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【北海道開拓の思い出】#15 内地の家

学校のグランドの隅にはいちょうの大木があり、毎朝銀杏がびっしり落ちているのに誰も拾いもしなかった。私が拾っていると巳之助叔父さんから花畑の隅のほうへ積んでおくように言われて、それを毎朝バケツで運んでいた。

巳之助叔父さんは学校の前でお店屋さんだったので、いろんなものを貰った。2階に上がると畳の部屋の隅のほうに小さい畳が入っている。その時は何で小さい畳があるのかと思っていたが、叔母さんがお茶を教えていたと後にわかった。叔母さんはいつも品の良い着物を着ていた。内地の家には衝立てと云うものがあった。玄関を入ると本家にも店の叔父さんの家もあった。別家の巳之助叔父さんの所には虎の彫り物をした衝立てがあって、玄関に入ったら飛び掛かってきそうなので恐ろしかった。

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