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世界をハックする〜「ハック思考」読書日記〜

本投稿のGOAL:
・「ハック」の意味がわかる。
・実生活でハックできることをイメージする。
・「ハック思考」が読んでみたくなる。

アルカスユース熊谷、ヘッドコーチの菅原です。

今回読んだ本はこちら↓

「ハック思考 世界最速で世界が変わる方法論」(須藤憲司著、幻冬者発行)

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1、著者紹介

kaizen Platform CEO。早稲田大学卒業後、株式会社リクルートに入社。同社マーケティング部門、新規事業開発部門を経て、株式会社リクルートマーケティングパートナーズ執行役員に、当時史上最年少で就任。退社後、アメリカで kaizen Platform を立ち上げ、Webサービスや動画広告の改善事業を国内外で手がける。


2、読後感

著者の須藤氏は、相当なヤリ手ビジネスマンだな、というのが最初の印象です。とにかく「知恵」が豊富。しかしそれは、数多くの良質なトライアル&エラーを繰り返すことで得られた「暗黙知」「皮膚感覚」による引き出しの多さに起因することが綴られています。頭の良さとかセンスとかよりも、様々なことを経験したからこそ今がある、というストーリーなので、読み進めるうちに須藤氏の印象も、徐々に人間味を帯びてきます。だから読者自身の現状にも置き換えやすいと思います。インプットする情報が多いなーと思いながら読んでいましたが、読み進めていくうちに、どんどん点が線になっていく。そんな感覚を持ちました。


3、「ハック」とは?

よくコンピューター関係で「ハッカー」という言葉を聞きますよね。その「ハック」です。「乗っ取る」といった意味理解でいいと思います。「ハッカー」には良い印象はありませんが、ここでの「ハック」は違います。

須藤氏によると、世の中のルールを簡単に式にすると以下のようになります。

時間×お金→成果

時間とお金をかければかけるほど、そりゃあ成果は上がっていくはずです。
「時間とお金が成果に変わる」わけです。
しかし、「ハック」は一味違います。

時間×お金→成果 →この転換効率を劇的に上げる

これが須藤氏の唱える「ハック」です。

同じ程度の時間とお金で、成果を劇的に上げる。

信じられないような話ですが、この本を読めば「なるほど」と理解できます。


4、ハックの方法

同程度の時間とお金で、どうやって成果を、しかも劇的に上げるんだ!?と誰もが思うでしょうが、ロジックがあります。
複雑なプロセスは不要、2ステップで始められます。

1、誰も気づいていない、手をつけていない法則を発見する。
2、そのシステムの「スキマ」に入り込む

これだけだそうです。

1については「めちゃくちゃ重要だけれど、誰もやっていないことを見つける」とも言い換えられます。
まずはそれを発見する。
そのためには、世界の「当たり前」を疑うことが肝要です。
「当たり前」に囚われていると、思考のプロセスがこれまでと変わらないものになってしまい、そこから新たな発想は生まれようがありません。

そして2は、「重要だが気づかれていない、手をつけられていない」理由(システム)を究明し、具体策を打つ(システムのメカニズムのコントロール=スキマに入る)ということになります。

時間とコストをかけて物事を解決するのではなく、視点を変え「当たり前」を徹底的に疑い、そこから生まれたシステムのスキマに200%の労力を注ぎ込む。
つまり、「時間とお金の使い方を変える」ということです。

須藤氏はこれを「ゲリラ戦」と表現していました。
要は「誰も手をつけていない=競争相手が少ない」という局面を見つけ出し、そこで相手にボコ勝ちする。

難しいようで簡単、簡単なようで難しい話ですが、私は思わず「うーんなるほど」と唸ってしまいました。

ちなみにこの本の帯は逆さまになっています。
書店にある数えきれないほどの本の中から、読者にこの本を手に取ってもらうためにはどうすべきか。
これも著者が考えた「ハック」の方法です。


5、勝負所で「知恵」を発揮するための「引き出し」

世界、物事を「ハック」するための2ステップは紹介した通りですが、その2ステップには「知恵」が必要なのはおわかりの通りだと思います。「知恵」は言い換えると「引き出し」です。自分の中に引き出しが多いほど、良い知恵が出てくる可能性が高まります。これは皆さんも経験がおありだと思います。

「知恵」を出すための「引き出し」の多さは、言わずもがな「経験」によります。様々なことを経験することで、私たちは「暗黙知」「皮膚感覚」を獲得します。
「暗黙知」「皮膚感覚」とは須藤氏の表現で、そう言われると理解に時間がかかりますが、例えば「コツ」という言葉がありますよね。うまく説明できないけれど、うまくいく方法を知っている、というあの感覚が「暗黙知」「皮膚感覚」です。

経験を積み「暗黙知」「皮膚感覚」からくる「引き出し」を多く作る。
ただし、大切なのは「正しいトライアル&エラー」です。
失敗を次に活かすには、反省をしなければなりません。
反省をするためには、行動の目的、そのプロセスが明確になっている必要があります。
目的、そこに至るまでのプロセスを明確にすれば、再現性が生まれます。

ただ闇雲に、なんとなくできた、できなかったではなく、目的から逆算したプロセスのどこにエラーがあったのか。
漠然と方法を変えるのではなく、プロセスを再現し、上手くいかなかったところだけを修正する。
こうしてトライアル&エラーの質を高め、整理された「引き出し」を多く作ることで、勝負所での「知恵」を生む。

なるほど。


6、最後に〜人生の全てが引き出しになる〜

この読書の肝がこのフレーズでした。
なぜなら、物事に正解など存在しないからです。
ある答えを出せば、どこからか抵抗勢力がやってきます。
別の決断をしても、また同じ。

ではどうすべきか。

「完璧は幻想」という考えのもと、
「成功や失敗がわかる前進が善」
と須藤氏は言います。
つまり、ある決断により成功しようが失敗しようが、それよりも前進することが「引き出し」になり「知恵」になる、ということです。

また須藤氏は、
「行動しないリスクの方が大きい」
とも言います。
なぜなら、行動しなければ誰も何も経験できないからです。

「人生の全てが引き出しになる」。


未来は誰にもわかりません。
未来を正確に予想できた者など存在しません。
そんな不確実な未来を憂うのではなく、「知恵」によって未来を切り開く。

知識ではなく知恵。
今の時代、知識はググれば誰でも手に入れられる、と須藤氏。
そうではなく、自分だけのトライアル&エラーによって得られた「暗黙知」「皮膚感覚」、そこから生まれる「引き出し」「知恵」を頼りに、未来との勝負に打って出る。

「知恵」で、世界をハックする。

須藤氏による、もしくは彼を支えてくれた多くの仲間からかけられた金言の数々が散りばめられた本書。

気になった方は是非、手に取ってみてください。
逆さまの表紙帯が目印です。


本日もお読みいただき、ありがとうございます。


ARUKAS YOUTH KUMAGAYA ヘッドコーチ 菅原悠佑







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