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ゲーム業界のデザイナーって肩書き多すぎ

私が専門学校に入学する前、体験入学の担当講師は私に「ゲームデザイナーになって何がしたい?」と聞いてきました。
なんかFFみたいにすごい映像作りたいです!
って答えた私に講師は困った顔をしました。
それもそのはず、ゲーム制作のデザイナーといえば、プランナー・キャラ・UI・背景・アニメーション・エフェクト…
と幾多にも職種が分かれていたのであった!

ゲームデザイナーって肩書きの人は少数

ゲームプランナーという肩書きがなかった頃はデザイナーと呼ばれていました。
有名どころだと、ドラクエシリーズの生みの親・堀井雄二さんがこれにあたります。
業界的にデザイナーと自己紹介しても、先述した様に何種類もある為説明が必要になります。
なので、今ゲーム(業界の)デザイナーは沢山いますが、実務的に何をしてるかは会社毎に違うのです。

ゲーム業務でデザイナーって何種類あるのか?

正直、言い出したら無限にあります…。
プログラマーさんが担当する業務以外は大体、〇〇デザイナーです。
音響もデザイナーと付く方は居ますしね。
今回は私のわかる範囲で各種デザイナーさんを解説します。

プランナー(ゲームデザイナー)

先述した堀井雄二さんです。
企画書とかを書いたり、細かな設定を決めたりする職業です。
そして、おそらく会社によって業務の幅がかなり広ーい職種です。
自分の思い描くゲームを構築していく作業に合わせて、企画書や仕様書と言った実際の制作現場に向けた書類作成が主業務ですが、
会社によっては、これに制作進行の作業が加算されてたりもする様です。
下請け会社のプランナーさんは雑用係と呼ばれていたのも聞いたことがあります…。

ただ、ゲームの内容の根幹を作っていく主要メンバーである事は間違いありません。
制作スタッフでも管理業務担当にあたる以下3職種は

プロデューサー→予算、人員管理
ディレクター→実作業の監督と品質管理
プランナー→ゲーム内容の企画、取りまとめ

という座組みとなり、ゲームの骨組みが作られていきます。

ちなみに、よくシナリオライターと間違えられますが、違います。
もちろんざっくりした内容を考えるのはプランナーですが、文章自体は別作業者です。
堀井雄二さんが生み出した数々の名言は、まだゲームデザイナーだった時代の幅広い担当業務故。
今現在、小規模なゲームでない限りは分業がなされており、セリフのひとつひとつはシナリオライターが作成しています。

コンセプトデザイナー

ゲームの概要が決まったら、それを絵にしてくれる人です。
世界観や街・建物・キャラクター達の雰囲気など、これから制作を始めるに当たって検討がつきやすい様にビジュアル化してくれます。
結構外注も多く、個人的にはイラストレーターさんなどが携わっているイメージです。
作業内容は一枚絵の制作です。

例えば「王道ファンタジーRPG」のゲームを作る事になったとします。

中心となる街の雰囲気は?
キャラクター達の服装のテイストは?
敵キャラクターはどんなジャンルなのか?

などなど。主題だけを聞いても不明な点が多いですよね?
そこでコンセプトデザイナーの出番となる訳です。
指示をせずともある程度の方向性が見える様な、作品をイメージしやすい絵を作成します。
すると、制作担当者は

街のイメージは明るい雰囲気かー…じゃあ植物を多く配置しようかな。
主人公達の雰囲気は結構近代風だなぁ…じゃあ古風な鎧より、幾何学的なデザインが良いかもしれない。

等々、デザイン画があるだけでざっくりと判断し易くなる訳です。
ビジュアルに関係なさそうなアニメーターでさえ、コンセプトデザインを見て作業するくらいなので、表現力はバリバリ必要そうですね。

キャラクターデザイナー

名前の通り、キャラクターの見た目を決める人です。
プロジェクトの大小で専任職ではない事もあり、背景等々のデザインを兼務することも。
おそらく大手コンシューマー企業だと莫大な量のデザイン案の提出が必要なので、必然的に専任になると思われます。

割と人気職種だと思いますがかなり狭き門です。
主要キャラクターを筆頭に、モブキャラクターのパターン作成や、敵キャラクターなど挙げだすとキリがないくらいあります。
キャラクター毎に立ち絵、3面図、フェイシャルパターンを用意しなければいけません。
これを元に実データを作るモデラーが理解してくれないといけないので、追加で細かな装飾の仕様や参考画像なんかを列挙しつつ指示を出していきます。

見た目の要となる為責任重大です。
それ故に他の担当者から嫌われる事もある立場かもしれません。
(いつも「邪魔な揺れもの付けてからに!キャラデザ、コンチクショー!」言ってすみません…)

モデラー

大きな会社だとキャラクターと背景で分かれて専任の場合が多いです。
海外ではアニメーターが人気ですが、日本のゲーム系志望の学生には一番の花形の様です。
元採用担当だった私の元へ来る学生さんは9割近くモデラー志望でした。

業務内容は、デザイン画を元にモデリングデータを作り上げます。
形を作り上げるのはもちろん、表面に貼り付けるテクスチャ(画像)を描いたり、物体の質感調整をしたりします。
この後リギングという、人魚で言う骨を組み込む作業がありますが、その人に渡す前段階までが担当です。
デザイナー→モデラー→リガー
と言う流れでキャラクターは作られています!

小道具やモブ(道ゆく猫の様に重要性低いもの)はモデラーさんがデザインから考えて作る事もあるかも?
下請け新米デザイナーの時に、私もたこ焼きを作って提出した事があります。
また、モデリング業務は外注率が高く、主要キャラクター以外は元受け(メーカー)が作ってないなんて事も多々あります。
そう言った意味でも超大手企業に新卒でモデラー採用というのはかなり狭き門でしょう。
デッサン頑張ろうね、デッサン。
(以前作品集の記事書いたのでよろしければ→ https://note.com/aruboy/n/naff2e049a334)

アニメーター

大手ではゲーム内のキャラクターの動きだけつける人と、イベントシーンを作成する人(キャラ以外にもカメラ等にも作業が必要)に分かれる場合があります。
海外ではCGクリエイターの花形はアニメーターなんですが、日本ではそうでもないんですよねー…
なので、比較的競争率は高くない職種です。
因みに私はこの職種です。

基本はキャラやカメラを動かす仕事で、パソコン上でストップモーションアニメを作っているイメージです。
アニメの作画集とかでパラパラ漫画みたいなものがよくありますが、あれの立体版って感じです。
体の動きにクローズアップされがちですが、表情をつけたり、髪などなびくものの動きも担当します。

近年はモーションキャプチャーの使用頻度が高く、既にある程度動いている状態からスタートする事も。
案件によってはモーションアクターの撮影立ち会いがあり、かなり勉強になります!
VTuberのように簡単に誰でも3Dキャラを動かせる時代なので、志望する方はキャプチャー編集の勉強をしておくとベターでしょう。

エフェクトデザイナー

人手不足職種です。
他社に営業行って、ハナから出来ないって説明してても問い合わせ来るくらい不足しています。

昔は3Dソフト上に一枚絵を配置して、そこにテクスチャーを貼ってアニメーションさせるのが、主なお仕事でした。
テクスチャーアニメーションをAftreEffrctsで作ったり、パーティクルのレンダリングに何時間もかけたり…。
とにかくパターン出しと、レンダリングとのたたかいになります。

今はゲームエンジン上で作成が可能となったり、スーパー凄いエフェクトソフトも増えたので比較的楽?
…な訳はないと思いますが(よく知らない

また、似たような職種でコンポジションという作業がありますが、会社によっては一緒にまとめられているようです。
アニメ業界や遊技機業界など、映像業界には無くてはならない存在ですね。

UIデザイナー

これも人手不足職種!どこ行っても探してます。
最近は専門学校でも学科が出来ているようですが、まだまだ人口が少ないです。
ゲームの操作画面のデザインを担当する職種です。
DTPデザインと繋がる事も多く、web会社が受注してたりもする様です。

メイン画面の端にあるパラメータだったり、メニュー画面だったり、最初のPRESS  STARTのボタンだったり。
ありとあらゆる場所のデザインを決めています。
地味!と思われるかもしれませんが、ゲームの根幹となる操作性に直結するので、超重要ポジションです!
繰り返し触れる部分の為、少し違和感があるだけでプレイヤーのやる気を削ぎ、たちまち低評価へと繋がってしまいます。
キャラクター周りを作っている側としては、頭の上がらない存在です。

就活前にゲームエンジンに触れよ!

無料で自作ゲームが作れる昨今。
自分の志望を決める前に、個人やグループで制作を行う事を強くおすすめします。
一通りの制作フローをなぞるので、次第にやりたい事が絞り込まれていくはずです。

専門学校でも、講師や規模等の理由で育成出来ない職種も多く、卒業までに選択肢として外れざるを得ない事もあります。
情報は自分から取りに行くのが得策ですから、少し遠回りと思うかもしれませんが作ってみましょう。
絶対無駄になりません。
各種ゲームエンジンの使い方は動画サイトを漁れば沢山出てきます。
おすすめは将来企業に入った時を考えるとUnityやUnrealEngineです。
が、経験値稼ぎなのでどれでも問題ないでしょう!

私も元々キャラデザ・モデラーを志望していましたが、学生時代に挫折してアニメーターになりました。
今は自力で厳選できる時代ですので、恵まれた環境をフルパワーで活用したいですね。
就活応援しています。
(以前書いた面接についての記事→ https://note.com/aruboy/n/n46754f879209)

あとがき

デジタルゲームは年を追う毎に技術が進み、大規模化しています。
それは実機や画面等・出力先のスペック強化に伴い、当たりとなっています。
それに伴い、ゲームデザイナーが増えては細分化されていきます。
どれも違って面白みのある職種ですが、迷わずコレ!と言えるように予習はしっかりとしておきたいですね。


ではまた。

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