アートテラーとに〜

「敷居が高い…」「難しい…」 そんな“美術”の負(?)のイメージを払拭すべく、 その魅力をわかりやすく、かつ面白くトークで伝える職業です。 よしもと芸人時代に培ったしゃべりの技術と、 笑いのセンスで独自のトークガイドをしています。

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「敷居が高い…」「難しい…」 そんな“美術”の負(?)のイメージを払拭すべく、 その魅力をわかりやすく、かつ面白くトークで伝える職業です。 よしもと芸人時代に培ったしゃべりの技術と、 笑いのセンスで独自のトークガイドをしています。

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最近の記事

美術トリビア!!!!

もし、本家の『トリビアの泉』がまだ存続していたら投稿したかった、 思わず「へぇ」と言いたくなる美術トリビアの数々をご紹介した前回の記事から、 すっかり3年以上の月日が経ってしまいました、、、(汗) というわけで、久しぶりに溜まった美術トリビアを一挙に放出したいと思います。 それでは参りましょう! まずは、こちらのトリビアから。 英語のスラングを集めたオンライン辞書、 『Urban Dictionary』には、「yoko」の欄にはこうあります。 「A person

    • マツオヒロミ展 レトロモダンファンタジア

      都内でも屈指のレトロ美術館、弥生美術館で、 現在開催されているのは、“マツオヒロミ展 レトロモダンファンタジア”。 レトロモダンな作風で人気を博すイラストレーター、 マツオヒロミさんの都内では初となる待望の展覧会です。 弥生美術館でマツオヒロミさんの作品が展示されるのは、実は今回が2度目。 前回は、大正時代の恋愛事件をテーマにした、 2017年開催の展覧会でコラボを果たしています。 その際の主役は、あくまで大正時代の恋愛事件でしたが。 今回の展覧会の主役は、完

      • フランシス真悟「Exploring Color and Space-色と空間を冒険する」

        現在、茅ケ崎市美術館で開催されているのは、 “フランシス真悟「Exploring Color and Space-色と空間を冒険する」”という展覧会。 ロサンゼルスと鎌倉を拠点に活動する国際的な美術家、フランシス真悟さんの国内では初となる大規模な個展です。 展覧会の冒頭を飾るのは、近作の「Infinite Space」シリーズ。 色彩そのものを絵画の主題としたシリーズです。 パッと見は、ただ一色の絵の具が塗られているだけに思えるかもしれません。 しかし、近づいてよ

        • 榧園好古図譜―北武蔵の名家・根岸家の古物

          現在、國學院大學博物館で開催されているのは、 “榧園好古図譜―北武蔵の名家・根岸家の古物”という展覧会。 こちらは、北武蔵、現在の埼玉県熊谷市の名家、 「根岸家」にまつわる古物(と書いて「たから」と読む)を紹介するものです。 ⭐️ 北武蔵の華麗なる一族、根岸家の中で、 まずフィーチャーされていたのが、11代当主の根岸友山。 1863年に江戸幕府によって組織された浪士組に参加し、 上洛後は、近藤勇や芹沢鴨らとともに京都に残ったことで知られています。 今でも毎年4

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        • 観シュランガイド2024
          38本
        • アートで一言
          1本

        記事

          カール・アンドレ 彫刻と詩、その間

          現在、DIC川村記念美術館で開催されているのは、 “カール・アンドレ 彫刻と詩、その間”という展覧会です。 「ミニマル・アート」を代表するアメリカの作家で、今年1月末に惜しくも88歳で亡くなったカール・アンドレ。 その日本の美術館では初となる大規模個展です。 芸術家として活動を始めた初期こそは、ブランクーシから影響を受け、普通に(?)木彫作品を制作していましたが、 やがて、できるだけ木や鉄といった素材に手を加えない彫刻表現を見出します。 しかも、立方体や直方体など

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          ブランクーシ 本質を象る

          この春、アーティゾン美術館で開催されているのは、“ブランクーシ 本質を象る”。 抽象彫刻の祖ともされるルーマニア出身の彫刻家、 コンスタンティン・ブランクーシの大規模な展覧会です。 アーティゾン美術館が所蔵する《接吻》や、 横浜美術館も所蔵する《空間の鳥》、 そして、本展のキービジュアルの一つで、 豊田市美術館が所蔵する《雄鶏》を筆頭に、 国内の美術館や展覧会などで、 その作品を目にする機会が少なくないため、 ブランクーシの個展はこれまで何度も開催されている

          ブランクーシ 本質を象る

          生誕150年 池上秀畝—高精細画人—

          明治末から昭和戦前にかけて活躍した日本画家、池上秀畝(1874~1944)。 その生誕150年を記念して開催されているのが、練馬区立美術館の“生誕150年 池上秀畝—高精細画人—”です。 きっと大半の方が、池上秀畝という名を聞いて、“あのー、全然知らないんですけど。どんな画家ですか?”、 という問いが脳裏に浮かんだことでしょう。 いい質問ですね。 池上秀畝はズバリ、「旧派」を代表する画家です。 「旧派」があるということは、もちろん「新派」もあるわけで。 本展ではま

          生誕150年 池上秀畝—高精細画人—

          未来のかけら: 科学とデザインの実験室

          現在、21_21 DESIGN SIGHTで開催されているのは、 “未来のかけら: 科学とデザインの実験室”という展覧会です。 本展のディレクターを務めるのは、 先端技術と人の関わりを探求するデザインエンジニアの山中俊治さん。 展覧会では、山中さんがこれまでに手掛けたプロダクトの数々、 例えば、2002年に発表された小型ヒューマノイドロボット「morph3」や、 2020年にグッドデザイン賞を受賞した、 家庭用ロボット掃除機「ルーロ」なども紹介されています。

          未来のかけら: 科学とデザインの実験室

          イヴ・ネッツハマー ささめく葉は空気の言問い

          10年ぶりくらいに、宇都宮美術館に行ってきました。 現在、こちらで開催されているのは、 “イヴ・ネッツハマー ささめく葉は空気の言問い”という展覧会。 スイスを代表する現代アーティスト、 イヴ・ネッツハマー(1970~)の日本初となる大規模個展です。 展覧会は、展示室に入る前、 ガラス張りの廊下からすでに始まっていました。 ガラスに貼られているのは、コンピューターによる線描画。 動物だったり、顔にも見える何かだったり。 どの線描画も、奇妙でどこかユーモラスな

          イヴ・ネッツハマー ささめく葉は空気の言問い

          美術の思っちゃったⅥ

          芸術家や美術品を見て、あるいはニュースを見て、 勝手に思っちゃたこと、想像してしまったことの数々を発表するコーナー。 それが、『美術の思っちゃった』です。 では、早速発表していきましょう! ●ジョアン・ミロを見て思っちゃった もし、ミロが現在も生きていて、 日本のビールのCMに出演することになったら、 「美味しくなったこのビール、飲んでミロ!」と言わされると思う。 ●相田みつをを見て思っちゃった もし、相田みつをが、 「好きな漢字の部首は?」と質問されたら

          美術の思っちゃったⅥ

          ネット世界は美術の答えてほしいシツモンにあふれてる

          アートテラーという職業柄、常に気になっているのが、一般の人たちが美術に対して、「どんな疑問を持っているのか?」、あるいは、「どんなことを知りたいのか?」ということ。 そこで、ときどき覗いているのが、Yahoo!知恵袋。 ここには、いろんな質問と、その回答に溢れています。 もちろん美術に関するものも。 ということで、本日は、実際にYahoo!知恵袋で掲載中の質問の中から、 個人的にどうしても気になってしまったものをまとめてご紹介いたします! ーーーーーーーーーーーー

          ネット世界は美術の答えてほしいシツモンにあふれてる

          北欧の神秘―ノルウェー・スウェーデン・フィンランドの絵画

          現在、SOMPO美術館で開催されているのは、 “北欧の神秘―ノルウェー・スウェーデン・フィンランドの絵画”という展覧会。 北欧3カ国をそれぞれ代表する国立美術館、ノルウェー国立美術館、スウェーデン国立美術館、フィンランド国立アテネウム美術館の3館の全面協力のもと、 北欧3カ国を代表する画家の作品、約70点を紹介するものです。 北欧のデザインやテキスタイル、絵本にスポットを当てた展覧会は、これまでに日本でも幾度となく開催されてきましたが。 実は意外にも、北欧の絵画にス

          北欧の神秘―ノルウェー・スウェーデン・フィンランドの絵画

          春の江戸絵画まつり ほとけの国の美術

          府中市美術館の春の風物詩“春の江戸絵画まつり”。 通算21回目となる今回は、“ほとけの国の美術”と題して、 「仏教」という切り口で、江戸を中心とした日本美術を紹介しています。 仏教がテーマですから、当然、仏画は展示されています。 中でも目玉となるのが、京都の二尊院が所蔵する土佐行広の《二十五菩薩来迎図》。 昨年修理を終えたばかりの室町時代の大作です。 一般的な来迎図は阿弥陀如来を中心に、 それに従う菩薩たちが、にぎやかしのように描かれますが。 二尊院の《二十五

          春の江戸絵画まつり ほとけの国の美術

          ここは未来のアーティストたちが眠る部屋となりえてきたか?

          この春、国立西洋美術館では、1959年に開館して以来、65年の歴史の中で初となる現代アートの展覧会が開催されています。 その名も、“ここは未来のアーティストたちが眠る部屋となりえてきたか?”。 タイトルも長いですが、サブタイトルも同じくらいに長く、“国立西洋美術館65年目の自問現代美術家たちへの問いかけ”とのこと。 おそらく、これまでに日本で開催された中で、もっとも文字数の多い展覧会タイトルなのではないでしょうか。 なお、タイトルほどではないものの、「ここはいかなる記

          ここは未来のアーティストたちが眠る部屋となりえてきたか?

          VOCA展2024

          VOCA展実行委員会に依頼された美術館の学芸員や、ジャーナリスト、研究者らが、これぞという40才以下の作家を推薦し、その作家たちが平面作品の新作を出品し、その優劣を競うガチンコバトル。 それが、VOCA展です。 ちなみに。 村上隆さんや奈良美智さん、蜷川実花さんといった、 日本を代表する現代アーティストたちも、若き日にVOCA展に選出されています、 いうなれば、VOCA展は日本の若手作家の登竜門といった存在です。 なお、出展できる平面作品は、壁面に展示でき、 250

          にほんの洋食器ものがたり 120年のみちのり

          愛知県愛知郡鷹場村大字則武(のりたけ)の地に、1904(明治37)年に創業した高級洋食器ブランド、ノリタケ。 その創立100周年を記念して、2001年に、本社に隣接する工場跡地に作られた複合施設、それがノリタケの森です。 敷地内には、当時を偲ばせる倉庫や煙突、 レストランやカフェ、ライフスタイルショップ、 さらに、ノリタケの森というだけに、 自然豊かなビオトープも有しています。 また、2021年にはノリタケの森とは直接関係ないですが、 隣接する形でイオンモール

          にほんの洋食器ものがたり 120年のみちのり