見出し画像

旅立ちには別れと出会いが同居する🛫「旅立ちの美術」@静嘉堂文庫美術館が記憶の扉を次々と開いてくれる!

この展覧会は、旅立ちの展覧会。
なぜなら、2022年に静嘉堂文庫美術館は丸の内・明治生命館内に移転するから!ここ世田谷区岡本での展覧会は明日2021年6月13日でラストなのです。
そんなタイミングで訪れた静嘉堂文庫美術館は、門の空気感からして既にノスタルジーが漂っている。

画像1

画像3

しかも、新型コロナの影響で一時休館したため、展示期間が短くなってしまった。。。のだけど、会期が少し延長されたので再訪!

今日は、何度か訪れていたのに一度も入っていなかったお庭から巡ることに。。。と思ったら、一緒にいた母が「小学生の時に叔父が散歩で連れてったことがある」と言うのです!

画像2

「え~!!そうなの???」と驚きつつも、記憶がだんだんよみがえってきた。当時新婚だった叔父がこの近くに引っ越したので、母と妹と泊まりで遊びにいったのは覚えてる。
 母は、暑いので留守番で、叔父が私を散歩に連れ出した。推理すると、歩くのが好きな叔父だから、無料で入れるこの庭は絶対歩いたはず!だから今日は2回目なのかな☀
そして30年以上も経った今、今度は母と散策しているなんて、なんか時空が少しミックスしてきたみたい。

画像4

画像5

画像6

世田谷区を一望できる見晴台もあったのですね。

画像7

ちょっとした木の椅子で休憩。草間彌生美術館からのゴーフルをお土産に渡したら、「最近お菓子買ってなかったから嬉しい!」と喜んでくれた✨

画像8

画像9

さてさて、『旅立ちの美術』展は?
所蔵する7点の国宝を全て展示する(前期)という大盤振る舞い♪
おなじみ曜変天目さんももちろん迎えてくれています。

画像10

この曜変天目は、「徳川将軍家より3代将軍家光の乳母・春日局を経て、稲葉家に伝来した名碗。昭和9年(1934)に本碗を入手した岩﨑小彌太は、「天下の名器」として生涯茶事に用いることはなかった」とのこと。

でも、私は実は、このお茶碗、抹茶か日本酒か何かを入れて、傾けながら少しづつ飲む過程が一番美しいのではないかと思っているのです🍵
素人感想ですが、このお茶碗単体だと、暗いし、模様もシミみたいでそんなにきれいなわけではない。。。(言いたい放題失礼!)でもきっと、飲み物を入れて動きが出た途端、模様も色もキラめき始めるのでは!とその日が来るのを待ち望んでいます(^^♪

そして、渋めですが個人的に響いたのがこちら✨
《風雪三顧蒔絵象嵌印籠》✨「三顧」のところにピンときた方!そう、これは「三国志」の名場面「三顧の礼」が印籠部分に描かれているのです。

ド田舎で育った私の小学生時代、洗練されてドラマチックなNHK人形劇「三国志」を見ると素晴らしい世界に触れられるような気がしていた!

画像15

《風雪三顧蒔絵象嵌印籠》 白井 可交斎

劉備が関羽と張飛をともなって天才軍師・諸葛孔明を口説きにいく!3回目にOKが出るのですよね~☀何十年も遠ざかっていたのに、この印籠を見たらくっきりと人物とストーリーがよみがえってきました!

そういえば、張飛は大酒豪だったな~。。。からの。。。

お酒が好きな私は、酒器が好き。
このひょうたん型の酒器は、上部を下部から分離して、チロリのような保温機能があると知って感動。そして、お酒はやはり、「旅立ち、道中、別れと出会い」に必須のアイテムですよね🍶

画像11

画像12

お酒モティーフでは、川端玉章 「桃李園図」のユートピアも魅力的。

画像13

「李白の詩「春夜宴桃李園序(しゅんやとうりえんにえんするのじょ)」に基づくもので、春の宵、月と花、酒と詩を楽しむ李白とその従兄弟たちを描いている」とのこと。やはり、雅なインテリタイムを過ごすのにも酒は必須アイテム。現代においては、緊急事態宣言での酒類提供自粛要請の呪縛から早々に開放されたいところ🍶

でも、そんなちょっとブルーな気分も一掃してくれるのが、絢爛豪華な国宝 ・俵屋宗達筆 ・《源氏物語関屋澪標図屏風》👑

画像14

国宝 ・俵屋宗達筆 ・《源氏物語関屋澪標図屏風》

押しも押されぬ琳派です。
右隻も左隻どちらも、近くまで来ていながら牛車から降りずに出会わない源氏と女性達の「出会いと別れ、すれ違う恋」の場面。切なくも美しい☀

このように、移転前最後の展覧会「旅立ちの美術」は、美術館の旅立ちとそれに伴う「出会い」と「別れ」が、私達の思い出も大いに引き出してくれた!
そして、静嘉堂文庫創設者・岩﨑彌之助が美術館建設を夢みた場所である丸の内の、明治生命館内でまた、今日出会った所蔵品たちが違うたたずまいで迎えてくれることでしょう。
その日を楽しみに待ちましょう(^^♪
※プレス向け内覧会にて許可を得て撮影しています。

【展覧会概要】
旅立ちの美術
会期 [前期]2021年4月10日~5月9日、[後期]2021年5月11日~6月13日
会場 静嘉堂文庫美術館 住所 東京都世田谷区岡本2-23-1
電話 03-5777-8600
開館時間 10:00~17:00(入場は16:30まで)※最新情報は公式ウェブサイトにて要確認
休館日 4月25日〜5月31日まで臨時休館
観覧料 一般 1000円 / 大学・高校生 700円

#静嘉堂文庫美術館 #静嘉堂文庫 #アート
#seikado #旅立ちの美術 #曜変天目 #岩﨑彌之助



この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?