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【北海道開拓の思い出】#27 朝鮮の親友とのお別れ

朝鮮の人は丸二年は鉱山にいた。それ以上かもしれない。お正月にはすてきな朝鮮の衣装を着ていて、うらやましかった。耳にはイヤリング、手には3本の指輪をして、私等には見たこともない物で飾っていた。女の人はとにかくおしゃれに手を飾っていた。

妹の恵美ちゃんと仲良しだった植田光ちゃんは恵美ちゃんと同級生でいつも一緒に遊んでいた。お利口な頭の良い子で、お互いの家を行ったり来たりしていた。恵美ちゃんは光ちゃんの家へ泊りに行ったことが何回もあった。光ちゃんのお母さんは日本語は話せなく、おとなしい人だった。お父さんは朝鮮では警察だった人で、敗戦後の朝鮮の方々への指導や話し合いも、光ちゃんのお父さんが居たから大変良かったと父が云っていた。岩美の小頭の二人はどこへ隠されたのか、あれから全然見かけなかった。

敗戦になってから朝鮮の方々はたちまち朝鮮に引き揚げた。恵美ちゃんの親友の光ちゃんは朝鮮に帰らないで、恵美ちゃんの家にいると云って親を困らせたと後で聞いた。光ちゃんは大きくなったら必ず恵美ちゃんの日本に帰って来るからねと云って、日本では見たこともないリリヤーンや色んなものを恵美ちゃんに下さり、必ず戻ってくると約束して朝鮮へ行った。私は二学期が始まったばかりで、朝鮮の家族が帰るときは見送れなかった。

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