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随想帳

500ノート記念

このノートは追記型の随想帳です。

【更新:2016.09.03】

 500ノートを節目として投稿のリズムを変えました。

 毎日投稿していた随想を随時投稿とし、作品に集中出来る時間を確保するためです。
 お陰さまで漫画の設定など自由な発想を必要とする場面で途切れることなく想像を広げられるようになっています。作品を投稿する前に踏みとどまってさらに検討出来るようにもなりました。何度でも読み返していただけるような作品を制作したいと考えています。
 今後ともよろしくお願いいたします。

もくじ |  随想 

【ご注意】

 罫線に画像を使用しているため、有料エリアの画像数に罫線画像がカウントされています。現在、有料エリアでは罫線以外の画像は使用していません。ご了承ください。

【コトバコ】

 玩具箱みたいな言葉の箱

◇ 取捨択一
 ひとつ選んで99を捨てていることに気がつかないことがある。
 むしろ、そういうことの連続かもしれない。

◇ ラクガキ
 ラクガキした数が自信に繋がるかも。

◇ 何を描くのか
 描く対象はモノや人なのか。あるいは空間か。

◇ 存在
 無限の彼方に広がる宇宙にとってボクはちっぽけで儚い存在だとしても、そのちっぽけで儚い存在のボクにとって、広大な宇宙が必要不可欠であると言う不思議。

◇ 経験
 必要なのは経験のエッセンス。

◇ 描く
 力まないと言うことが、簡単なようでいて難しい。

◇ 主人公
 ダークサイドヒーローが負ける漫画ってあるのかな。
 かっこ良く負けるヒーローのお話。

《歯車》

 現在乗っている自転車は6段変速。ちょっと足を延ばすと東西には山があるので坂道はかなり大変になるものの、南北には平坦な道が多く地元を走るには大きな不自由を感じません。この自転車に乗るようになってかれこれ4年になろうとしています。何度もパンクしましたし、手入れが悪いために錆も目立ち始めています。
 時折、新しい自転車が欲しくなることがあります。ドロップハンドルで出来れば21段くらいのギアが欲しいいです。色は白がいいなぁ…。

 2年程前になるでしょうか。ホームセンターで白いドロップハンドルの自転車を見かけていました。14段変速だったでしょうか。たしか4万円弱だったと思います。ボクはホームセンターに行く度にその自転車を眺めていました。
 そんなある日、リサイクルショップで同じ型の自転車を見かけたのです。店頭に値札もつけずに置いてあったので売り物なのかと若い店主に尋ねた所、そうだと言います。正確な価格を忘れてしまいましたが、リサイクルと言うこともあり破格値でした。その上で端数を値引きしてもらいました。その日は自転車だったので後日改めて電車で出かけて購入することができました。その日のうちに防犯登録。それにしてもこんなに状態の良い自転車をどうして手放したんだろうと思う程きれいな自転車でした。憧れのドロップハンドル。白くスタイリッシュなデザイン。タイヤが細いためかパンクすることが多いもののタイヤがワンタッチで着脱出来るのでパンク修理すら楽しみになっていたのです。
 それまで乗っていた自転車を処分しようか迷いつつ数ヶ月間あちこち乗り回して汚れも目立ち始めた頃、仕事から帰宅したボクをアパートの暗い自転車置き場で待ち構えていたのは近所のお巡りさんでした。
「その自転車、どうしたの?」
 このシチュエーションで思い当たったのは「盗難自転車」でした。
「リサイクルシュップで買いましたけど…。」
 幸い、購入の際のレシートもとってありました。近所の交番へ行って事情を説明し、自転車は警察預かりと言うことになりました。事態は理解したものの、それまで気分良く乗り回していたことや、結構汚れてしまったこと、愛着も持ち始めていたこともあってとても複雑な気持ちになりました。思えば、パンクが多かったことも自転車が何か訴えていたかのように思えてしまいます。ボクが悪いわけではないものの、元の持ち主が気の毒に思いましたし、そんな自転車を売っていたリサイクルショップに腹も立ちました。しかし、どれもこれもボクの胸の内に収めるしかありません。
 後日、犯人は見つかり、弁護士を名乗る方から連絡がありました。どうやら常習犯だったらしく、両親が迷惑をかけた方々に対して迷惑料を支払うとか。ご両親も気の毒です。釈然としない気持ちは残るものの仕方がありません。ボクも承服することになり、処分を検討していた自転車にまた乗ることになりました。

 それから2年経とうとしています。今でもやっぱり新しい自転車が欲しくなることがあります。性懲りもなくドロップハンドルの白い自転車。出来れば21段変速…。

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