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キリスト教交流史―宣教師のみた日本、アジア―

現在、日本最大級の本の博物館こと、東洋文庫ミュージアムでは、

“キリスト教交流史―宣教師のみた日本、アジア―”が開催されています。

実は、東洋文庫は設立の時から、キリスト教関係の貴重書を豊富に所蔵しているそうで、

その蔵書数は、国内有数の質と量を誇っているのだとか。
本展では、それらの貴重な本の数々が一挙公開されています。
⭐️

例えば、こちらの『コインブラ版日本イエズス会書簡集』という一冊。

キリスト教が日本に伝来した1549年から、
1566年までの在日イエズス会士の書簡をまとめたものです。

東洋文庫が所蔵するのは、その初版本。世界に3冊しか現存していないという大変貴重なものなのだそうです。


また例えば、こちらの『サクラメンタ提要』という一冊。

1605年に長崎で刷られたもので、

日本初の二色刷りの出版物にして、

日本最古の「洋式五線譜」が掲載されている本なのだそうです。


さらに貴重なのが、こちらの『ドチリーナ・キリシタン』という一冊。

キリスト教の教義を12の項目に分けて、ローマ字表記の日本語で説明した本です。

この本は、天正遣欧使節が帰国時に持ち帰ったという、グーテンベルクの活版印刷機を使って、日本で印刷されたものとのこと。

そうして印刷された書物は、「キリシタン版」と呼ばれています。

ご存知の通り、キリスト教は島原の乱など、厳しい弾圧にあったため、「キリシタン版」はほぼ現存しておらず。

世界にわずか30種ほどしか残っていないそうです。

こちらはそのうちの貴重な1冊で、重要文化財にも指定されています。


と、見た目こそは、地味(?)ですが、歴史的に価値のある本の数々が観られる展覧会です。

個人的に印象に残っているのは、1600年出版の『ザビエルの生涯』。
そこにザビエルの肖像画が掲載されていたのですが・・・・・

教科書でお馴染みのあのザビエルとは、まったくの別人であるくらいに顔が違いました。

そして、そこまで頭頂部は目立ってなかったです。また、あのザビエルとは、ポーズも違います。

謎かけをした後のねづっちみたいなポーズですね。


教科書でお馴染みといえば、こちらの本も展示されていました。

シーボルトによる『NIPPON』です。開かれていたのは、「踏み絵図」のページ。

踏み絵と聞くと、残酷なイメージがありましたが、18世紀にはすっかり形骸化していたようで、正月行事の一つになっていたのだとか。

足つぼマットに乗るくらいの感覚だったのでしょうか。



ちなみに。

いろいろと勉強になる展覧会でしたが、中でも勉強になったのが、修道会によってマントが違うという事実。

イエズス会が黒い長衣をまとっているのに対し、

フランシスコ会はフード付の茶色い長衣をまとっているのだそう。

さらに、3つの結び目のある腰ひもがシンボルとのことです。

フランシスコ会のファッションは、ストリート系。


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