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日帰り日光 2023/08/02

8月2日(水)

早朝の人身事故の影響が長引き、湘南新宿ラインは9時を過ぎても混乱の中にあった。
私は滅多に入ることのない新宿駅5・6番線ホームに立っていた。
5番線にはなかなか扉を開けない成田エクスプレスが停まっていて、大きなスーツケースを引き、ヒマラヤ登山でもするのかと言わんばかりの縦長なリュックサックを背負った外国人は暑さとイライラのダブルパンチだっただろう。
方や6番線、こちらもこちらでいつまで経っても9:34発の東武直通特急スペーシア日光がやって来ない。余生を謳歌する御老人たちと、身軽なヨーロッパ人がよく目に入った。ようやく列車が入線したのは9:40頃。ジャスミンホワイトにパープルルビーレッドとサニーコーラルオレンジの線を纏った車両は、平成初期を思わせるようなノスタルジックなデザインの流線型の先頭車を持ち、おおよそ30年前の登場から現在まで長く愛されてきた100系電車である。

車内はというと、やはり最近というよりは昭和〜平成の狭間感のあるような、重厚感ある綺麗な造りになっている。近年の鉄道車両といえば、全体的に明るいトーンを基調とした上での高級感や近未来感がテーマになっているような印象だが、それとは違うノスタルジーに溢れた車両なのである。深めのネイビーのシートは厚みがあってものすごくふかふかで、普通車にもかかわらずフットレストが常備されている。新幹線や特急踊り子とかのシートに比べるとかなり上質なものに感じる。

大きめの窓
微妙に暗い間接照明や読書灯など、
なくてもいいけど拘った設備装飾がまた良いのである。
華美な照明
車内販売時代の名残。
つい一つ前の元号の時代までは車内販売があったのに、
遂に新幹線からは車内販売が消えることになってしまった。

栗橋を越えたあたりから田畑が景色に占める割合が多くなる。流れる景色を眺めて1時間半ほど、東武日光に到着した。降りたホームの向かいには500系特急リバティ、さらに奥には最新のN100系スペーシアXが停車中。3代にわたる東武の特急車両がそろい踏みとなる光景を拝むことができた。

12時を目前にして、駅前の食事処に入って名物の湯葉を食べることにした。湯葉と山菜の蕎麦と宇都宮餃子を食べた。

駅前からのバスに乗った。途中、かの有名ないろは坂を越えていった。日本一のつづら折りを軽快なハンドルさばきでグングンと登っていく。立っている人は遠心力に左右されてさぞ大変だっただろうな。40分ほどの乗車で中禅寺温泉バス停で下車。

華厳の滝を見に行く。無料の展望台から見たあとに、エレベーターでより下から滝を望める展望台に移動した。
校外学習の小学生がわんさかと居て、黄色い頭が忙しなく動き回っていた。ら
滝はまさに雄大の二文字で表すにふさわしい。ちょうど滝の直上に太陽が覗き、美しい。97mの落差を誇る滝は那智の滝、袋田の滝と並ぶ日本三名瀑のひとつである。メインの滝が中央に構え、その周りにいくつもの小滝が流れ落ちている。滝壺から跳ね返った水飛沫が微かに顔に触れ、ひんやりとする。これを世の中ではマイナスイオンなどというのだろうか。気持ちがいい。
左の岩肌に柱状節理が現れていて、個人的に激アツ、でした。

上から見るとこう
猿がいた!死を覚悟した
「雄大」
地学選択が狂喜乱舞する柱状節理の岩壁

華厳の滝をあとにして、中禅寺湖のほとりを散策。
G7サミットの記念オブジェがあった。

バスでいろは坂を下り、今度は東照宮エリアに戻ってきた。
まずは門前の輪王寺にお参り。本堂のサイズに圧倒された。

続いて東照宮。
スカイツリーの高さ634mと東照宮の標高があまり変わらないという旨の立て看板を見つけた。東武グループの新旧観光名所を並べているところが何となく面白かった。
五重塔、表門、陽明門、本殿、どれもこれも華美な装飾が目を引く一方で、207段(たぶん)の階段を昇った先、正に家康公のご遺体が安置される奥宮はやや落ち着いた雰囲気を出していた。
境内の神厩舎にはかの有名な三猿。他にも欄干に彫刻が施されている。
平日の夕方手前ということもあってか参拝客がかなり少なく、落ち着いた雰囲気のまま境内での時間は過ぎた。
最後に薬師堂の鳴き龍を見た。お堂の中では拍子木を叩く位置で音の共鳴の仕方が変わり、最も音が響くところではまるで龍が鳴くが如く音が残り続ける。

旅に出てうんと勉強せよ

神橋の前に出て、日光街道を東武日光駅の方へと戻っていく。途中、夕焼けが綺麗だった。
駅前でなにか腹ごしらえと思って、湯葉まんじゅうを買って食べた。

尊敬するスーツさんが来ている。

予約した特急の乗車時刻に対して、2時間くらい早く旅程が進んでいる。特急は2つ先の下今市駅から乗ることになっているから、先に下今市に移動することにした。
特急の停まる駅だから、何かしら暇を潰せる所がある、と思っていたのだが、、そんなになかった。申し訳ありません。
少し歩いたところにごはん屋さんを見つけたので、夕食を食べることにした。鶏もも肉の1枚唐揚げ定食。これはあまりにも美味しかった。ゆっくりとご飯を食べて、特急リバティきぬで帰路についた。
北千住からはメトロに乗り換えて荻窪まで。

下今市の木造跨線橋

避暑もできて、幸せな旅だった。今度は泊まりがけで行きたいし、日光は四季それぞれの色がはっきりと美しく出る場所なのだろう。割と頻繁に行きたい。

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