見出し画像

ヒーローは偽物か。

突然ですが、「ヒーロー」は好きですか?
強い正義感を持ち、勧善懲悪で圧倒的な力。
弱きを助け強きをくじく。
原動力は自分の利益ではなく人の呼ぶ声。



小さい頃はウルトラマンや仮面ライダーに憧れていました。
スーパー戦隊も好きだったけど、なんか人数と情報量が多すぎたのか気に入っていたのは単独のヒーローの方。
小・中学校に上がって漫画が何よりのバイブルだった僕が好きになったのはジャンプヒーロー。
作品名を出して紹介なんてものをしようものなら、これはもうこの記事だけでは足りなくなっちゃうのでやめておこうと思います。笑

あとヒーローといえばやっぱりアメリカンヒーローですかね。
アメリカンヒーローの元祖「スーパーマン」
蜘蛛の特殊な能力を得た高校生「スパイダーマン」
ダークヒーロー代表はそう「バットマン」
自身の能力に苦悩する科学者「ハルク」
僕が出会ったのはごく最近だけど、もしウルトラマンや仮面ライダーに熱狂していた時期に出会っていたら部屋のおもちゃ箱にあるソフビ人形の数は変わっていたでしょう。(買ってもらえてたらの話です)




つい先日引きこもり生活を続ける僕に友人から一つドラマの紹介がありました。
きっと僕が暇してると思ったのでしょうね。ヘっ。

その名も『THE BOYS』というドラマシリーズ。
7人のスーパーヒーローが登場する作品ですが、正しくはこのタイトルを”ヒーロー物”とは呼べないかもしれません。
それは登場するヒーローたちが「悪」として活躍するからです。


ここに登場するヒーローたちは一部を除いて権力やお金の虜、そんな腐敗した超能力者として描かれています。
テレビカメラやSNS、観衆の前では正義の面を被りいいかっこをする反面、裏ではその表の笑顔とは全く逆の表情で権力と名声のもとわがままに振る舞う姿はもう悪役そのもの。
そんなヒーローたちを倒すべく、集まった主人公ヒューイをはじめとするザ・ボーイズという集団があの手この手で戦いを挑んでいくというのが物語の大筋。
「バットマン」などのダークヒーローや「ハルク」のように破壊的な能力に疑問を持ち苦悩するという一風変わった表情のヒーローはあれど、ここまで180度ヒーローという名を悪者として描く作品は見たことがありません。(でも知らないだけかもしれません)

何かで似た感じのを見たことあるなと思ったら日本のドラマシリーズ「相棒」と「踊る大捜査線」がありました。
この2つも上部組織の腐敗が描かれ、そこにメスを入れるような側面を持った作品。
日本とアメリカという文化の差はあれど、権力者に対する疑念というのは国にかかわらず高い温度で人々が思い募らせているということでしょうか。



本来、ヒーローといえば正義の味方です。
リアルの世界でいえば警察官とか政治家とかが多分そう。
そういえばお巡りさんにも憧れた。
正しくあるべき、あってほしい人たちです。
でも実際その人たちが正義なのかと聞かれても、表の顔しか見ることのできない僕らには知る由もありません。
だとしても僕らはテクノロジーの発達でヒーローや権力者にも裏側があるということを知ってしまった。
きっとそれこそ今まで正義として描かれてきたヒーローたちだって本当のところはわからない。
スーパーマンもカメラのカットがかかった後、裏では恐怖の笑顔を見せていたかもしれない。
ある意味たくさんの事件を見てしまった僕らはもう確認しないとそこに真実は見出せない。

でも本質は疑いたいのではなく”信じたい”という気持ち。
小さな頃から追いかけたその背中が本物であることを信じたい。
そんな本物のヒーローを見つけたいという思いが『THE BOYS』なのかもしれません。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?