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「リズと青い鳥」を見て 我が青春の〜的な

「響け!ユーフォニアム」は当時ほぼリアルタイムでテレビシリーズの2期の途中までは見ていて

今となってはキャラクター名から内容までほとんど覚えてはいないのですが

魅力に感じていたのは、静かな毒気と狂気だったのは微かに残っています。

表層的にはフランクで茶目っ気な飛鳥先輩?が、周囲の揉め事に何も感じていないような素振りを見せたり

主人公とヒロインのファムファタール的なガールミーツガールで堕ちていく展開など

当時はかなり興奮して見ていた記憶がありますが、

今回主人公になっている二人は「こんなキャラいたんだ」ほどの印象

その程度の事前知識で臨んだ、スピンオフ映画「リズと青い鳥」


まず何より、ラインの調整が丁度いい!

・テレビシリーズ

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・リズと青い鳥

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この段階で「今回はある程度リアルに寄せますよ」という前置きになっていて、作り手と受け手の姿勢のすり合わせが最初から出来てるのもいい


でもってタイトルであり彼女たちがコンテスト?で演奏する「リズと青い鳥」がどういった話なのかが語られ

「disjoint」と文字だけを映し


はいはい、このオタク受け抜群の依存体質の意志薄弱な娘が飛び立つまでの話ね。

とアニメしか見てないような層でもわかるようなリードを引いて、情緒たっぷりに進む。


さすが京アニらしい、見てて気持ちのいいアニメーションで退屈はしないなぁと思っていると

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このカットで、テレビシリーズの飛鳥先輩のことを思い出した。

あ、こいつも狂人の一人だ。と感じ取ったと同時に

「こっちがリズなのか、なるほど!」と


でもってクライマックス。主人公たちそれぞれが自覚し、意志薄弱から脱した後

鎧塚が一方的に抱き、笑い声、話し方、足音、髪、何もかも全てが好きだと伝えるも

傘木は「.....みぞれのオーボエが好き」と言い、5カットほど挟んだのち笑い出す

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軽く調べると、このシーンで傘木はそれぐらいしか思いつかず、鎧塚のことがさほど好きではないのか。傘木が嫌い。

という感想をいくつか目にしたのですが

その後、傘木が一人廊下を歩く中、二人の出会いを覚えていないと言っておきながら、その時を思い出し深く深呼吸する

傘木が鎧塚に嫉妬にも似た依存関係だったのは確かだけど、そもそもの始まりはオーボエの才能なんて関係なかった。ということがあのシーンでは描かれています


そうして冒頭の登校シーンと、ラスト下校シーンでも階段の対比から

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「disjoint」のdisが消されてハッピーエンド


つまり、映画冒頭から実はこの二人はバラバラだったけど、再び繋がれました。

つまりつまり、一番最初の出会いではちゃんとjointしていたんですよ。という補足説明までなされている



新海誠の東京のようにキラキラしていなくても、あの淡さだけで十分世界は美しく描かれているし、途中でダレることもないペースなので

久しぶりにアニメ映画で十分に楽しめて、アニメに絶望しかけていた心救われました。


とはいえ鎧塚に「本番なんてこなければいいのに」みたいなことをセリフで言わせなくてもいいのに...と少し肩を落としましたが

オタクにもっとリテラシーを要求してもいいとは思うのですが、どうなんでしょうね



あと全くもって見たことないので深くは掘りませんが、松本零士の「我が青春のアルカディア」の元ネタ

「我が青春のマリアンヌ」は、閉じ込められた女の子を解放しようとする男の話で、その男をなんとか振り向かせようとするリズという少女が出てきたり

何かしら関係あったりするのでしょうか?

とフワフワしたまま終わります

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