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思いを探るために必要なこと 〈ひきこもり支援〉

こんにちは。
ソーシャルワーカーのaruです。
ひきこもりの方への支援をしています。

ひきこもりの方は
ひきこもっているので、
家族の方が相談に来られます。
本人にはなかなか会えません。
そのため、
家族から本人の生育歴や経歴、人柄などを聞きますが、
本人の思いだけはわからないまま
なのです。

その1番重要なことがわからないまま、
本人への支援へ繋げていくことが、
本当に難しいのです。

ソーシャルワーカーって一般的には、
本人の思いに寄り添う、
というのが基本ですよね。

それが分からないとなると…
方向音痴の迷子の状態です。
なんとか辿り着けるよう、
家族に細かく本人に関するエピソードを聞いて、
こっちかな、
違うかな、
と方向性を決めていきます。

やり方によってそれは
ある意味賭けです。
本人に会ってみて
本人の思いは全く違う、
ということは大いにありえます。


そこで、
そうならないために
多くのポイントがありますが、
私が大事にしたいのは、

家族のアセスメントに時間をかけること

です。
具体的には、

その家族の
・本人との関係性を把握する
・生活歴を知る
・本音を聴く

ということです。


・本人との関係性を把握する
家族とは何度か面接を繰り返し、
本人の情報のみでなく、
家族のことも聞いていきます。
その中で、
本人との関係が良いのか悪いのかは
とても大事な情報です。

そのわけは単純に、
関係が悪い家族からの話は
本人は聞き入れないからです。
会話もなければ顔も見ていない、
という状態では
その家族の協力を簡単に得ることはできません。
かなり時間と工夫が必要です。

逆に関係が良好であれば、
私たち支援者が介入するまでの道筋が、
家族の動きによって
作られやすくなります。

うまくいけば、
家族へのアドバイスのみで
いい方向へ動く場合もあります。

・生活歴を知る
これを聴くことで、
家族自身の考え方、人となりが見えてきます。
どのような家庭環境に育ち、
どのような気持ちで過ごしてきて、
今自身の親との関係はどうなのか、
などを知ると、
自ずと今現在、
どんな思いで本人とかかわり、
どんな葛藤があるのか、
日々の気持ちの揺れ動きなどを
理解できます。

これは、家族への支援につながります。
家族が精神的に安定すると、
本人の精神面に直結します。
家族の考え方が、
とても大事です。
そこへサポートができます。

・本音を聴く
何度か面接を繰り返す中で、
1〜2回目には話していなかったことを、
「実は…」
と話してくれる場合があります。

親ならば誰しも持っているエゴや、
過去何も構ってあげられなかったという後悔、、
誰にでも心当たりのあることです。
みなさん、
本当に自分を責めて苦しんでいます。
そのような思いを
大事に受け止めていきます。



これらの3点のことを
しっかり把握した上で、
本人のアセスメントを深めます。

そうすることで、
家族の言葉をそのまま鵜呑みにせず、
細かな確認をしながら情報の精度を上げられます。
できる限り事実に近づけられるよう
情報をブラッシュアップします。
そして、
家族に新たな気持ちや考え方の気づきを促すこともできます。

細かな情報を集めて、集めて、
準備を整えて
段階を踏んで
本人への支援を始めていきます。

丁寧に
慎重に
とにかくひきこもる方が
無理のないペースで将来のことを考えるきっかけになるように。
今後も支援をしていきたいと思います。

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