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クリエーター(トレーダー)様と遊ぶ企画 わらしべ長者・序章 “旅立ち”

私は途方に暮れていた。

住んでいたアパートが突然火事になってしまい、住む場所を失ってしまったのだ。煌々と燃えるアパートを見て大家さんはパニックになっていたところを私は危ないからと落ち着かせ、制止した、あの大家さんがあんなになるなんて…ここの大家さんは気さくな人で貧乏な私に気を配ってくれて差し入れとかをしてくれたりとても親切で私自身大好きなお婆ちゃん…って感じだ。そもそもは火事があった前日の夜、不思議な夢をみた。その人は初老の男性で江戸時代にいる商人って感じの人だ。

『儂は萬屋金兵衛、お主の31代前の祖先になるわけじゃな。ハッキリ言うが、お主は早急にここを出なければならん。ここに住み続けているときっと不幸になるからじゃな。』

金兵衛と名乗るお爺ちゃんは数本の藁を私に渡した。  

『その藁はじゃな、儂の土地で取れた稲で疫病や飢饉とかから儂達を守ってくれた神聖なもので貴重な稲じゃ。お主はこれを持って旅先であった特別な人や必要としている人と“交換”して交換した物を別の物と交換…と、今の世の中だと“とれーだー”といわれる人物達との出会いがお主を幸せに導く訳じゃ。我ら一族はそうやって最高の幸福を手にしてきたのじゃから…』

翌朝、私は飛び起きると枕元に風呂敷に包まれた藁の束を見つけた。ご先祖様の言っていた通り、旅支度を始めた矢先の火事…ここに居てはきっと不幸になる、そして迷惑がかかる…と考え、大家さんにアパートの退去を申し出た。大家さんはびっくりしていたが提案を受け入れた。
ただ私には持ち合わせが少なく、スマホとバック、最小限の荷物を持って行く宛のない旅に出ることにした。

藁を持ち、まずは駅に向かった…。
目指すは安息の地、“家”!どんな出会いがあるんだろう…不安でいっぱいだ。


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