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【開催記録】 第62回 アート対話カフェ 2024/4/22(月)

今回のテーマ

今回のワークショップは「Visual Thinking Strategies(VTS)でアート作品を見る」というテーマで開催されました。

VTSは、ファシリテーターからの主に2つの問いかけに参加者が答えるという問答から始まります。
この問答とそれに続く対話と議論を通じて、アート作品を注意深く分析的に観察し、論理的に考え、それを説明するというプロセスが生まれます。
そして、この方法によってアート作品の理解が深まり、「分かった!」という感動を体験することができます。

今回の絵

今回はこちらの絵を見て頂きました。
作者名や作品名などは、事前に参加者に明かしていません。

ポール・ゴーギャン作
『我々はどこから来たのか 我々は何者か 我々はどこへいくのか』(1897年-1898年)

参加者から出た意見

  •  様々な時間で起きたことを描いているのではないか。
    人の大きさがまちまち。同じ場所にいるようには見えない。

  • 左上の方にだけ、字が書かれている。
    ここにメッセージを込めているのかもしれない。

  • 青白い銅像がある。ヒンドゥー教の神様?
    ここは礼拝堂や聖なる場所で、苦悩している場面を描いているのではないか。

  • 一番右が赤ちゃん。一番左が老婆。人の生と死にまつわる一生を描いているのかもしれない。

  • ここは浴場ではないか。みんなリラックスしている。サウナのような場所?
    癒されに来ているようなイメージ。
    絵画の右上の部分から、お湯が流れて来ている。中央に岩盤浴のようなあるような気がする。

  • 一番左の老婆は顔を隠し、社会的な苦悩を抱えているのではないか。

  • 裸身の人が多いので、南国(温かい国の人)を描いているのかと思った。
    青いものは仏像だと思う。いろんな肌の人々が動物とも一緒に共存していることを伝えているのではないか。

  • 仏像の左隣にあるものは、膝を抱えている人のようにも見える。
    りんごに着目すると、この絵には輪廻のようなものを表しているようにも見えてきた。

  • 左上の文字は「どこへいくのか」ということがフランスで書かれている。
    この絵は、人生の様々な場面を描いているのかもしれない。

  • 右側の服を着た女性2人だけ異質。背景は黒く、赤みがかっている。この楽園の中からは除外されているのではないか。

  • 服を着た女性の2人は、その左下の座っている人物の空想の中に見えた。

  • 一番リアルに影が描かれているのは一番左の老婆。
    この絵に描かれている人物はこの老婆の走馬灯のようなものなのでは?

  • 誰も笑っていない。
    一見楽園のようにも見えるが、表情からはそうは読み取れない。

  • 左の服を着た女性2人の右側。仮面をかぶっているようにも見える。




最後に

VTSはアート作品を見るだけでなく、参加者の思考力やコミュニケーション力の向上に貢献する素晴らしい教育手法です。

またのご参加お待ちしております!
https://www.kokuchpro.com/group/adcf/