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店主の暮らし日記⑤初めて訪れたフィンランドの話

こんにちは!雑貨屋 あるくらし 店主の絢音です。
雑貨屋 あるくらし は、現在はまだ実店舗を持っていませんが、イベント出店やオンラインストアからスタートした雑貨店です!
こちらのnoteでは、お店の歩みを記録中です!
(雑貨屋 あるくらし についてご興味のある方は、マガジン「雑貨屋 あるくらし を開くまで」にまとめておりますので、良ければそちらをご覧ください!)

店主の暮らし日記って?

雑貨屋オープンに向けての歩みの記録と並行して、店主の日々の暮らしについても日記をつけています。
どちらかというと要領が悪く、「やっちまった…!!!!」なことの方が多い私。
そんな私なので、なんとか今日より明日、もう少し先の自分がちょっとでも気分良く楽しく過ごせるようにはどうすればいいんだろう…と日々模索しながら暮らしています。
そういった暮らしの奮闘記や、影響を受けたこと、時にはなんてことない事なんかも残していけたらいいなと思います。

今回のテーマは、初めて訪れたフィンランドのはなし

映画「かもめ食堂」のロケ地にもなったアカデミア書店。2階にはアアルトカフェがあります。

4月下旬から5月上旬にかけて人生初のヨーロッパ旅行(私事ですが新婚旅行)に、フィンランドとイギリスへ行ってきました。
「暮らしの勉強メモ④フィンランドのプロダクト」の回に記載しておりましたが、フィンランドに行って雑貨の買い付けをしてみたい!という私の夢のひとつが、今回の旅で叶いました。
買い付けた雑貨の紹介や販売については詳細が決まりましたら雑貨屋あるくらしInstagramやこちらのnoteでご報告させていただきます。
今回の記事は初めてのフィンランド旅で見たこと、感じた事、「ここが特に好きでした!」や、戸惑っちゃった!な所もご紹介いたします。
もし、これからフィンランド旅行を計画されている方や、いつか行きたいなぁと思われている方のお役に立てれば幸いです!

1街や人の雰囲気のはなし

街には電柱がなく、装飾が少ないシンプルな建物も多くすっきりとした印象でした。建物から建物へと吊り下げられている街灯の景色も好きでした。

ヘルシンキの滞在4日間を通して感じた街の印象は「ゆったり。やりすぎない。」という言葉が頭に浮かびました。
フィンランドの国土面積は日本の約9割の大きさなのに対して、フィンランドの人口は日本の5%以下と、日本と比較すると人口密度がかなり低い国です。首都のヘルシンキでさえ人口は65万人、日本でいうと岡山市等の地方都市と同程度です。ちなみに世界人口ランキングは116位(日本は11位)。フィンランドの後に行ったイギリスは21位と先進国の中でもかなり人口が低い方です。お店に入っても、公共交通機関に乗ってもストレスを感じなかったのは、脳裏に「人混み」という言葉が全く浮かばなかったからかも、と振り返って感じます。そして感動したことが、車より歩行者優先!なところです。信号がない歩道も多いのですが、手を挙げて道を渡るポージングをしなくても、車側が歩行者を確認すると、自ら止まって歩行者に道を譲ってくれました。朝の通勤に少しスピードの速い車も走っていましたが、基本的に車の速度もゆったり。

数少ない8時過ぎからオープンしていた屋台のシナモンロールとクロワッサン。甘酸っぱいジャムも美味しかったな。

Googleマップで開店時間8時からと記載のマーケットは8時にオープンしているお店の方が少ないし、オープンしているお店でも、すべてのメニューを提供できる準備が整っているお店はほとんどありませんでした。無理なく、各々のペースでお店の準備をされているのが、私としては心地良くて、「ま、いっか」と思える余白が時間を長く感じさせてくれました。
マーケットには開始すぐに向かうより、ちょっと過ぎたくらいにふらりと立ち寄るのが良いのかもしれません。
街に人口が集中していなくて、ひとりひとりの人が過ごす空間に余裕がある街は、時間や空間、景色をじっくりと味わえる場所でした。
ただ、街も自然も美しいフィンランドですが、工事現場は乱雑にモノが置かれていたり、イギリスよりは少なかったですがゴミが落ちていたり、歩きタバコが多かったり(ヨーロッパでは室内完全禁煙のかわり、外での喫煙は自由な所が多いみたいですね。)、全てが綺麗という訳ではなく、混沌としている部分はあって、日本がいかに清潔な国なのかという事も分かりました。
映画「かもめ食堂」の影響で、フィンランドの方は少しぶっきらぼうな方がおおいのかしら?と勝手なイメージを抱いていたのですが、出会う方は親切な方が多く、私たちが困っていた時は向こう側から声をかけてくださり、道を教えてくださったり、スーパーでの野菜の買い方を教えてくれたり。日本人と分かると、知っている日本語や旅行した場所を教えてくれたり。
飛行機の到着時間が想定より早くなってしまい、朝の7時半にヘルシンキ中央駅についた時、宿泊したアパートメントホテルのホストの方が早朝からチェックインをしてくださったり。旅行中たくさんの方に助けていただきました。

どことなく影の部分も小さく感じられつつ、思わず微笑んじゃうようなモチーフの雑貨を見つけられるこの街の雰囲気がとても好きです。

電車や公共交通機関ではおしゃべりの声はあまり聞こえず静かな雰囲気でしたが、カフェやサウナ等では会話を楽しんでいる様子が伺えて、静けさと陽気さの両方を持っているような人の雰囲気が好きでした。
親切にしてくださった方は、問題が解決するとサッと戻っていく。さっぱりとした所もとても気持ちが良くて、その姿に憧れました。

2乗り物のはなし

アアルトハウスに向かう時はトラムを利用しました。

ヘルシンキ内の主要な場所へは、ヘルシンキ地域交通局(HSL)が運営するチケットを購入すると便利でした。トラム、電車、バス等共通してこちらのチケットで乗車する事ができます。
買い方のポイントは2つ!
自分のその日の観光スケジュールに合わせて、①②を選択して購入します。
①ゾーン(ABCD)
目的地のエリアがヘルシンキ中心街から広がるにつれ、ゾーンABCDの順に文字列が増えていき乗車賃が変化します。
主要な場所へ行く場合は下記【ゾーン例】のようにゾーンを選択しました。
【ゾーン例】
A:   ヘルシンキ中心街付近を散策する時に。
AB: マリメッコ本社やアアルトハウスに行く時に。
ABC:  ヘルシンキヴァンダー空港⇔ヘルシンキ中央駅移動に。

HSLのサイトから、目的地のゾーンを確認する事ができます!

②シングルチケット(80~110分乗り放題)かデイチケット(1日乗り放題)を選択します。(旅行期間が長期間の場合は、2日~13日間乗り放題チケットも販売しているようです。)

HSLのサイトでチケットの購入場所も検索できるみたいです!

チケットは、ヘルシンキ中央駅等の駅や、HSLアプリで購入する事も出来ます。(詳細は、HSLのサイトをご確認くださいませ~)

チケットを購入すれば、主要な公共交通機関に乗車する事ができるため、安心でらくちんですよ!

3ごはんのはなし

私が体験したフィンランドの料理のあれこれをご紹介!好みによると思いますが、コーヒーの味は癖がなくお茶のようにスルスルと飲めるものが多く、私はフィンランドのコーヒーが好きでした(さすがコーヒーの年間消費量世界一!)。シナモンロールは正直どこに行ってもある程度美味しい!と感じるお店が多く、ふらっと立ち寄ってここが好き!と思うお店を見つけてみるのも楽しいのかもしれません!
お料理の味付けについては全体的に酸味を感じるものが多いと感じたのは、北国で保存食が多い事が影響しているみたいですね。(ピクルスがよく付いてきてたなぁ~と思いました。)
まずはおすすめのカフェとレストランを紹介します!

1.EKBERG(エクベリ)/老舗カフェ

ベーカリーとしてスタートしたヘルシンキ最古のカフェ。

ヨーロッパ&フィンランドでの初カフェはこちらに伺いました。日曜日定休のお店が多い中、こちらのカフェは日曜営業もされているので、旅行日程に日曜日が含まれている時も安心です。

流石、歴史のあるカフェというだけあって内装にも品があり、優雅なカフェタイムを楽しめます。

パイ生地とキャラメルソースのミルフィーユをいただいたのですが、これが絶品で、初日のドギマギした体に沁みわたりました。現地に在住している日本人の方もお勧めしてくださったこちらのカフェは、観光客の方だけでなく常連と思しき地元の方も通われているようで、ヘルシンキの老舗感も味わえる心地の良いお店でした。

2.REGATTA(レガッタ)/海を眺められるカフェ

もともと漁師小屋だった建物に、海をイメージしたレトロな装飾がされた愛らしい湾岸カフェ。

自然豊かなフィンランド。海や湖を眺めながらのんびりカフェを楽しみたいなと訪れたのがこちらのカフェでした。ヘルシンキ中央駅からも30分もかからない場所にあるこちらは、シベリウス公園のすぐ近くにあり、公園付近の散歩を楽しみながらカフェへと向かう道も豊かな時間です。

日が沈む少し前の時間に行って、風景の変化を楽しむのも良いかもしれません。少し肌寒い季節だったのでクリームたっぷりのホットチョコが最高!でした。

シナモンロールとミートパイ(ソーセージが2本入ったビッグサイズ!)、ホットチョコを頼み海辺での席でまったり。20時前に伺うと、日が徐々に沈みかける時間帯(4月後半の場合)で湖の景色の移ろいも美しかったです。
地元の若い方や犬の散歩中の方がゆったりカフェしている姿をみて、街で働いて、仕事終わりにこんなカフェで一服できたらなんて最高なんだ、、!と街と自然の近さが羨ましいねと、夫と話していました。

3.Ravintola Kolme Kruuna(ラヴィントラ・コルメ・クルーヌア)/大衆レストラン

ネオンの看板にステンドグラスの窓、月と街灯のこの光景が抜群に美しかったです。

現地に在住している日本人の方や、宿泊したホテルのホストの方もおすすめされていたフィンランドの大衆レストラン。外観もインテリアも、流れる時間も「素敵」と言わざるを得ない、映画の世界に居るかのようなレストランでした。(後々調べると、フィンランドの映画監督アキ・カウリスマキさんの映画ロケ地になったこともあるのだとか)

ミートボールとタンシチューどちらもワンプレートの味のバランスが絶妙で美味しかったです!

ミートボール(夫)、タンシチュー(私)をいただきましたが、付け合わせのポテト料理とビーツのピクルスやサワークリームとのバランスが美味しいワンプレートでした。魚料理もお勧めとおっしゃってましたので、フィンランドの伝統料理を食べたい!とお考えの方にはお勧めのレストランです。

4.フィンランドで食べた、初めましての食べ物
レストラン以外に屋台やスーパーで出会った、初めて食べたフィンランドの伝統料理をご紹介します。

・リーシプーロ

左の大きなボトルがシナモンと砂糖。味変に使います。

屋台でいただいたミルク粥。クリスマスの朝に食べるのが伝統的らしく、味はグラタンのクリームソースの味がしました。面白いのが、味変にバターや砂糖、シナモンを振りかけて食べるという食べ方で、おかずにもデザートにも変身する所!写真の一人前の量でお腹がいっぱいに!

・カルヤランピーカッラ

クロワッサンの隣に置いているパイの縁が中に織り込まれているパンです。

スーパーで買ったパイ生地でミルク粥やマッシュポテトを挟んで焼いているお惣菜パン。スーパーやパン屋さんで良く見かけるフィンランドではメジャーなパンのようでした。食べやすく朝食やおやつにおすすめです~。

4スーパーでの買い物のはなし

キッチン付きの宿泊施設に泊まっていたため、1食分、現地スーパーで食材を購入して料理をしてみました。

玉ねぎはピンポン玉くらいの小さなサイズでした。日本と同じ野菜でもサイズや味が違うのも面白かったです。

ばら売りの野菜の買い方が日本とは異なって、重さに応じて金額が決まる仕組みでした。事前に調べていなかったため、スーパーに入ってからその事実を知って、買い方が分からずにあたふたとしていました。
ごく普通の日常生活のひとつひとつが、海外に行くと難易度が上がる。。ということを痛感した出来事でした。ただ有難い事に、地元のお姉さんが購入方法を教えてくださり、なんとか購入することができました。

写真のようにバーコードを印字してペタリと食材に貼付けてレジに。フィンランドのりんごは小ぶりで酸味が強く渋みがあり、生食ではなくジャムなどで食べるのが良かったです!

ばら売りの野菜を買う場合、自分で野菜の重さを測ってバーコードを印字し野菜に貼付け、レジで精算する、というステップが必要でしたので、同様にお買い物をされる方は良ければご参考に。
(Kマーケット、Sマーケットの2種類の主要なスーパーに行きましたが、どちらも同じような、はかりの機械がありました。パン専用のはかりと野菜専用のはかりが分かれている場合があるのでスーパーでばら売りの野菜等を購入される時は要確認を!)

日本から米を1合持ってきてまして、鍋で米を炊いて、現地の伝統料理サーモンスープを作り、スープとご飯をブランチにいただきました。

その他印象的だったのは、スーパーには生魚や生肉はあまり置いていなく、スモークサーモンなど加工されているものがほとんどでした。傷んでる野菜も混ざっているので確認してから購入する必要があるのもびっくり!ポイントでした。(日本って抜群に清潔なんだなぁとここでも感じました。)
言語や仕組みが分からなかったり、生活に不便が少し加わると、普通が際立って有難く、ちょっとした「できた!」が嬉しくて、そんな感覚を味わえた良い経験でした!

5.野外のスモークサウナのはなし

この看板が目印!サウナ終わりにドリンクや軽食が買えるお店も併設されていますよ。

野外のスモークサウナ(長い歴史を持つサウナの形式。煙突のないストーブで薪を燃やし、何時間もかけて室内を温めて煙を充満させ、煙を出し切った後に入る。サウナを出た後シャワーを浴びても燻された香りが肌に残りました!)に入った後に湖にダイブしたい!という事もフィンランドに行って挑戦してみたい夢のひとつでした。
フィンランドでは、自宅用のサウナを持つ家庭も多く、サウナは日常的な行為のひとつで、社交の場にもなっているのだとか。人口約550万人に対してサウナが330万個あると言われていて、2020年12月にはユネスコの無形文化遺産にフィンランドのサウナ文化が登録されているそうです。

この門をくぐるともうすぐそこです!

私達が伺ったのは、Kuusijärvi Sauna(クーシヤルヴィ・サウナ)で、ヘルシンキからのアクセスも良い、森に囲まれた場所にあります。
(HSLのチケットはABCのゾーンで行けますよ!)
到着すると、受付で電気式サウナのチケットかスモークサウナのチケットかを選択します。(スモークサウナのチケットを選択すると電気式サウナにも入る事ができます)
チケットを購入すると、貴重品ロッカーに財布等を保管して、更衣室へ。
更衣室は、個人のロッカー等はなく、ベンチに荷物を置くような簡易的な形式のため、貴重品は必ず貴重品ロッカーへ!
持ち物は、水着(必須&レンタル可)、タオル(必須&レンタル可)、サンダル、水分があれば快適に過ごせます!
私達はスモークサウナのチケットを購入し、丸太小屋でできたサウナへ!
サウナベンチは3~4段ほどの階段形式になっていて、より熱さを求める場合は上の段へ、ほんのり温まりたい場合は下の段へ。サウナの中はみんなお喋りをしていて、静かな空間というよりは、ほんのり賑やかな空間でした。サウナ常連と思しき方がストーブの近くに行くとロウリュウ(熱された石に水をかけて蒸気を出し、サウナ内の体感温度を上げること)がスタートする合図。熱さが苦手な方は下の段に下りたり、外に出る事をお勧めします!ロウリュウ経験の浅い私にとっては強烈に熱い!!!ものでした。(ただ後半には慣れてくる!)
あっつくなった体で外に出ると、目の前に湖が広がっているので、水風呂がわりにダイブすることができます!私には冷たすぎて、現地の方のようにダイブすることは難しく、はしごで降りて数十秒泳いで出る!が限界でした。ただ、めちゃくちゃ気持ちよかった!!!!!
サウナってこんなに気持ちいいのか…!!!!と感じた初めての体験でした。森や湖を眺めながらの外気浴もとても心地良かったです。ヘルシンキの中心地にも電気式のサウナはありますが、スモークサウナに挑戦してみたい!という方は少し足をのばして訪れるのに最適な場所だと感じます。

旅から帰って

次はひとりで行ってみたい!

今回初めてのフィンランド旅行では、街の「ゆったり。やり過ぎない。」無理のない進み方や人のさっぱりとした優しさ、そして自然と街の距離感が心に残っています。今後自分の暮らしやお店の事を考えていく中でも、この旅で心が揺れた瞬間はずっと頭に残り続けるんじゃないのかしらと思ったり。
そして旅に出て、次はひとりでヘルシンキに買い付け旅に出たい!という新しい夢も生まれました。(そのために英語の勉強も始めようってことも!)
ちょっとずつ、やってみたい事のために今できる事を進めていくぞ~!
よし!健やかに、頑張っていきましょ~!

はじめましての方も引き続き読んでくださっている方も、お付き合いいただきありがとうございます。今後も焦らずゆっくり続けていこうと思いますので、どうぞよろしくお願いします。

店主 絢音




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