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霧(詩画集)


霧の中
愛犬との散歩道
 
 
ぼんやりと
光る霧
幻想的
というより
怪しさすら感じる
乳白色
 
 
一番新しい
霧の記憶
クロアチアの早朝
宿から出て
霜の芝生を歩いた
シャカシャカと
小気味良く
潰れる音
どこかで
朝食の香り
深い霧で
先は見えずとも
確かに感じた
温もり
 
 
一番古い
霧の記憶
父と
石を探しにいった
河原
庭園を支える
石の正面というものを
はじめて知った
あたりは霧
孤独
急に眠たくなって
川の水の代わりに
霧をすくって
顔を
洗った
 
 

散歩道
やがて日が差して
跡形もなく
霧は
消えた

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