不当要求とは
不当要求対策の勉強会に参加することがあったので、その時に考えたことを書き留めます。
不当要求の例
不当要求とは、読んで字のごとく、不当な要求のことです。
例えば、
1一方的に物品とその請求書を送りつけて代金の支払いを迫る
2脅迫的言動を用いて契約を締結するように求める
3執拗に事実無根のクレームを入れる
4法外な損害賠償金を請求する
などの行為です。
近時ではカスタマーハラスメント、略してカスハラという言葉もかなり広まっていますが、金品要求に及ぶようなカスハラも不当要求の一種ですね。
「要求」とは
これらのようなケースで不当要求行為者が求めているものは、お金の支払いということになるでしょう。ですので、「不当要求」という言葉のうち「要求」は、経済的利益の要求であると理解してよいと思います。
土下座を求めるなど、直接的にはお金の支払いを請求していない場合でも、究極的にはお金を目的にしていることが多いと思われます。
「不当」とは
では、「不当」というのはどういう意味でしょうか。
不当性は、大きく手段の不当性と目的の不当性に分けられると思います。
目的の不当性
まず、目的が不当な行為というのは、大まかにいえば義務のないことを行わせようとする行為であるといえます。
例えば上記の例では、3や4のケースは、法的に損害賠償義務がない(あるいは法的な義務を超えている)のに損害賠償を支払わせようとしている点で、目的が不当であるといえます。
手段の不当性
他方、1や2のケースでは、物を購入するよう持ち掛けたり、自分と契約するよう提案したりしている、という意味では、特に問題のない行為であるといえます。ここまでは、一般的な営業活動でも行われていることでしょう。
ところが、購入を承諾していない物を送りつけたり(ケース1)、脅迫的な言動を用いたり(ケース2)と、その手段が明らかに不当であるといえます。
このように、目的自体は必ずしも不当とまでは言えなくても、手段が不当であるという行為も、不当要求になります。
目的の不当性よりも手段の不当性に着目すべし
もっと言えば、ケース3、4のような場合でも、例えば顧客からクレームを受けた会社が、損害賠償義務がないことを前提に「解決金」などの名目でお金を支払うことが考えられます。
会社が真摯に合意していれば、このような解決も当然有効です。
そうすると、相手に法的義務がないことを求めることが、直ちに不当とまでは言えないケースが多いかもしれませんね。
したがって個人的には、不当要求行為は多くの場合、目的の不当性よりも、手段の不当性に着目したほうが、対処しやすいように思います。
どこからが「不当」?
では不当な要求と正当な要求の線引きはどのように行うべきでしょうか。
改めて、「不当要求」という言葉がどのような意味で用いられているか見てみましょう。
結局「常識的に考えてそこまでするのはダメなんじゃないの」という行為が不当要求行為であるといえます。身もふたもないですが、ケースバイケースですね。
じゃあどう対策したらいいんだ、という話はまた別の記事で。
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