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わたしの美術鑑賞の原体験、のようなもの

こんにちは、学(まなぶ)です。

今年もさまざまな展覧会に足を運びました。
art geek homeの活動でギャラリーデビューもできて、
自分の活動範囲も広がり嬉しい限りです。

最近は美術鑑賞が近い生活を送っていますが、
以前は美術鑑賞をあまり楽しめていませんでした。

話は遡って、私が大学生の時の話。

多摩美術大学の絵画学科に通っていた私は、よく「美術ってなんだろ?」「なんで人は作品を作るんだろ?」と考えていました。

答えのヒントが無いかと、とにかく美術館に足を運んで作品を鑑賞しました。
しかし、頭を使わず見ただけで何かわかるわけもなく…。

時間を見つけては美術館に通っていたら、
だんだんと美術鑑賞が嫌になっていきました。
そのときは油画の画面をみただけで気持ち悪くなるほど。

その日もとある展覧会に足を運んでいました。
(2009年に東京都美術館で開催された『日本の美術館 名品展』だったはず…。これは当時のチケットです。)

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作品の多さに戸惑いながら鑑賞していると、
人がごった返す中、とある作品の前で親子の会話が聞こえてきました。

鑑賞している絵画について、お母さんが子ども(5歳くらいの子)に質問を投げかけていました。

お母さんが画中の人物を指差して、「この人はどこに行くと思う?」と聞くと、子どもは「海の中!!」と元気よく答えました。
親子がみている絵は、並木道を歩く人物がいる風景画だったのですが。

画中に海らしきものが無いのに、「海の中」という思いもよらぬ答えが返ってきたため、お母さん含め、周りの人々も思わず笑顔になっていました。
もちろんバカにして笑ったのではなく、とても意外で自由だったからだと思います。

その様子をみて、小難しいことを考えながら鑑賞している自分がもったいなくなりました。

それ以来、作品鑑賞するときは考えすぎず、感性でみるようになりました。
自分で高くしていた美術鑑賞の敷居を壊してくれた、良き体験です。

それにしても、子どもの答えもさることながら、お母さんの質問も巧みでした。
子どもに対して無理強いせず、さり気なく作品について質問して作品鑑賞をさせているあたり、何かのプロなのではと思います…!(実際、子どもも楽しそうに話していました)

この話、とっても惜しいのは、親子がみていた作品の名前を忘れてしまったことです。web上だと、過去の出品目録は既に消されてるので、当時の展覧会の図録本を探すしかありません。

もし作品名が判明したら、報告しようと思います。

以上!

文:学(まなぶ)