見出し画像

四国・四分の三周の旅 第2日 2023/02/13

四国旅行記、2日目です。
いよいよ移動が始まります。
前回(第1日)はこちらから!

ありがたくも過去になかったペースで「スキ」を頂いております。皆さまに感謝。もっと多くの人に読んでもらえるように頑張ります📝

2月13日(月)

6:30 朝活

旅行というか、友人と泊まったときというか、そんなときは大体9時とかに目が覚めるのがあるあるだが、高松の朝は普段の生活通り早かった。

Tがおもむろに電気ケトルで湯を沸かし始めた。
毎朝のルーティンとして白湯を飲むそうだ。朝イチで内側から身体を浄化するということで、全員がそれに倣ってみた。なるほど、なんだかスッキリする。水よりもいいかもしれない、と思った。

9:00 朝うどん

早く起きたはいいが、結局あれこれと色々していたら、チェックアウトしたのは9:00だった。
空は雨模様。以前高松に来た時も雨が降っていた。四国とか香川県って確か雨が日本一降らないようなところだったと記憶しているが、私が来る時に限って雨が降るのはなんだろうか。

雨だったこともあり、片原町駅から琴電に乗って高松築港駅へ向かった。

駅から歩いて数分、昨日のめりけんやを越えて進むと、「味庄」といううどん屋さんがある。讃岐うどんの店はどこも朝が早いが、ここは群を抜いて早い5:00開店。
壁にずらりと貼られた手書きの価格表と、店内に立ちこめる釜の熱気が、いい雰囲気を出していた。
今回はかけうどんと舞茸&椎茸の天ぷらを注文。
昨日のめりけんやは初めから出汁がうどんにかかっていたが、今度の味庄では、でっかいタンクから自分で好みの量の出汁をかけて食べることができる。
寒かったので温かいうどんが五臓六腑に染み渡る。麺は思ったよりも柔らかく、出汁も相まってか「this is 最高に優しいうどん」で、天ぷらを出汁にヒタヒタにしてかぶりつくと、これまたたまらなく美味いのであった。

多分だけど、出汁は少し多すぎた
かけ小¥250 天ぷら¥100

10:00 再びの男木島へ

前回に引き続き、雨模様の高松であることは既に述べた通り。前回では栗林公園 と男木島に行ったが、どちらもリベンジをしたかったが天候は再び私(たち)に背を向けた。
しかし、雨だからと男木島行きをやめる訳にはいかない。男木島には私の愛してやまない猫たちがいる。

10:00
高松駅のコインロッカーに大きい荷物を預けた。
高松港から女木島・男木島に向けてフェリーは出航した。
去年までは瀬戸内国際芸術祭が行われていて、国内外問わず多くの人で混みあっていた船内も、今回は閑散としていた。
女木島は桃太郎に出てくる鬼ヶ島のモチーフとされ、男木島と同様に、やはり瀬戸芸の作品展示がなされていたところだ。

10:40
フェリーは男木島に到着した。
下船してすぐ、第一島民がお出迎え。
この島のレセプション担当はいつもこの猫だ、前も出迎えてくれた。

船に乗りそうで乗らない。
『男木島の魂』
中は観光案内所

島はひとつの大きな山のようになっていて、海沿いに民家や施設が集中しているが、どれも歩くのさえキツい急斜面の上に建っている。そこを細い道を張り巡らせている。

港から坂を登った先に、「豊玉姫神社」がある。
まずは観光に来ましたという自己紹介がてらお参り。
お社までは、当然のごとく急な階段が続いたが、ふと海の方を振り返るとやっぱりそこにはいい景色が広がっていた。晴れていたらなお良かっただろうに、、、

横道に逸れると、カラフルな壁の建物も。
ちょうどフェリーが折り返して行くところ

お参りを終えて坂を少し下ると、「夕陽と猫の家」はそこにある。
無料開放されているこの施設は、テラスから瀬戸内海を一望でき、室内ではドリンクや軽食、島猫グッズも買うことが出来る。晴れているとタコ飯弁当を頂けるのだが、(以下略

開放された建物にやってくるのは人間だけではなく、島猫もやってくる。夕陽と猫の家では、どの猫が島のどこにいるのかなどをまとめた島猫マップなどなどを製作し、島猫による男木島の活性化を模索している。島猫を目的に島を訪れたのなら、まずはこの施設に立ち寄って諸情報を入手するのをオススメする。
施設の運営をされている方もいらっしゃるので、詳しいお話も伺うことができた。

今回は先客として、島猫のゴンちゃんがコタツですやすや眠っていた。雨宿りかな?
さらに島猫ボランティアの方もいらして、島と島猫にまつわるエトセトラを教えていただいた。
しばらくすると、「島内一の美人猫」ことトリコが合流。
お昼ご飯のお時間ということで、カリカリごはんを食べてご満悦の様子。
猫は見ているだけで癒されるからスゴい。

11:30 予期せぬ登山

少しばかりの滞在で夕陽と猫の家を後にした。
当初、この後の予定は男木島の北端にある洋式灯台に行くつもりだった。が、その道中に気になる看板を発見。

コンクリートで舗装された道の脇に、山上に続く未舗装の階段。
「タンク岩」「ジイの穴」
こんな面白そうな名前を見て、行こうと思わない方が少ないと思った。
雨も小ぶりになり、意気揚々と階段を昇っていくのだが、10分、20分と歩き続けても一向にどちらにもたどり着かない。段々と汗も滲んできて、着ていたダウンを脱いでしまった。

ようやくジイの穴に到達した時、目の前はもう真っ白で、霧の中にあった。ジイの穴の前にはロープが張られていて、中をうまく見ることは叶わなかった。ただひたすらに山登りをしただけになってしまった。

遠回りにはなってしまったが、下山した先には灯台があるようだった。
途中、見事なスイセンに魅了されつつも、何とか灯台のある海岸までやってきた。
登りが辛かったから、当然下りも膝が笑うほど急で、滑り落ちないように注意を払った。

その昔、日清戦争後に発達した瀬戸内海での船舶交通に対応して、この男木島灯台は造られた。御影石(≒花崗岩)で造られ、日本にふたつしかない無塗装の灯台の片方なのだという。無表情ながらも西洋風の佇まいが、重厚感を生み出して格好いい。無言の圧力のような何かを感じた。
灯台の周辺はキャンプ場として活用されているようだ。

13:00 食べ損ね途方に暮れ、、

再び男木港の方へ戻ってきた。
港の近くのお食事処をあてにしていたが、なんと営業を終了してしまっていた。本来ならば営業している時間だった。夕陽と猫の家のタコ飯弁当もそうだが、もしかしたら雨で観光客の来訪が見込めないと、提供をしないのかもしれないなと考えて納得することにした。

仕方がなく、夕陽と猫の家にもう一度行くことにした。
ゴンちゃんとトリコはやっぱりコタツで寝ていた。

「またあんたらかい」の顔。
ちゅーるたいむ。
なかなか食べようとしないトリコ

ついにご飯を食べ損ねた話をしたら、港の農協に少し食べ物を売っていると教えていただいた。
帰りのフェリーの時刻もそれなりに近づいていたので、もう少し散策して、食べ物を調達してそのまま帰ることにした。

夕陽と猫の家の運営の方から、ありがたいことに島猫ブックマークセットをプレゼントしていただいた。
他にも多少は足しになるだろう、とお菓子なども差し入れて下さった。
ただ来てお金も落とさずにいたのに、ここまで良くして頂いて申し訳なかったが、ありがたくご厚意に預かることにした。

いよいよ本当に夕陽と猫の家をあとにし、今度は島の南端を目指して歩いた。
途中、なぜか猫ではなくニワトリが歩いていたが、さすがに野生ではないと信じたい。無事小屋に帰っていますように。

北端には灯台があったが、南端には瀬戸芸の立体作品がある。それなりに有名かと思うが、『歩く方舟』というオブジェである。
正直ここまで抽象的すぎる作品は理解が及ばないが、まあなんかすごいんだろうなと感じてはいた。
公式サイトによれば、
「旧約聖書のノアの方舟に想を得た立体作品を堤防に展示。白と青に着色した4つの山を持つ方舟が、海を渡ろうと歩くさまを視覚化する」
のだそうだ。
「4つの山」は、何となく瀬戸内海の山がちな島々を想起させる。

15:00 さらば男木島

帰りのフェリーに乗る前に、教えていただいた農協に寄って食料を調達した。
サンドイッチとアジフライを購入。他にもおはぎとか菓子パンなんかも購入することができた。
この農協では日用品も販売していて、街のスーパー的立ち位置にあるようだ。

「電電公社」にノスタルジー。

どうも帰りのフェリーでの写真を1枚も撮っていないようだ。
記憶が正しければ、乗ってすぐにご飯を食べて、程なくまた眠ってしまった気がする。

番外編 島猫コレクション

雨にも関わらず、たくさんの猫を拝むことができたので共有。

15:50 特急いしづちで松山へ

高松港に着いたのが15:40を少し過ぎたくらいだった。いくら同じ一帯にあるとはいえ、駅まではそれなりに距離がある。ゆえにダッシュした。
預けていた荷物を回収し、予め買っておいた乗車券と特急券を改札に通して、発車の2分前くらいに座席に座ることができた。

特急いしづち(同じくしおかぜ)に充当される8000系特急電車は、「振り子制御装置」なる車体傾斜機能がついており、カーブを通過するときでも車体を傾けることで遠心力を分散させて、スピードを落とさずに走ることを可能にしている。この振り子制御についてはいろいろ種類があるが、今回は割愛。

高松を出てしばらく、宇多津のデルタ線(こちらも今回は割愛、別記事で書きます)を観察し、岡山方面からの特急しおかぜを連結したところまでは覚えていたが、その後はもう寝てしまった。そもそもデルタ線を見るのは私だけだったし、ほかの4人は高松を出たとき既に目を閉じていたのかもしれない。
目を覚ましたとき、電車は今治を発車した頃だった。実に2時間ほど寝ていたことになる。登山をして港からダッシュしたのだから当然の帰結である。

天気は引き続き悪く、日も既に暮れ、視界が悪い中でもなんとか景色を見ようと試みた。途中瀬戸内海の際を走る時があって、多少は海を臨むことができた。

18:30 松山に到着

18:26 松山駅に到着した。

これよりも前に松山駅に来たのは小学校一年生か二年生の頃だった。
その時は気づかなかったが、電光掲示が少なく、昭和か平成初期(?)の様子をそのまま残しているのだ。つまりエモい。夜ということもあってさらにエモい。

前回述べたが、松山市は四国で一番人口の多い都市である。そんな大都市の駅にもかかわらず、改札は自動ではなく友人である。鉄道博物館とかでしか見たことがない銀色の多角柱の中に駅係員さんがいて、切符を回収していた。これまたエモいのである。ロマン。ノスタルジー。

20:00 道後温泉で胃も心も満たす夜

今回は松山駅にほど近い「ホテルクラウンヒルズ松山」に宿をとった。
途中で一六本舗の店があったのでお菓子を買った。

ホテルで一息ついて、道後温泉街へ向かうことにした。
ここで不覚だったのが、道後温泉と松山駅周辺を結ぶ路面電車(伊予鉄市内電車)の本数が残り僅かだったということ。またもダッシュの末何とか目的の列車に乗ることができた。

やってきたのがモハ50形70番。伊予鉄の全車両のうち約3割を占める多数派。とはいえ、登場は1963年という古参中の古参。マニアックな話だが、吊り掛け駆動方式というモーターを積んでいて、その加速時の唸るような音がもうこれも昔を感じてエモくて仕方がないのである(個人差あります)。
扉の表示の文字とか?あるいは木板を張った床とか、バリアフリー思考皆無の乗降口も、ノスタルジー満載。
乗って揺られるだけで、タイムスリップしたような感覚になった。

道後温泉駅もまた建築物として観察する価値がある。
復元ではあるが、明治時代の洋風建築であり、ライトアップされて暗闇に浮あがる様はすばらしく格好がいい。
中にスターバックスがあるが、日本でも指折りのオシャレなカフェではなかろうか。

横には坊っちゃん列車が停車中

駅を出てすぐ、温泉街の入口にの鯛めし専門店「秋嘉」でディナーとなった。
四国の鯛めしは2種類があり、
鯛を米と一緒に炊き込んだ「松山」と、
刺身の漬けをご飯と食べる「宇和島」
があるのだそうだ。
せっかくきたのだから、と5人全員が「松山」を選んだ。

温かみある優しい味が、ダッシュしまくった身体を癒す。あまりにも美味しすぎて、悦に入って何も言えない状態に陥った。

つややかに輝く
豪勢な卓上
例にならいます。以下参照。
一、シンプルだが本来の味で激うま
二、もろみが効いて新感覚
三、染み渡る出汁

さて、あとは道後温泉につかるのみと思って本館に向かったはいいものの、どうも整理券配布制になっているようで、なんと本館での入浴は叶わなかった。下調べ不足に後悔した。おそらく改修工事で入れる人数に制限があるのだろう。

どうしようもないので、別館の方で入浴することにした。
本館以外には「別館 飛鳥乃温泉」と「椿の湯」というふたつの施設があって、より最近にできた飛鳥乃温泉は愛媛の伝統工芸とアートを融合させた新しいスタイルの温泉で、そちらに入ることにした。
飛鳥時代を再現した建物の外観、エントランス内、浴場など芸術的センスを感じる造りとなっていた。
今回は遅い時間帯に行ったこともあり、大浴場以外を利用することができなかったが、次回来る時は他のフロアも使ってみたいと思う。

浴衣美人が映える
本館を覆う幕もアーティスティック

道後温泉といえば、「美人の湯」と言われるアルカリ性で、確かに湯に浸かっている間は若干のヌルヌルを感じたし、湯上がりの肌は何となく若返ったような気分だった。老廃物は綺麗さっぱり流して退館。

すぐ向かいには「椿の湯」

いま、道後温泉のHPを見ながら文を綴っているが、個人的に道後温泉の勉強を一切せずに行って終わっただけになってしまったのが残念である。
余談だが、某YouTuberのスーツ氏は、旅行前に相当量の知識を詰め込んでいるという。もちろんコンテンツとしての充実度を増す目的もあるだろうが、それよりも知識を持った状態で赴く地は、より旅の満足感を向上できるはず、と思っていつも旅行している。
今回は、こんなにも歴史ある名湯についてのサーチを怠った私のミス。

22:00 ほっとひといき。

湯上がりに瓶の牛乳を飲んでみようかなんて思っていたが、既に自販機の横には高く積まれた空の小瓶が回収を待っている状態だった。
商店街の小さな売店で、みかんの飲むゼリーを買った。
小生、浜松は三ヶ日のみかんを食べて育ってきた者としては、よりによって愛媛のみかんの類いを口にするのは気が引けた(誇張です)が、さすがに美味しい。風呂上がりの火照った体に爽快感を吹き込む。

道後温泉街に別れを告げ、路面電車で再びホテルへ。
行きのレトロ電車とはうってかわって、帰りはモダンな超低床バリアフリーの揺れない電車で静かに帰った。ちなみに終電。

ホテルに帰ってきた。
ホテルではマンガルーム(?)のような部屋でエヴァンゲリオンを読みながら、年季の入ったマッサージチェアに座ってくつろいだ。
そのあと部屋に戻って、松山到着直後に買った一六本舗のお菓子を食べた。

なんか、いた。

甘いものを食べたら眠くなって寝た。
明日の出発も早い。


〔主な出費〕

味庄 ¥350
男木島フェリー往復 ¥1,020
男木島の農協 ¥470
自由席特急券(高松→松山) ¥2,200
伊予鉄市内電車5系統 (均一運賃,往復) ¥360
秋嘉 松山鯛めし ¥2,350
道後温泉別館飛鳥乃温泉 ¥610
みかんゼリー ¥390

長くなりましたね。充実の第2日をお読み頂きありがとうございます。
なるべく投稿頻度をあげていきたいと思っています。第3日をお楽しみに。


特別編 JR乗車券の紹介

今回の旅のカギとなる乗車券を紹介します。
大学生の味方、学割を使います。
前提として、学割は片道営業キロが101km以上の場合に、運賃(=乗車券料金)が2割引になる制度です(よく「新幹線の学割」という表現をするアカウントがありますが、なんとなく語弊を産む言い方なので好きではないです。新幹線に乗らなくても学割は効きます)。
大学生以下の皆さんは学校で発行できますので、中~長距離の旅行の際はご活用ください。

今回発行したのは以下のルートの片道乗車券。

高松
↓予讃線(内子線経由)
北宇和島
↓予土線
若井
↓(土佐くろしお鉄道中村線)
窪川
↓土讃線
高知

・営業キロ 448.9km
・普通運賃 ¥7,850
  →学割適用 ¥6,320
  (0.8をかけると¥6,280のはずですが、理由不明)
・有効日数 4日間

最近、JR西日本で学割を使った乗車券の購入が券売機でもできるようになった駅があるようですが、基本的には学割を使うためにはみどりの窓口に行って、係員さんに発券してもらう必要があります。
また、単純に「高松から高知まで」というと、予讃線の途中、多度津駅から土讃線を南下して、後免駅を経由して高知駅までを結ぶ、最短ルートを提案されるので注意しましょう。

今回私たちはこのような切符を発行して使っていますが、JR四国にはお得な企画きっぷが数多く用意されています。若者向けや繁忙期シーズン限定の切符もあるので、旅の目的や行程に合わせてぜひ使ってみてください。何も考えずに切符を買うくらいなら、お得に旅しちゃいましょう(^^)

今回はこんな感じの乗車券を使って四国をぐるりとまわっていきます!


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?