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オランダはなぜサステナビリティ先進国と呼ばれるのか?【第一弾 歴史から読み解く①】

環境問題への取り組みが世界中で加速しています。その中でもオランダはサステナブル先進国、サーキュラー経済が発展しており、世界のモデル国として注目されています。

なぜ、オランダはサステナブル先進国と呼ばれるのか。なぜ人々の環境への意識が高いのか。

と疑問に思うのは私だけではないはず。

本連載ではオランダに焦点を当て、現在サステナビリティーの成功モデルとして注目された背景を、歴史的・政策的・文化的観点から、数回に分けて探っていきます。

連載第一弾はオランダの行政、産業の連携についてです。

行政と産業の連携

 SDGsの17番目のゴール「パートナーシップで目標を達成しよう」と謳われているように、環境問題はすべてのセクターの協働のもと解決していかなければいけない問題である。

その点においてオランダは官民一体となって環境問題に取り組んでいる良い例であろう。更に言えば、政府の中でも各行政組織の中のビジョンの中に必ずと言って良いほど環境への配慮の施策が導入されており、今や「環境」「持続可能性」と言ったキーワードは全ての省庁の政策目標に組み込まれている。

オランダの行政機関


 オランダの行政機関は全12のセクターに分かれている。12の行政機関の中でも気候変動の問題を専門的に取り扱っている部門は環境・経済産業省(EZK)である。

環境・経済産業省(EZK)のHPを見てみると、

持続的かつ積極的なオランダのために存在します。私たちは、素晴らしい企業環境、強力な国際的地位のために尽力します。正当な前提条件を作り出すこと、また企業家によって、革新し成長する場を提供します。研究者と企業家の間の協働を促進することによって私たちは、エネルギー、産業、サービスにおけるトップの立場をさらに発展させ、強く、持続的なオランダに投資します。

と明記されている。

 実際に、オランダは、国として行政機関が環境問題に取り組み、法や担当機関の整備や、環境問題にむけた各セクター間の相互連携がうまくとれている。

アムステルダム市の取り組み例

例えば、アムステルダム市は環境保全の取り組みに対してかなり積極的に動いている。1980年代ごろからアムステルダム北区は荒れ果てた土地が長らくの間放置されており、一部土壌汚染が深刻化していた。

アムステルダム市は2000年にその土地の再開発に乗り出し、10年間という期限つきの土地利用コンペを行い、循環型環境システムの構築や文化芸術活動を通じた自立的な公共的空間De Ceuvelを設立した。

ここは、De Ceuvel協会という組織により運営されているが、アムステルダム市の助成金プログラムにより援助を受けており、様々なクリエイターが集まる創作活動の場として現在も盛えている 。


ではなぜオランダ政府、自治体は環境問題に対してここまで積極的なのだろうか。それは大国ではないオランダがEUや国際舞台で存在感を示しながら動いていくために必要なのであった。

(次回に続く...)


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