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Vol.29【オリソン〜ロンセスバージェス】スペイン巡礼おばさん奮闘記

13/06/2023


25kmのピレネー越えの後半


昨日8km稼いだので、残り17kmのカミーノです。実を言うと、昨日オリソンに着いた時はちょっと歩き足りないと感じていました。他の人たちのように頑張って1日で25km歩き通していたらどうなったかな〜と思いましたが、今回のおばさんカミーノは決して無理はしない、体調を崩す事なくスペイン巡礼を最後までやり遂げる、を目標に掲げていますので少し物足りないくらいで抑えていた方が丁度いいかと思います。

しかし、

荷物配送サービスを利用しなかったのをとても後悔

していて、オリソンに着いてから2軒ほどサービス会社に連絡をしてみました。

オリソンの宿の壁に貼ってありました。

オリソンの宿のお姉さんから、「ここに連絡したらいい」と言われ、まずは€5と書いてある(どうしても安い方にそそられます)上の方のホームページを検索して荷物を配送してもらいたい旨のメールを送りました。
すぐに返信があったので安心していたら全てフランス語の文面です。翻訳アプリや同室のアメリカ人の女性グレースに読んでもらいましたが、彼女達もフランス語はわからないとのこと。
受付のお姉さんは英語があまり得意ではないようなのですが、文面を見せてみました。すると、「電話してって書いてあるね。英語はわからないらしい。」
文章さえ読めないのに電話なんてとんでもない。代わりにお姉さんに電話して欲しいとたのんだのですが、「下の方の会社はネットで予約、支払いまでできるからそちらに自分で連絡を取るべきだ」と。

そうですね、甘えてばかりでは埒があかない。ひとまず、€5の会社にはキャンセルのメールを送り、再度€8の方にネット連絡し直しました。

しかし、こちらからはすぐには返信がありません。メールアドレスがdocomoからだったので、Gmailの方が良かったかと、再度メールしたら、すぐに返信がありました。でも「先ほどのメールも受け取ってます。ただいま調整中です。48時間以内に連絡します。」とのそっけない文面。

「48時間も待てません!明日の朝にはオリソンを出発するんです!」

と心の中で文句を言ったり、グレース達と嘆きあったりしました。
一縷の望みを持ってメール回答を待っていたのですが・・・

仕方なく、これからの17kmの山越えも重いザックを背負っての行動開始となりました。

オリソンのテラスから見た朝焼け。写真よりも実際はもっと綺麗でした。
相変わらずのセルフサービス朝ご飯。個人個人の椅子の前にはお皿と大きなボールが重ねてあるだけ。テーブルの真ん中に無造作にフランスパンが切られて置いてあります。それとバターやジャム。あとはオレンジジュースをとりたい人はついで、コーヒーにもミルクを入れたければ入れる、準備する方は簡単でいいですね。
出発前に昨晩お世話になったリフュージュオリソンを記憶に留めます。
出発後すぐに動物達がたくさん現れて嬉しくて写メ撮りまくりです。
ここはorisson 標高900m地点。
日本の山で見かける三角点でしょうか?
いきなりどアップの黒鹿毛(?)のお馬さん。サラブレッドと違って四肢が太くて全体がどっしりしていて体力ありそうです。
道を塞ぐようにたくのお馬さんが行き来しています。
向こうの丘には羊さんの群れでしょうか?ひと塊り100頭はいそうです。
お母さんの所に駆けていく仔馬が可愛い。
芦毛さんと記念撮影。

アプリの地図では16km4時間40分になっていますが、これは最後のDANGERコースを真っ直ぐ進むルートが表示されているからです。サンジャンの巡礼事務所のおじさまから、「こっちのコースはとても危険なんで、右の方に行くんだよ。」と伝えられたのを覚えておかなくては。

草原の途中でカミーノのマークを見つけるとテンションが上がります。
ここで標高1095m、あと300mは登りが続きます。
岩の上に佇む聖母マリア像。曇ってなければもう少し光り輝いていたでしょうね。巡礼者を暖かく見守ってくださってる姿に力をいただきます。
道端には可愛らしい小花がたくさん。
推しの子の写真と一緒にピレネー越え頑張ります。
標高1135m
景色を見ながら小休憩。絶景や放牧されている動物達を眺めながらのカミーノは、昨日のオリソンまでの急登とは違って重い荷物を背負っててもそんなにキツく感じませんが、やはり1時間以上も歩くと腰を下ろしたくなります。
そんな巡礼者の気持ちを知ってか、こんな山の上に休憩所がありました。
一本50セントのバナナの美味しかった事。

 驚く事に、こんな山の上の移動バル(?)でも、巡礼手帳にスタンプを押してもらえました。バナナ一本で気力も活力も倍増してきます。恐るべしバナナパワー🍌

ほとんどの人がここでバナナをいただいていました。このバナナが新鮮で、味も濃く感じました。ほんと美味しかったです。
休憩して元気も出たのでさあ、また出発です。最後の峠越えに向かう入り口に建つ石造りの十字架。
この矢印の左側にも道が続いていますが、そちらを進むと「またサンジャンピエドポーに戻ってしまうよ」との巡礼事務所のおじさまの説明を思い出します。左に行くと今までの苦労が元の木阿弥になるので、間違えないように右側の道を進みます。
歩いている人がいると比較的迷子にならずにすみます。また、山の中にも道標がたくさんありました。
カラフルなシールの貼られた道標
標高1275m
サンティアゴ・デ・コンポステーラまで765kmを示す石碑
国境である事を示す石碑
右手から奥に向かって鉄条網の張られた柵が延びています。これがフランス🇫🇷とスペイン🇪🇸の国境らしいです。

島国の日本に住んでいたら、海の中に見えない国境があって、「陸地が日本なんだ」とわかりやすいですが、ヨーロッパなど国と国が陸続きになっていると、どこまでがフランスでどこからスペインなのかなんて分かりづらいですね。日本で県境を越えるように、ヨーロッパ2国をピョンと跨いで次の国に歩いて来れるのがなんだか不思議な気持ちになりました。

カミーノをしていると、いろんな国籍、肌の色、多様な言語など関係なく、みんな同じように食べて、寝て、ただ歩いている。国と国の領土の取り合いが馬鹿げていると思えてなりません。

世界はひとつ、人類みな兄弟❣️



この辺りは足元も水分を多く含んでいて落ちた枯れ葉と黒い土を混ぜ込みながら歩いている感覚です。靴が汚れるのを気にしなければ膝に負担がかからない山道です。
昨日の雨で黒いナメクジ(?)も活発に活動していました。10cm超えの大きさに最初はびっくりしましたが、たくさん見かけて慣れてきます。
少し雨が降ってきたので雨具を着込んだり、ちょっと腹ごなしをしたりしているうちに、たくさんの人に追い越されていきました。でも、マイペース、マイペース。森を抜けると雨も上がって気持ちのいい景色が現れました。
ちょっと歩いて行った先に、避難小屋でしょうか?ポツンと建つのこ小屋が何かあった時に駆け込める安心を与えてくれます。日本の山の避難小屋と違って煉瓦作りで可愛らしいです。
オリソンの宿で作ってもらったサンドウィッチの続きを、気持ちの良い草原に腰を下ろしていただきます。
遠く向こうの丘からどんどんこちらに向かってお馬さんたちが移動しておりてきます。
草を喰む馬たちにピクニックランチを早々に切り上げさせられました。
柵の向こうはフランス
標高1420mのレポエデール峠

まだまだ続きます。

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