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一歩、手前

誕生日を迎える少し前
ノートに投稿しかけて、忘れていた投稿
今更だけれど、ぽんっ

✳︎

なんだか喪失感
違うな、寂寥感

それか

空っぽの頭

アスファルトに咲く桜

やることなすこと

頭の中を渦巻いている

誰に急かされるわけでもないから

自分で自分を急かしている

何もしない

を恐れる生き物だ

別に何にも悪くないのに

迷惑なんてかけてもないのに

今日もまた縦スワイプのループにハマってしまった自分を
ひそかに格好悪く思う

芽吹きの朝を隙間から

あぁ春か

季節が持つ表情を見るのが好きで
季節が見せる顔色を、今日も伺っている

春は私の生まれた季節
満ち足りた景色に、胸いっぱいの想いが似合うけれど
春の陽射しには
確かな残忍さが、ある

揺るがない残酷の上に
根を生やした花々

冬がもし
生命の“死”に例えられるならば
春は
“生”を彷彿とさせる

でも

過ぎ去った死をすっかり忘れてしまったかのように

あるいは無知であるのか。
煩わしいほどに、春は“生”を訴える

その、過ぎし者への無関心・配慮のなさが
ひどく残忍で、悲しくて、
ぼんやりと、頭に鈍い苦しさを与える

ずっと思っていた。

生まれた季節なのに

淵に座るピンクとグリーン

もうじき私は19になる

いい中途半端さをしている

成人はしているが
お酒はまだ飲めない

大人というにはまだ背伸びをした感じ

半音分 足りてない旋律を聴いた時のような
いい気持ち悪さをしている


ああ、そうだ。

私の好きなバンドは引退してしまった

さようなら、どうそ眠りにつつまれて

多分、終末感

春は不思議な季節


「終わりは始まり」

と、彼女は言っていた

終わりと始まりが 混沌と入り乱れる季節を
退廃的な眼差しで見送っている

この春。


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