【開催記録】 第44回 アート対話カフェ 2023/07/22(土)
今回のアート対話カフェは、前半と後半で異なるテーマを用意し、参加者の皆さんに対話を行なって頂きました。
【前半】
前半では皆さんに、マルク・シャガールの絵を見て頂き、発見したことやイメージしたもの、疑問に思ったなど、より多く言葉に出して頂きました。
作者名や作品名は、参加者の皆さんには知らせていません。ディティールまでしっかり観察して頂き、参加者の皆さんからより多くの言葉を持ち寄って頂きます。
参加者から出た意見
右の男の人が気になった。(十字架のネックレス・背景の教会のようなもの)
男性だと思った理由は、女子だったらもっと髪の毛が長いから。宇宙に関係あるのかなと。ヤギのような生き物のネックレスのようなところが月の満ち欠けに思える。中央付近のところも月をイメージさせる。
幻想的でいいと思ったが、怖い絵なのかもとも思えてきた。男の人と女の人、背景の家が逆さまになっていたり。
右と左で明るさと暗さ、闇と希望が対比されているような絵だなと思った。
左は明るい色味で中央も希望っぽい。右と上の方の背景は暗い。地球の営みかなと。左が女性を擬人化した馬で、右の人は男性が女性に花を渡そうとしているような…昼夜地球が回っているというような…
さっぱり分からない…あまり好きになれない作品。
上の男の人が釜を持っているように見えて夜、暗い・・・人間と動物の共存関係だけど、ヤギは純粋な営みを送っていると感じた。
絵の中で円形で繋がれているところがたくさんあるから、共存関係を現わしている?なんで人間が緑色なのか…濁り。ヤギはそいうったものがなく白。対比を感じる。右の緑で暗い人、左のヤギ。聖職者が闇の部分でヤギが白、自然のようなもので、その間に人間がいるのでキリスト教と自然の物との間に人間がいる…
カトリックとプロテスタントの争いと、自然とその間にいる人間…を描いているのではと、思いました。乳しぼりをしている女性の手が後ろにあるのに、顔は向こうを向いていてどっちを向いているのかわからないが、意図的に配置していると思う。
分かる人がいたら意見をききたい。私もこの部分が気になっていた。
ヤギも前足にギブスのようなものがついていて何なんだろうと。見つめ合っている左右のヤギと人は、争っていないと思う。
明るいイメージを私はもった。
第三者の手なのか指輪をしていて中央の三角形、黒い部分に木と思われるものの中に、生命のようなもの…。左のヤギのネックレスの所が襟のようで、誰かがいるようで右の人の帽子にも意味がありそうだ。人間もヤギも口を開いていて会話しているようだ。
何を話しているのか考えることが大事だと思う。絵の下の小さな木が気になり、花粉のようなものが飛んでいるようでハチの巣ではないか。真ん中の男女が見つめ合っているようで、上の方は家が反転していたりしたから上に不思議な世界。
左のヤギの顔の所にもヤギ…
小さいヤギは、乳しぼりされ人に対するネガティブな…ヤギの人に対する良いイメージを持っていない印象の現われ?と思った。
この様に、細かい部分まで観察し、できる限り言葉で描写して頂きました。
最後には、見て頂いた作品を紙に描き起こして頂きました。
細部まで観察し言葉にしたものは、自然と頭の中に残るものです。しかし、言葉にしていないもの(観察していないもの)を、表現ことは難しかったのではないでしょうか。
前半では参加者同士で異なるイメージ(言葉)を互いに交換しあうことで、記憶に定着するだけでなく、より観察が深まる、といった体験をして頂きました。
【後半】
後半では、ピーデル・ブリューゲルの作品を使い、参加者同士で対話を行って頂きます。こちらも作者名やタイトルは明かさずに始めていきます。
また、今回はVTSの2つの質問を頭に入れて頂き、対話を行って頂きました。意見と根拠(事実)を明確に分けて発言して頂くことで、より参加者同士の意見交換をスムーズに進めることを目指します。
参加者から出た意見
15世紀ジャンヌダルクくらいの時代かなと。
左下は農民、右は地主階級?イノシシにナイフが射されているのかなんだか?今のところ何が言いたい絵なのかわからない。嵐のようなものが過ぎ去ったのでは?
人が寝っ転がって上を見ているのと、真ん中にあるお皿のようなものが飛んでいっていないから、思いがけない予想外のものが襲って、ことばを失った状態なのではと思った。
全体の色合いや右上の雲のようなものに巻き込まれている人のようなものからそう思った。殺されているのかと思ったが寝ていると思う。
白い服の人の下に折れたものがある。果し合いか何か遊びかもしれないがこちらの人が負けている?左の上の人は騎士なのかと。シャツを着ているからお金持ち?
右の人は毛皮着てるし、昼から飲んだ人達がいる反面、騎士のような人が上を向いていて..対比を描かれているのかなと。幻想的な絵。左端にチーズの切れ端のようなものや、右の方にトリっぽいものがあり、真ん中に卵のようなものがあって歩いているようにも見える。
前の晩に宴会したんだか、日が高くなっているのに寝っ転がってボーとしているのかなと。右側の小さい人のようなものが何なのかわからないなと思った。
三人が争った跡なのかなと。
左二人は寝ていて、右の人は殴り殺されたように見える。頭の周りが黒く血だまりのように思えた。それを嘆いて左の奥の人が上を向いている?イノシシのナイフとかそういった殺戮的な部分を印象付けている気がする。
酔って寝ているというより乱闘の後の絵ではないか。倒れたボトルのようなものの口からピンクの人の口につながっているようだ。お酒があと一滴落ちてこないかなと思っているようにも見える。左の兵士も上を見ている。
すごい不思議な世界だと。
争いの後のようにも思えるし、享楽的な宴会の後のようにも見える。右の男性だけ目が開いていて目覚めたところ、左の人は少し前に目覚めて右手を切り落としてしまったのではと。昔の絵にみえるし幻想なのか現実なのか。右上の枝に足をかけているような人、中に入ろうとしているのか岩なのか綿菓子のようなものの中なのか…何を現わし散るのか分かりにくい絵。
この世界から抜け出そうとしているのでは?
左の兵士のような人も昼間なのに、太陽を見ているようで同じようなものを感じる。後ろの背景に白い建物のようなものがあり、そこから逃げ出してきたのではないかと思った。
三人が立ち飲みした図。
木の枝のところにあるコップと木の下にあるコップ、左端の丸いものはパンに見えて「食べ物の世界」と思った。いつでも食べてくださいといった感じ。訓練用の槍なのかな。なんで昼寝してるのかとストーリーがわからないが、中央付近にある棒は折れているのではなく、こういう形の農機具かもしれない。
丸いテーブルに皿がのっているが、気の周りに実際これを設置したのか不自然なテーブル。左の兵士のいるところの屋根も不思議な造形。
今回のアート対話カフェも参加者の様々な視点から意見交換を行なって頂きました。
次回もお楽しみに。
ご興味ある方、ぜひ一度ご参加ください!
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