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武道をスポーツで無いと言ってはいけない【戦中、戦後の武道の歴史から】

 この頃、武道をスポーツと呼ばない、又は武道とスポーツを分けたがる人々がいるが、これは武道の歴史認識が足りず、危険な事なのでここで解説する。

戦時中、戦意高揚に利用された武道

 武道は戦時中、日本国民の戦意高揚の為、散々利用された歴史を持つ。特に剣道関係は日本の「侍魂」アイデンティティと直結する為かよくよく利用されたらしい。

戦後、GHQによる武道禁止令

 戦後、戦争に利用された武道はGHQに禁止された。特に目を付けられたのは剣道である。未だに剣道界では戦時中の様な思想を持って指導する道場がある、と言われる程だから理由はよく分かる。
 他の武道も若い人が戦争で亡くなり、これからという時に禁止され困ったはずだろう。

武道禁止令撤廃の後、平和スポーツとして再出発

 GHQの武道禁止令撤廃後、武道は「日本人の心、云々」などではなく、あくまで「平和スポーツ」として新しいスタートを切ったのだ。
 ゆえに武道はスポーツである。というかそう言わなければならないのである。武道をスポーツでないと言うのはタブーであり、戦時下の武道に舞い戻る行動である。

そもそも、武道も他のスポーツと同じく準備体操をしたり、身体を動かすものだからスポーツの分類だろう。

それを、こまごまと理屈をこね、武道はスポーツと違う事に拘泥したり、
又は、「そんな武道をやっている俺って凄い」と言いたいが為に武道を他のスポーツよりも高尚かの様に吹聴する人は大抵大した武道家でないし、道を誤っているものである。

大体、スポーツの定義は、「身体を動かす事を主にするもの」ではなかろうか?(eスポーツを除いては)

達人なら、武道がスポーツと言われ様とも、そんな事で気にはしないだろう。

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