは不可能だと言っているのと同じですよね。

手をみてください。皮膚があって、親指、人差し指、中指、薬指、小指、手のひら、手首が存在しているのがわかります。あたりまえじゃんってつっこまないでね。

手の骨でいえば、第1〜5中手骨、第1~5基節骨、第2~5中節骨、第1~5末節骨、種子骨、舟狀骨・月狀骨・三角骨・豆狀骨・大菱形骨・小菱形骨・有頭骨・有鈎骨という具合

手の筋肉でいえば、短母指屈筋、短小指屈筋、母指対立筋、小指対立筋、母指内転筋、短掌筋、短母指外転筋、小指外転筋、背側骨間筋、掌側骨間筋、虫様筋という具合

存在してるわけです。

私人差し指ありません。中指ありません。第1~5基節骨ありません。虫様筋ありません。みたいなことはないはずです。もちろん、例外はありますけども。構造体が大きく変わってしまってることはなく、ただ違うのは形、大きさ、強度等になります。

ここを個体差と呼ぶわけです。

母親の手、父親の手、自分の手、友達の手、彼女の手、妻の手等、それぞれ個体差はありますが、構造自体が大きく変わってくることはありません。手が小さいからドアが開けられないとか、手が大きいから箸が使えないとかなりませんよね

構造がしっかりしていれば、個体差はさほど問題ではないということ。

本題にはいりますが、喉、歌も同じことがいえると思うわけです。

甲状軟骨、輪状軟骨、声帯、声帯靭帯、仮声帯、咽頭壁、喉頭蓋、舌、軟口蓋、硬口蓋、唇、歯等 声を使う時に必要になるパーツがないという方はほとんどいなくて、ただ、先程と同じように、形、大きさ、強度等は違ってくるというだけになります。

筋肉も骨も一緒です。舌骨がない人はいませんし、甲状舌骨筋、輪状甲状筋がない人もいません。ただ、形、大きさ、強度等が違ってくるだけ。それをただ個体差と呼ぶ。

【君は喉が小さくて、声がもともと高いから、低い声がでることはない。】【君は声門が中途半端に閉じていてハスキー声だから綺麗な声はでないよ】と先程のある先生の問題発言

もちろん、喉仏が前にでていない人のほうが、でている人と比べたらやりにくさはあるかもしれません。ただ、鍛えていけば必ずでるようになります。

ただ、可能性をとめてしまうような観念までいってしまっては本当にダメだなと思います。個体差はもちろん影響を与えることはありますが、構造の性格を凌駕する程強いものではない。

ただ、こういうと歌は高次的なもので、構造がしっかりしていても、細かな個体差が多いに関係すると反論する方々が結構いらっしゃるかとは思いますが、、

ただ、ここは歌の歴史をみていけばね、、
どうなんですかね。


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