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CG・ゲーム業界がホワイト化してきた歴史

私が新人の頃は…なんて言ってしまう歳です。
業界入りたての時は、先輩から業務の武勇伝を多々聞く様なブラックさでした。
本当にこの10数年でびっくりするくらいホワイト化してきています!
ピチピチのクリエイター若葉マークの皆さまや、他業界の皆さまに、昔のクリエイターの生体をご紹介しましょう。

入社前のインターンで徹夜を経験

まだ学生で即戦力になり得なかったので、簡単な案件にスポット参加していました。
インターンも数ヶ月すぎ、もうすぐ入社(学校卒業)だぞ、というタイミングである遊技機案件に参加。
連日、レンダリング地獄に会いました…。
レンダリング待ちで一夜を明かし、次の日もそのまま業務継続。
大量の画像データを圧縮して、FTPにやっとアップ!…するのにも数時間…。
入社前に脱落者が出たのは言うまでもありません。

1年目で上司からはリモート指導のみ

配属事業所には新卒の同期のみが数名。
上司・先輩は全て本社勤務でした。
(ちなみにインターン時期も殆どの期間リモート指導)
つまり、新規立ち上げ事業所は新卒寄せ集め集団だったのです。
業務全ての事をLiveメッセンジャー(現在のSkype)で教えて貰いました。
当時は画面共有機能もなかったので、リモートデスクトップを使って、直接先輩からデータをいじってもらったり。
チャットでチェックバックをもらったら、新卒の仲間全員で思案したり。
と、最初から手探りで業務を行っていました。
そんな環境下でスキルが向上するはずもなく…。
3年目にクライアントへ出向を体験した際に、スキルが無さすぎて相手ディレクターに呆れられるという黒歴史を体験しました。

2年目でクライアントと単独電話打ち合わせ

大型遊技機案件が来た際、あまりの依頼量に各事業所毎に統括して作業を任されました。
それに伴い、会ったこともないクライアントと電話で打ち合わせを行う羽目に。
ちなみにこれが人生で初打ち合わせでした。
しかも、当時この事業所では電話を持っていなかったのです。
代用品は途切れまくるSkype電話…。
新規事業所開設して電話番号取得費用を削減、ってどういうこと…?
クライアントからの電話が鳴らない等々、不具合が多発しましたが、この電話はこの後2年程使用されました…。

一週間帰宅不可能、帰れても風呂だけ

電車で一駅のところに住んでいたにも関わらず、帰宅時間さえ惜しい程混沌とした案件がありました。
当時ルームシェアをしていたのですが、毎日きていた帰宅確認のメールも、だんだん来なくなっていくレベルで帰っていませんでした。
ある時、時間が空いたので入浴と着替えの為に帰宅すると、同居人が心配してご飯用意してくれました。
人の作ったご飯は世界最高ですよね!
その年一番の感動体験でした。

全休日が3ヵ月ない

先述の案件は休日ももちろん出勤の毎日でした。
「月曜日の朝までに提出」とかいう、意味不明な指示をよく頂くので、当たり前の様に休日出勤で対応。
そんなこんなで、休日出勤が常態化していきました…。
気がつけば季節は移ろい、服が半袖から長袖に…。
基本的に遊びの約束も難しく、直前じゃないと日程の確定が出来ない事が3年は続きました。
有給ってマジ神制度ー!

祝日は迷信

だって祝日ある月と無い月の作業ノルマが同じだから!
当時は全く配慮してくれないクライアントさんとお仕事してました…。
盆休みは取れず、年末年始も12/31と1/1だけ休みとかあったなぁ…。

週休二日は都市伝説

私の入社当時、土曜日は半休扱いでした。
平日取りこぼした分を補う日ってイメージでした。
昼過ぎに出勤して夜までやって帰るが通常スタイル。
新人時代からそれだったので、出向先でも昼過ぎに出勤したらしっかり怒られました。(当たり前)

逆に起きて深夜アニメリアタイ

怒涛のラッシュを受けている時に、ちょうどまどか☆マギカの最終回がある日を迎えていました。
どハマり組は作業どころじゃなくリアタイを遂行。
終わり次第無事業務に復帰…出来るはずもなく…
その日は酒盛りと考察会になりました☆
不思議なのが、そんな事してるのになんとなく納期は守れるんですよね…。

仮眠の為帰宅、朝日が登る中就寝

電車が走り出す少し前に業務が終わると、帰宅するのか、このまま雑魚寝するのか迷いどころ。
業界2年目になる頃には布団で寝た方が次の日の稼働率が上がる事を覚えて、徒歩で帰宅していました。
電車で一駅の距離をダラダラみんなと話しながら帰って、なんか青春気分。
朝日をカーテンで遮りながら4時間くらい寝て、また出勤!
タフ!若かったなぁ…

数ヶ月後発売って告知されてるゲームの仕事がくる

今じゃ考えられないですが、本当にギリギリに発注されたりする事も何度かありました。
沢山の会社がかき集められて作業リストを割り振り。
もちろん、クライアント側でもカオスな状況なので、メールのやり取りもカオスに…。
深夜にメールがきたり、全くメールが来ない日があったかと思えば、10通以上来る日もある。
ここの繋ぎカットが別会社だからデータ待ち、なんて煩わしい事も乗り越えてなんとか完納。
最後はえらい感謝されるメールをもらいながらも、作業量が少ないのでエンドロール載らなかったりします…不毛。


いかがだったでしょうか。
まだまだ佳境を迎えると深夜まで…なんて事もなくは無いですが、今こんな新人時代はまぁあり得ません。
更により良いCG・ゲーム業界になる事を期待しています!

ではまた。

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