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「理学療法士の薦める立ち上がり方」と、違う立ち上がり方を薦める理由


【はじめに】

あるくん歩行体操教室、姿勢トレーナーの東 史(アズマ フミ)と申します。

ミドル世代シニア世代は、歳を重ねても自分の足で歩きたいと願って頑張っている方がほとんどです。気持ちがあっても、一度、姿勢を崩してしまうと、「頑張り方が分からい」「頑張っても効果が出ない」と感じることは誰にでもあることです。

情報過多の時代に、正しい方法として教えてくれる立ち上がり方が、自分の望む将来につながるのか、この記事が判断材料になったらと思います。
立ち上がりが不安と感じた時に、読んでいただきたい記事です。


【教室の体験希望の方からの質問】

動画の立ち上がり方が違うのはなぜですか?

立ち上がりにご不安を感じるようになった、教室体験希望の方から、こんな質問がありました。

「理学療法士の方のYouTube動画と、教室の立ち上がり方のYouTube動画のポイントが違っていたのですが、なぜ違うのですか?」

その方は、理学療法士の薦めるYouTube動画を見て真似してみたけど、納得がいかず、違う立ち上がり方を薦めていた当教室の動画に行きついたそうです。動画に出てきた、高さ調節椅子を使ったら、自分も元のように立ち上がれると思ったそうです。

下のYouTube動画は、当教室が理想とする立ち上がり方で、そのトレーニングの様子です。


高さ調節椅子を使って立ち上がりをやってみました

体験希望の方は50代でした。教室に来て高さ調節椅子で立ち上がりを試してみたいと、やってみた結果ですが・・・。

椅子の高さをかなり上げていれば、可能でしたが、低くしていくとすぐに前傾を作る反応がなくなりました。
反応できない理由が、「浮指」です。

〈立ち上がりの解決策①〉
椅子の高さの高い状態で、繰り返し立ち上がりの練習をして、徐々に椅子の高さを低くしては、前傾して足を使う経験を繰り返す。

〈立ち上がりの解決策②〉
浮指になる原因の歩き方を変える。

頻繁に通えないとのことで、ご自宅では高さ調節をした立ち上がりトレーニングができないこと、最終目標にして欲しいのが歩き方の改善なので、迷わず解決策②を提案しました。


【正しい立ち上がり方の相違点】

理学療法士おすすめの立ち上がり方

理学療法で正しい立ち上がり方として紹介されている方法

上のイラストの立ち上がり方は、理学療法士の方がよくおすすめしている「正しい立ち上がり方」です。
足腰の不安定な方には、この立ち方で、更に、テーブルや壁に手を付いて行うことを薦めています。

この立ち上がり方の正しさの価値観は、立ち上がり時の転倒リスクを下げる ことです。

当教室の立ち上がり方

当教室が教えている立ち上がり方

当教室おすすめの立ち上がり方は、③④のステップがなく、足首、膝、股関節を連動させ、前傾して伸びあがる勢いを生み出す脚力が必要です。

当教室の正しさの価値観は、歩く力につながる脚関節を連動させた筋力アップの機会 だと考えています。
毎回、立ち上がりに脚力が必要ですが、それ自体が歩く力のためのトレーニングになっていくことに意味があると考えています。



【立ち上がれない理由になる歩き方 2選】

理想的な歩き方

理想的な歩き方のイメージ

上のイラストは、理想的な歩き方で、②の時に完全な前重心で①⑥の時は重心が真ん中になります。④は、完全に重心が後ろの状態で、③⑤は重心が後ろ寄りです。

理想的な歩き方では、重心が前後入れ替わりながら、歩いていることが言えます。

立ち上がれない原因になる2つの歩き方について、特徴と改善策をお話しさせていただきます。


1、浮指につながる踵重心の歩き方

踵重心の歩き方

踵重心(後重心)の歩き方は、③④⑤の重心が後寄りなままで、小さな歩き方になります。
前重心になることなく、踵に体重がのって歩くため、続けることで浮指になります。

常に重心が後ろ気味で、足先に体重をかけることがありません。大股でつま先を使って蹴りだすことがないので、足先の筋力が退化してしまいます。

いざ!前傾して立ち上がろうとしても、足先に力がなく、体重をのせることができずに、前傾姿勢をとれない状態になります。


2、外反母趾につながる脚関節を屈曲させた歩き方

体が前傾した前重心の歩き方は、軽度なら猫背でも考えられます。猫背や円背などの、頭を前に突き出した状態は、時間を経て脚関節を屈曲した歩き方につながるのが普通です。ずっと、足指の付け根で体重を受けて歩くために、外反母趾につながります。

猫背姿勢と円背姿勢の脚関節屈曲

外反母趾の現れた足は、脚関節を屈曲した状態が日常になっているので、立ち上がる時の前傾は作れても、立ち上がって体を伸ばしきることができず、お尻が後ろに残るようになってくるため、立ち上がり切れず尻餅をつくような転倒が考えられます。


【歩き方のなおし方】

当教室では、いずれのタイプにも”あるくんボード”で、歩き方をなおしています。

両方に共通するのが、左右の運動で土踏まずの横アーチを刺激することです。足腰の安定感が生まれます。
前後の運動では、それぞれ意識するポイントが変わります。

後重心・浮指のなおし方

踵重心・浮指をなおすためのトーレーニング

①前重心で立つことに慣れましょう。
②後ろ足の膝を伸ばしましょう。
③後ろ足の足先を力強く使えるようになりましょう。
④腿裏を伸ばすのと同時に、前の脚を腹筋で引き寄せましょう。

①~④に注意して、できるようになることで、踵重心や浮指はなおっていきます。
※手すりを前や両サイドで使っても、効果は変わりません。
※両端にタオルなどを挟んで、傾斜を減らすのも有効です。

脚関節屈曲・外反母趾のなおし方

脚関節屈曲・外反母趾をなおすためのトレーニング

①足で真下に踏ん張って、膝を伸ばして立てるようになりましょう。
②股関節を伸ばして上体を起こせるようになりましょう。
③後ろ足の膝を伸ばしましょう。
④踵に体重をのせて、膝を伸ばし楽に立てる感覚をつかみましょう。
⑤腿裏を伸ばすのと同時に、前の脚を腹筋で引き寄せましょう。

①~⑤に注意して、できるようになることで、脚関節を伸ばして使えるようになっていきます。続けることで、外反母趾も消えていきます。

他にも、脚関節屈曲をなおすためには、脚関節を伸ばしやすくする準備運動や、上半身を起こせるようにするトレーニングが必要です。

※手すりを前や両サイドで使っても、効果は変わりません。
※両端にタオルなどを挟んで、傾斜を減らすのも有効です。


【まとめ】

歳を重ねても自分の足で歩きたいと願う、ミドル世代シニア世代は、立ち上がる動作に不安を感じたら、姿勢や歩き方の見直しをおすすめいたします。立ち上がる力は、歩く力と合わせて付けましょう。


姿勢矯正・歩き方矯正のご相談は、あるくん歩行体操教室へ

”あるくんボード”を使った歩行トレーニング方法はここから


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