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臨床実習

臨床実習が活発になる時期ですね.

全ての施設における臨床実習はクリニカルクラークシップ(CCS)体制になっているはずが,いまだに学生が主体的に考え,実習を進める症例担当性のような実習のままの施設も多く,セラピスト価値観や行動変容は本当に難しいなと感じています.施設の長のトップダウンのもと,その施設のやり方を統一して変えていかないと,個々のセラピストが自ら変えると言うのはそもそも自分自身がそのような経験をした訳ではないので難しいだろうなとも思います.

臨床実習については,手引きやコアカリキュラムにある,「理学療法士を志した学生が、理想の理学療法士像や自身の働く姿を想像し、早く臨床で働きたいと胸を躍らせ、国家試験に挑む原動力となるような臨床実習を経験できたならば、臨床実習指導者は立派な後進育成を果たしているといえます。」という文章が実習の意味を表しているのではないかと思います.全ての臨床実習を担当する理学療法士やその施設長が,頭に叩き込むべき言葉だと思います.

理学療法臨床実習教育の手引きhttps://www.japanpt.or.jp/assets/pdf/activity/books/education_01/tebiki6_201225.pdf

学療法コアカリキュラムhttps://www.japanpt.or.jp/assets/pdf/activity/books/modelcorecurriculum_2019.pdf

臨床実習指導者研修会で学んだ後のフォローアップ研修は開催されていますが,それに対する参加が履修単位として認められるなどの仕組みの工夫も必要なだと感じている今日この頃です.

さて,臨床実習指導にあたるセラピストや病院施設に対して思うことはさまざまありますが,臨床の現場で臨床思考過程を学ぶことの意義はもちろんあると思っています.臨床実習は,専門職を養成する教育課程の一つであり,学内で学ぶ知識,OSCEを通して実践した技術がどのように患者診療への汎化されているかを実際に経験することは,何よりの学びであると思います.

理学療法領域における臨床思考過程は,いわゆる統合と解釈に当たると思います.考察に当たる部分は,実は臨床家が避けている部分にあるような気がしますが(日々の診療結果に対する考察はするが,統括的な考察はあまりしない.ここはシングルケースとして報告をしないとよほどしっかりできているとは言えないと言うのは私の立場です),ここはまた別に考えを述べていきたいと思います.

統合と解釈.学生には非常に難しいと思います.加えて,臨床で働くセラピストも体系的にその構造を理解して指導ができている場面はあまり多くないと個人的に思います.

今日は書籍の紹介をします.下記の書籍が大変よくまとまっていると思います.

理学療法士の実習生が作成する症例報告に関する参考書として上記本がずば抜けて分かりやすくまとまっています.値段もそこまで高価なものではありませんので,学生や入職後まだ若いスタッフの方は購入を検討されると良い本だと思います.

徳島文理大学の先生方,バイオメカニクスの本もそうですが,本当に良くまとめられてて凄いなと個人的に感じてます.ちなみに私は東に所在してますので,徳島文理大学の先生方との面識は全くございません.


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