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気になって仕方がない。

物心ついた頃から
色の組み合わせと、ものの配置というのが気になって気になってしようがなくて、

大人になってそれはどうなったかというと、
思わず二度見したり振り返ったり、あいかわらずそれはそのまま。

今もそれが気になって気になってしようがない。

目を凝らしたり。瞼を閉じて観察したり。
ハッ とする瞬間がある。

街の一角、寄せ集めで出来上がった空間に浮き出る完璧に思える色の組み合わせ。

カフェ。からみあった足の隙間から見える床のタイルの模様。

向かいに座っている女性の灰色と緑が混ざり合った目の色とうなじ。

枯れすすんでいる花が空間に滲んでいくその様。

食されて取り残されてしまった皿の中のソースの残骸。

文字が紡ぐ音、かたち。計算されつくされた並び、浮かび上がるもの。

部屋で寝転がって天井を見る。外の雨が地面に触れる音が聞こえる。
その時の部屋の薄暗さ。雨の音が落ちる完璧な位置。

時と点が重なりあった色、音と匂いが混じり合った配置。

そういうところに宿る何かが
やっぱり気になって気になって仕方がない。

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