「聖ミカエルと竜」で連想した日本のあの人

こんにちは!本日取り上げる絵は14世紀にイタリアで制作された『聖ミカエルと竜』という以下の宗教画です。

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本日は前半にこの絵画の主人公である「聖ミカエルについて」、後半に「僕なりのこの絵の見方」を書いて行きたいと思います。


1.聖ミカエルとは?

皆さんは、聖または大天使ミカエルをご存知でしょうか。聞いたことがない方も、この聖人が祭られている教会を一度は耳にしたことがあるのではないかと思います。


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僕も去年行ってきました。フランスのモン=サン=ミシェルです。(ミシェル=ミカエルのフランス語読み)



肝心の大天使ミカエルについての説明ですが、モン=サン=ミシェルでもらったパンフレットには、以下の様に書かれていました。

天使の軍団長である聖ミッシェルは、中世の宗教感覚において非常に重要な位置を占めています。聖ミッシェルは新約聖書の中でヨハネの黙示録に登場し、竜[西洋では悪魔の象徴]と戦い、それを打ち倒します。


大天使ミカエルは三大天使の内の一人で、剣や天秤、盾などと一緒に描かれています。竜を天使っぽい人が倒している絵があれば、まぁ大天使ミカエルかな?と予測することができます。(同じ様に竜と戦う他の聖人もいる様ですが)


ちなみに三大天使と聞いてパッと他の天使を思いつくでしょうか?


一人は受胎告知に登場する『大天使ガブリエル』です。この天使の役目は神の御告げを伝える役割を持っています。つまり、この受胎告知のシーンはまさに大事なお仕事中というわけですね。

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二人目は『大天使ラファエル』。この天使は傷ついた人間を治癒したり、旅人を見守る役割を背負っています。僕は今まで大天使ラファエルの絵を見たことがない気がするのですが、上の大天使に比べるとやはり絵画での登場は少ないのだと思います。

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上の大天使たちと共に大天使ミカエルは、悪者を倒す天使として神に仕えています。



2.僕なりのこの絵の見方 〜日本版大天使ミカエル?〜


そんな大天使ミカエルですが、僕は大天使ミカエルを知った時に真っ先に連想した日本の人物がいます。



↓この人

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桃から生まれた桃太郎です。フルーツから生まれた聖人はいないと思いますが、なんとなく川辺で見つかった聖人は西洋にもいた様な気がします。


西洋と東洋それぞれの悪の象徴である「竜」と「鬼」を倒すために戦ったエピソードで有名という点でこの二人は共通しています。しかもどちらの悪役も明確に何か悪い事をしたわけでもない。ただ主人公の強さを引き立てるためだけに犠牲になってくれたモンスターたち。


そう考えると。。。。



もう少し竜を強そうに書いても良かったのでは。。。。じゃないとそんなに強くもなさそうな竜を容赦なく殺す無慈悲な権力者の様に僕の目には写ります。。。もう瀕死なのにそこまでしなくても。。。

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といった風に感想を書いてみました。


これは僕の見方です。僕は動物が好きなので、竜目線の感情が湧くのかもしれません。もしかするとヒーローものに憧れていた人は、聖ミカエルの格好良さに目がいくのかもしれません。


感想は人それぞれです。こういった様に、絵を見て素直に思ったことをシェアしていくと、人との違いが分かり、新しい美術館の楽しみが発見できるかもしれません。


ぜひ生でご覧になってください!


文:Yamma Hiroki