開館40周年記念 旧朝香宮邸を読み解く A to Z
昨年10月に、めでたく開館40周年を迎えた東京都庭園美術館。
さらに、その本館である旧・朝香宮邸は、竣工からちょうど90周年を迎えました。
それを記念して、現在、東京都庭園美術館では、“開館40周年記念 旧朝香宮邸を読み解く A to Z”が開催されています。
こちらは、日本を代表する“アール・デコ建築”で旧朝香宮邸の見どころを、
「Aida ando Carumen」など、AからZを頭文字に持つキーワードで紹介する展覧会です。
東京都庭園美術館では過去にも、建物の魅力にフォーカスした、いわゆる建物公開展が、年1回くらいのペースで開催されていますが。
本展はその究極版ともいうべきもの。
竣工当時の旧朝香宮邸の姿にできる限り近づけています。
いうなれば、過去一すっぴんをさらしているようなものです。
例えば、床。
普段は、その上を絨毯が覆っていますが。
今回は、数か所ほど絨毯が取払われており、丁寧な職人技がほどこされた木の床面がお披露目されています。
このような形で木の床面を見せるのは、実は開館以来初とのこと。美術館の“中の人”でさえ、木の床を目にしたのは初めてなのだそうです。
また例えば、壁。
普段、展覧会が開催されている際は、その壁に平面作品が飾られているものです。
特に美術品を展示しない建物公開の時でも、その壁に、キャプションやパネルが飾られています。
しかし、すっぴんを見せる本展では、一切、壁に掲示物は飾られていません。
代わりに、キャプションの役割を果たす特製の什器が設置されていました。
なお、この特性の什器の上には、
旧朝香宮邸の見どころや秘密が、資料を交えながら、
わかりやすい言葉で紹介されているとともに。
キャプションの役割も果たす解説カードが置かれています。
ちなみに。
このカードはお持ち帰り可能です。
しかも、展覧会のラストには、穴あけパンチや、
それらのカードをまとめるためのアイテムも用意されています。
そう、本展では館内を巡り、カードを集めることで、自分だけのA to Z図鑑を作成することができるのです。
東京都庭園美術館に初めて訪れる人はもちろん、これまでに何度も訪れている人も発見の多い展覧会。
改めて、旧朝香宮邸の魅力を再確認、再実感する展覧会でした。旧朝香宮邸がもっともっとも好きになること間違いなしです。
⭐️⭐️⭐️
また、本展にはゲストアーティストも参加しています。一人は、土を素材にした陶造形のパイオニア、伊藤公象さん。
本館の内外で、インスタレーションが展開されています。
そして、もう一人が須田悦弘さん。
木彫で、本物そっくりの植物を作る現代アーティストです。本展には、6点の作品を出展しています。
それらが本館のあちこちに、さりげなく展示されていました。
あまりにも、さりげなく展示されているので、ノーヒントですべての須田作品を見つけるのは、ほぼ不可能。
ツッコミ芸人として、ちょっとした違和感に気づける体質であるため、すべての須田さんの作品を余裕で見つけられる自信があった僕ですが、
結局のところ、6作品中5作品しか見つけることができませんでした。
ちょっと・・・・・いや、だいぶ悔しかったです!
いつか東京都庭園美術館で、須田さんとのリベンジが実現しますように。