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保育園の保護者面談

今日の夕方は、保育園の保護者面談でした。年長組の担当の先生は、息子がこの保育園に入った3歳のころから担当してくれる20代半ばの方です。

目の前に座った先生は、軽く息が切れていました。目には疲労の色が滲み出ていました。僕はゆっくりと静かに先生を見つめながら、若いのに、こんなに疲れて大変だな・・と、同情とは違う、何かしみじみとした思いを持ちました。

面談の最後で、先日息子が持って帰ってきた絵について話しました。それは「やさいのせいちょうきろく」という名の、観察スケッチでした。息子は基本的にポケモンしか描きません。まぁ、やらされてるのは見え見え、そんな真面目な絵が新鮮で、妻と「こういうのもいいもんだね」と笑いました。

「あの絵は良かったですねぇ。いつもの絵画担当の先生が教えたのですか?」と質問すると、担任の先生は少し顔を赤らめて「私が教えたんです」と答えました。
僕が「いや、よく書けていた。よく観察した絵でした」と言うと、先生は「最初はできないーと言ってましたが、(きゅうりの葉っぱとヘチマは違うでしょ)とか、促したんです。すると、なるほど!と言って集中して書きました」と答えてくれました。

僕は感動しました。画家という仕事がら、それはとても大切なことだと思ったのです。
「先生、ありがとうございます。息子も珍しく、ドヤ顔で見せてくれたんです。うちにも家庭菜園があるので、今度一緒に書いてみたいです」と伝えると、先生は「僕のうちにも野菜の葉っぱがあるんだよ、と教えてくれました」と言いました。
先生の目には輝きが戻っていました。

クラスに戻り、先生はパパのお迎えを息子に伝えました。息子はおもちゃ作りの途中で、納得がいかず不満げでした。これは泣くかな?というくらいに。
でも先生は、優しく説得していました。息子はしぶしぶ片付けて、パパの帽子を取り上げて、遠くへ逃げていきました。僕は先生に深くお礼を伝えて、息子を追いかけました。

僕は、何が大きなものを垣間見たような気がしました。今まで思いが雪解けのように溶けていき、目の前には、ただ純粋な子供たちのエネルギーが満ち溢れていました。

いろんなことがあります。それでも、信じること。どんなことにも、必ず輝きがある。それは、人に見出すことも出来れば、自分自身に見出すこともできる。
深く、学んだ1日でした。

おしまい。

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