離婚物語2

翌朝、目を覚ました瞬間、昨日の夜の出来事が頭に蘇った。携帯で「離婚」と検索したこと。まるで心がざわざわしているような感覚が残っている。いつも通りの朝、いつも通りのリビング、そしていつも通りの悠斗。しかし、私の中では何かが大きく変わろうとしていた。

リビングに行くと、悠斗は既にテーブルでスマホを見ながら朝食を食べていた。声をかけると、ちらりと私を見ただけで、すぐにまたスマホに視線を戻した。もう、それが彼との「会話」だと割り切れるようになった自分がいることに、虚しさを感じた。

「美奈、起きなさい」と、娘を起こしに部屋に向かう。ベッドでまだぐっすりと眠っている美奈を見ていると、心が少しだけ穏やかになる。彼女の寝顔は、私がこの家で唯一感じる安らぎの瞬間だ。どんなに辛くても、この子がいるから私は頑張ってこれた。でも、娘のためにこの結婚生活を続けることが、果たして本当に正しいのだろうか?

離婚の二文字が、また頭の中に浮かぶ。

支度を終え、いつものように娘を保育園に送り出すため、家を出た。道すがら、美奈が手を引いてくれる。その小さな手が私の指にしっかりと絡みつき、彼女の存在が私を強く支えてくれているように感じた。

「ママ、今日はお迎え何時?」と美奈が無邪気に聞いてくる。

「いつも通りよ」と答えながら、胸の奥がちくりと痛む。この子にとっての「いつも通り」が、私にはどれほど重くのしかかっているのか。そんなこと、彼女には分からないだろう。それが辛いけれど、同時に救いでもある。

保育園に着くと、美奈は友達を見つけてすぐに笑顔で駆け寄っていった。その姿を見送る私の心には、またあの問いが浮かぶ。

「本当に、このままでいいの?」

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