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「コーヒーブルース」を聴きながら
先日京都を訪ねた。
銀杏BOYZ「君と僕だけが知らない宇宙へ」大阪公演を観に関西の街を訪れており、もう一つの大事な予定として久しぶりの人に会う為だ。
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本当に素晴らしいライブだった。
・10年ぶりの街
関西自体は数年ぶりなのだが、京都を本格的に尋ねるのは実に10年ぶりだ(大学一年の時に自転車でただひたすら漕ぐ行為を2回やり、それぞれ京都の中心辺りで引き帰したのと、琵琶湖に向かう道中で京都を通過した事はある。)
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10年前の京都も金閣寺と五重塔に行ったくらいなので、京都の街中に紛れ込むというのは本当に初めてだ。
・四ツ橋線乗り換え、京都へ向かいます
銀杏BOYZのライブ終演後、規制退場で時間が押してしまい遅く会場を後にした僕はひとまずそのまま京都へ向かうことにした。四ツ橋線から梅田、そこでJRに乗り換える。ぎりぎり間に合った。
スマホの充電も少ないので、機内モードにし、BGMは銀杏BOYZの「新訳 銀河鉄道の夜」リピートにして席に座りホッと息をつく。
実は京都に電車で行くというのが初めてなもので(大学時代特に行く用事がなかったし、なんか敷居が高いイメージが勝手にあった)、6~700円くらいで行ける事に驚いた。
もっとするかと思った…
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40~50分ほどで着。
初めて歩く京都駅、デカいの一言。
終電間際で暗いので余計大きく広く感じる。
まるで悪の要塞みたいだ。
右往左往しながら脱出すると、ライトアップされた京都タワーが迎えてくれた。
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…ついに来てしまった、京都へ。
・台風クラブをきどって
とりあえず夜の散歩をしつつ宿(ネカフェ)でも探そう、と思いスマホで調べると、しばらく歩いたらあるそうなのでそこを目指す。
酔いが醒めては戦はできぬ、という事でファミマで缶チューハイを購入しいざ行かん。
さて、僕が好きな京都出身のバンドが二つある。
モーモールルギャバンと台風クラブだ。
前者は高校の時から聴いていて、後者は2018年の銀杏BOYZの対バン相手きっかけで聴いている。
双方共とてもいいバンドで、いつか京都でぶらぶらしながら聴けたらよいなと思っていたが、まさかこんな形で実現できるとは…嬉しいなあ。
宿を目指しながら色々な曲を聴いた。
途中、Twitterのフォロワーさんから情報が入る。
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なんと目指す宿すぐ側にある商店街が台風クラブ「相棒(ちょっと長い関係のブルース)」MVの舞台だった。
https://youtu.be/7C8l5QmDWiU
なんか無性に嬉しくなり、心地よい疲労と酔いに体を預け、「相棒」を流しながらMVきどりで少し歩く。
台風クラブの聖地巡りは今回ここしか行けなかったが、『初期の台風クラブ』のジャケ写(気になってる場所「哲学の道」の近くらしいので併せて行きたい)と「処暑」MVの場所へはまた訪れたいと思う。
台風クラブに想いを馳せながら商店街を後にした。
いい気分で宿(ネカフェ)に入り、缶をまた1本空けて泥のように眠る。
・鴨川の川辺に怨念の唄が響いた…
目が覚めて外へ出るとそこは四条河原町でした。
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大通りに出ると、夜にははっきり見えなかった景色が広がっている。古い軒並を避けるようにして現代的な街並みが構築されているさまは一気にここが京都だという気分にさせられる。
交差点の向こうに橋が架かっている。
どうやら河原らしい。もしや、と思いそこまで歩いてみると…
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やはり、鴨川沿いの有名な街並みであった。
綺麗だなあ、、やっぱり平日の朝は等間隔で座ってる人がいないなあ、、ここで酒飲みたいなあ、、と思ったのも束の間、次に浮かんできたのは、
「鴨川の川辺に怨念の唄が響いた…」
というワードである(もっと他に浮かぶモン無かったのか)。
簡単に説明すると、1997年に京都大学アニメーション同好会が制作した特撮フィルム「怨念戦隊ルサンチマン」という作品の2話タイトルである。
で、完全に大学生活に失敗しルサンチマンを募らせていた大学1年時の僕はYouTubeか何かでたまたまコレと出会い、感情移入しながら観ていた…というエピソードがある(面白いしよく出来てるのでYouTubeかニコニコで見てみて下さい)。
なんか他に鴨川で思い浮かぶもんないかなぁ…と思いながら川沿いを歩いてみるものの、結局それ以外思い浮かばなかった。自身の見聞の狭さ浅さを思い知る。
次来た時は鴨川=と聞いて、別のことも浮かべられるようにしたい。
とはいえ、当時フィルムを懸命に回し、100を越える単位を落としながらもこの作品に携わった当時の京大アニメ同好会の方々に想いを馳せる。
・三条へ行かなくちゃ
さて、せっかく京都まで来たのだから…と行きたい場所があった。
「イノダコーヒー本店」である。
三条堺町にあるイノダはかの有名なフォーク歌手、高田渡の名曲「コーヒーブルース」で知る人ぞ知るスポットだ。
僕自身、19の時に彼を知ってからいつか「イノダ」に行きたいな、と思っていたのだが叶わず今日まで至っていた。
京都まで来た今日がチャンスだ、と思いイノダコーヒーを目ざした。
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イノダへ向かう最中に出会った高知にゆかりのあるスポットの数々にテンションがあがる(小学校の時に坂本龍馬が好きだった時期もあり尚更)。
高知県民であることに誇りを持てたような気がした。
いやはやしかし、京都の中心は面白い。道を一つ逸れるだけでまた違う顔が見れるのだから。
ウロウロしながらとうとうイノダコーヒー着。
平日の朝というのに列を成していた
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席の誘導を待ちつつ店内へ。
おしゃれ!きれい!店員さんかっこいい!高田渡!
半ば興奮しながら席へ誘導される。
とりあえず名物であろうコーヒーをオーダーし、席へ運ばれる。
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わなわなしながらイヤホンをしっかり装着し、高田渡「コーヒーブルース」を流して口に運ぶ。
ささやかな夢が叶った瞬間だ。
高田渡に想いを馳せながらティータイムを謳歌した。素晴らしい時間だった。
・京都は良えよ
イノダで茶しばきした後、久しぶりに会う人との待ち合わせの為にバス停まで走る。
「京都、やっぱり交通の便いいな…」
僕がめちゃくちゃ思ったことである。
市バスに乗り待ち合わせ場所へ
半年ぶりに会う人は相変わらず元気そうでよかったし、半年ぶりに会えて嬉しかったし。
喫茶店に入り(これがまた良い場所だった)、近況報告。
そしてその後京都の著名な場所や郊外を一緒に歩きながら、いろんな話をして過ごした。モーモールルギャバンの「消えて」という曲を頭に携えながら。なにより元気そうでよかった……
本当にありがとうございました。
その人は京都に(少なくとも僕よりは)精通してらっしゃったので、おかげでこの街がより魅力的な場所に感じました。
途中で入った駄菓子屋の店主の方が会計に使用してたのがそろばんだったのがグッときたな〜…!
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京都いい街ですね。絶対また来ます。
・voyager〜日付のない墓標
京都を後にし、阪急で三宮まで。
高速バスに乗って高知へ。
この二日間のことを改めて思い返しながら、松任谷由実「VOYAGER~日付のない墓標」を聴いていた。
”私があなたと知り合えたことを
私があなたを愛してたことを
死ぬまで 死ぬまで 誇りにしたいから”
という歌詞を噛み締めながら。
この二日間でお会いできた人達。いつかまたもう一度いつか逢いましょうね。
初めて1人で関西へ降りたってから10年。
京阪神に色々な思い出が出来て良かったです。
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