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謹賀新年_海を見に_

12月初めに母がコロナに罹った。変な咳をしたのですぐにPCR検査、そして陽性。その3日後に私が感染し、なんといちばん人との接触が多い長女は陰性……自宅待機の間ずっと看病をしてくれた。母は病院に行く体力はないので市販の薬で、私はかかりつけの発熱外来で手早く検査をしてもらい薬をもらう。その薬が母のものとほぼ変わらず、娘の知識と手際良さに驚いた。近所に住む次女は、自分がうつしたのかもと心配するもこれまたなんと陰性……..。二人とも現在に至るまでずっと陰性である。

母とお正月は迎えられないのかも…との思いが頭をよぎり、去年に続き次女が注文してくれているおせち料理を、「また一緒に食べるんだからね、元気になろうね」と励ますも、母は現状を把握することができない。その方が良かったのだけれど…..幸い、二人とも症状は軽かったのだと思う。本来は疑心暗鬼のワクチンを、母は5回接種済みで、私は5回目接種直前の発症だった。副反応も後遺症もないのだから接種しておいてよかったということなのか…………..今もって感染ルートの分からないウィルスの襲来であった。

ところが、母のその後が大変だった。食欲を失いまるで「食べるってどういうこと?」 みたいな顔をして、「口に入れて噛むのよ!」と言ってもただぼーっとしている、そんな日々が続いた。高齢者にはありがちなことらしく、食欲回復に2ヶ月掛かった例もあると聞いた。

無事に大晦日が来て、家族揃っておせち料理を食べてやっと「食べる」ということに頭がスイッチされた。豪華料理なら食べるってことなの? …….それでもこの勢いを保たねばということでお正月明けに (私たちは車椅子移動に疲れてしまって遠出は無理だったので) 自宅からタクシーで40分のホテルで市内1泊旅行をした。母は部屋から海が見えるのがお気に入りで(誰でもそうだろうと思うけど)そこはコロナ禍で朝食がルームサービスだったからである。先の唐津旅行の時ほどには海の景色はダイナミックではなかったけれど、この気分転換に母は活気付いた。やれやれ…..しかしながら翌朝の朝食後、ゆっくりコーヒータイムをと思っていたらトイレで失敗。もう一度お風呂に入り、チェックアウトぎりぎりまで大慌ての騒動となったのである。

こういうことあったよね、子育てしていた頃……というような「トイレその後」….の騒動は今や日常化してしまっている。ケアマネさんが男性で、いつも母が同席しているのでこのことはまだ話していない。母のプライドを傷つけるような気がするから…… 現在、食欲は戻ってきたけれど記憶力は低下を続けている。春が来たら95歳になる母である。残り時間は少ないのだろうし、なんだか体力勝負になってきたかな?

そのような訳で2023年、始まっております。
新年おめでとうございます!!!


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