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山と瞑想の日々 ー御岳山ー

全国に御岳山みたけさん (御嶽山)という名のつく山はたくさんあるが、ここでの話は東京都青梅市にある御岳山。ちなみに、長野県で噴火を起こした御嶽山は「おんたけさん」という読み方で、旧字体。

東京都の御岳山は、山頂に武蔵御嶽神社むさしみたけじんじゃ があり、古来より信仰の山とされていて、修験道の山。

神代ケヤキ。樹齢1000年とのこと。

修験の山、つまり、修験道者なる神仏習合(神社と仏教の合わさった思想)の信仰心を持ち、俗世を離れ修行する猛者たちが山行をする場であり、日本全国にある。

僕が以前住んでいて、お世話になった八ヶ岳の連峰も、言わずと知れた修験の山だし、このシリーズで書いてきた、修験道の聖地である大峰山はもちろん、甲斐駒ヶ岳戸隠山なども有名どころだ。

今では観光地となって、さくっと車やローブウェイで行ける蔵王や徳島の剣山のような場所もあるが、実際に足を使って岩場を登っていくような山も多い。

このまだシリーズには書いてないが、僕が行った場所だと、山梨県と埼玉県の県境の金峰山、愛媛の石鎚山、山形の月山(出羽三山)なども有名であり、その内文章に書いてみたいと思っている。

御岳山は関東では比較的気軽に行けるハイキングコースがあり、最近も二週連続で行ったのだが、平日でもそこそこ人はいる。

こちらは探求クラブメンバーと。
オオカミを祀る、珍しい神社です。オオカミ顔してみました。

ケーブルカーを使えます。降りてからそこそこ急な坂道と階段を登ると、御岳山の山頂の神社があります。30分くらいで着くので、神社参拝のために来る方も多いです。

しかし、見どころはここから!

綾広の滝。

滝があり、大きな木や、ロックガーデンと呼ばれる岩場を眺め、川沿いを歩いたりできる。ハイキングコースとしては最高です。

山というと「登山」のイメージがあるけど、御岳山のハイキングは「山歩き」できる。もちろん、アップダウンはあるけど、登りっぱなし、降りっぱなしの登山とは違う。

天狗の腰掛け杉

メンバーとは、アップダウンのあるコースを歩いたけど、先日は一人で登山。

奥の院峰へ向かう道。写真では伝わらないが、けっこう急勾配だ。
奥の院峰、1077M

奥の院のある峰まで行って来た。登りごたえもあり、かなり楽しめた。

岩がゴロゴロとあります。

奥の院峰から、降りてロックガーデン方面へ行き、昼食。

山で食べるおにぎりほど、美味しい馳走はない。糠漬けは自家製です。妻が毎日糠床を混ぜています。

のんびり歩きました。

あの尖った岩の上には…
天狗がおります。天狗岩。
長尾平からの景色

僕は今でこそこうやって山にしょっちゅう行くし、八ヶ岳山麓に住んでいた頃は、八ヶ岳や南アルプスの3000m級の山々に登っていた。

しかし、僕は元々「海の街」出身で、山なんてまるで興味なかった。

それがすっかり登山を始めたのはこちらにも書いたけど、

その前に、「山が好きになった」というきっかけはある。それがこの「御岳山」なのだ。

妻と、まだ結婚前で、出会ったばかりの頃だったと思う。27歳とか、それくらいかな。

練馬区に住んでいて、彼女の車で青梅や奥多摩に足を伸ばし、温泉に入ったり、河原でピクニックしたりしてたが、ある時、この御岳山に来たのだ。

当時は今ほど人はいなかった。いつからか「パワースポット」扱いされて人が増えたが、武蔵御嶽神社から、滝を見て、ぐるっと一周するコースを歩いたけど、すれ違った人はほんの数人だった。

僕にとって、初めの深い森だった。人工的なものが何一つない、道路からもかなり離れ、携帯の電波も届かない山の中。木々と土と剥き出しの岩。空も見えないほど覆い尽くす枝葉で、森の中は薄暗く、でも隙間から覗かせる僅かな光は、むしろ存在感があり、優しかった。

夏だった。でも森の中はひんやりとして、湿り気を帯びた空気は都内の不快な湿度と違い、むしろ僕の肌を優しく包み込み、心地よかった。

そして、静かだった。静寂だった。だけど、「気配」があった。

ここからはおとぎ話とか、そんな不思議な話としてざっくり聞き流してね。

僕が初めて「妖精」とか「精霊」という存在を知ったのは御岳山だった。山には確かに、我々人間や、動く動物や虫とは違う、かと言って植物でもない、目には見えない生き物たちがたくさんいて、僕はそれをはっきりと感じた。

(木霊…)

ジブリ映画の「もののけ姫」に出てくる「木霊」という森の精霊が、一番近いニュアンスだったけど、それだけじゃなく、色んな存在たちがいて、ある者はこちらの様子を伺い、ある者は僕らの動向に無頓着で、ある者はただ森の奥に鎮座していた。

こんな豊かな世界が、東京都の中にあることに驚かされた。そう、それはとても「豊か」だったのだ。

勘違いしてほしくないのだけれど、その存在たちが僕に何かしてくれたとか、ご利益あったとか、奇跡が起きたとか、そういうことは一切ない。ただ、そこにいる。それが、豊かさだったのだ。

もちろん、それは僕の主観だし、あなたが同じようにそれを見かけたり、感じるかはわからない。あくまでも、僕が出会い、感じものを記しているだけだということは忘れずに。

その5、6年後、子供が産まれ、その息子が4歳の頃だったが、再び御岳山へ行った。今度は家族が一人増えて。

まあ、今思うとまだ4歳だった息子をよく歩かせたなと思うし、息子もよく歩いたなと感心するが、とにかく息子はほいほいと、軽快に歩いてたし、家族でとても楽しかった思い出だ。

しかし、そのあたりから「パワースポット」なる言葉が流行り出して、御岳山は人気スポットとなっていて、たくさんの人がいた。

精霊たちの気配は、人の気配と反比例するように、ほとんど感じられなかった。

この前行った時、霧と、しとしと雨が降ったり止んだりの日は、もちろん人が全然いなくて(神社にはいたけど、山歩きしている人はほとんどいなかった)、森には不思議な気配が満ちていた。

しかし、翌週に一人で御岳山に行った際は、天気も良かったせいか、人がけっこういて、森の中に気配は弱かった。

どうやら木霊たちは、人がたくさんくると隠れてしまうのだ。

でも、いなくなったわけではない。きっとハイキングコースから外れた場所にいるのだろう。

森や山は、本来彼らの居場所。だから我々は「入らせてもらう」「歩かせてもらう」という意識で臨むべきだと思う。そういう姿勢こそが、彼らと近づく礼儀でもあるし、大自然相手に不遜な態度を取り、まして自然を蔑ろにすることは、我々は自分の住む家を汚し、壊しているのに等しい。

自然と共に。地球と共に。そうありたいですね。

東京都心から、1時間半くらいで(乗り継ぎよければ)行ける青梅市の御岳山。都内近郊の方にはおすすめであり、登るのではなく、黙々と自然の景観の中を歩くのにはもってこいの場所です。

神社の麓にはお店もたくさんあるので、休憩にも事欠きません。宿坊もあり、来月は探求クラブメンバーと、御岳山で合宿もします。

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さて、昨日は都内で「響き、音色」のアコースティックLIVEでした。

今回は完全に「ソロイベント」で、いつもながらにゆる〜くやって、力抜いて、おしゃべりしたり、みんなで声を出したり、歌ったりしながら、楽しい時間になりました。

みんなで「母音」を唱える、倍音ワーク。

次は大阪です。

ぜひ、会いにきてね。

LIVE後に、探求クラブのオフ会。盛り上がりました。みんな最初は緊張してたけど、段々と打ち解け合い、新しい仲間も定期的に増えながら、メンバー同士でも色々と交流があるようです。 ・ 「仲間」 「つながり」 「交流」 これ、我々が自分を生き、幻...

Posted by 大島 ケンスケ on Monday, June 26, 2023


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