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【CHW】シカゴ・ホワイトソックス オフの動きを振り返る(暫定)

 今回は2022年も残り僅かということで、ここまでのホワイトソックスのオフの動きを振り返りたいと思います。


新監督就任

 Tony La Russa前監督の退任が公式に発表されてから1ヶ月が経った11月3日、カンザスシティ・ロイヤルズでベンチコーチを務めていたPedro Grifol(52)と複数年契約を結んだと発表されました。
 Grifolはキューバ系アメリカ人であり英語とスペイン語のバイリンガルと、主力野手に中南米出身の多いホワイトソックスにマッチすることでしょう。
 また、MLBでの監督経験こそありませんが、MiLBの監督、捕手コーチ、打撃コーチ等複数の役職での経験を活かしたチーム戦力の底上げに期待したいです。


主な退団選手

  • José Abreu

  • Elvis Andrus

  • Johnny Cueto

  • Adam Engel

  • Josh Harrison

  • AJ Pollock

 今年35歳になったAbreuは、HRこそキャリア最低に終わったものの3年ぶりに打率3割をクリア、またなんと言ってもその優れたリーダーシップで同郷キューバ出身の選手のみならずチームからの信頼が厚く、彼がもたらしたものは計りしれません。今回フロントとしては、1B/DHの選手がやや渋滞していることから全力慰留とまではいかなかったようですが、とはいえ、14年から9年間に渡って中軸を打ち、今季はチームで唯一150試合出場をクリアした選手でもあり、その抜けた穴は確実に痛感するところとなるでしょう。

 AJ Pollockは1300万ドルの選手オプションがあり、今季の成績を踏まえればまず間違いなく行使すると思われましたがこれを破棄、ホワイトソックスから500万ドルがバイアウトとして支払われました。

 その他、AndrusやCuetoといった、途中加入ながらチームを支えたベテラン選手が退団、俊足と好守が持ち味のEngelがノンテンダーとなりました。


FA加入選手

1. Mike Clevinger

 SDからFAとなっていたMike Clevinger(31)と1年800万ドル(24年は相互オプション)で契約しました。
 これにより来季のローテーションは

  1. Lucas Giolito

  2. Lance Lynn

  3. Dylan Cease

  4. Michael Kopech

  5. Mike Clevinger

となります。
 今季のClevingerはIP 114.1 / ERA 4.33 / SO 91と、自身2回目のTJ手術からの復帰初年を不本意な形で終えました。
 これは手術前の19〜20年に約95mphを計測したフォーシームの平均球速が93.6mphまで低下したことスライダーの変化量が減少したこと等が原因と思われます。
 実際に19年と比べ、フォーシームのK%は36.1%→18.2%スライダーのWhiff%は48.1%→29.3%と、それぞれ著しく悪化しているため、奪三振能力の低下が最大の懸念事項です。

 なにはともあれ、今年MLBデビューを果たしたDavis Martinにはまだ役不足の感があった先発5番手をFAで埋められたのは大きく、4年ぶりにAL中地区に復帰する来年、投手コーチEthan Katzと共に新しい投球スタイルを見出せるか注目したいところです。

2. Andrew Benintendi

 NYYからFAとなっていたAndrew Benintendi(28)と5年7500万ドルで契約しました。この契約は19-20年のオフにYasmani Grandalと結んだ4年7300万ドルの契約を抜き、球団史上最高額の契約になります。
 今季のBenintendiはHR5本に留まりフルシーズンではキャリア最低となりしたが、HR-xHRは-4ですし、各サイトで来季の二桁HRが予測されているので下振れと見て良いと思っています。
 Benintendiの加入により来季ラインナップ(の一例)は

  1. SS Tim Anderson 

  2. 3B Yoan Moncada

  3. CF Luis Robert Jr.

  4. DH Eloy Jiménez

  5. 1B Andrew Vaughn

  6. C Yasmani Grandal

  7. LF Andrew Benintendi

  8. RF Oscar Colás

  9. 2B Romy Gonzalez

となります。
 今年は軒並み怪我あるいは不調に終わった上位が機能してこそではありますが、高打率を活かした下位打線の繋ぎの役割、再来年以降に目を向ければTim Anderson退団後のリードオフ起用も想定されます。
 また守備では、怪我がちなRobertの離脱時にCFを任せられることもあるでしょう。

 球団史上最高額とはいえ契約終了時33歳とそこまで高齢でないため、個人的には評価できる補強です。


今後について

 FAで資金を使ったホワイトソックスとしては、やはりトレードでの補強も模索していることでしょう。
 今後トレードチップとなり得るなかで特に対価に期待ができそうな現在40人枠内の選手(最大保有期間)として、

  • Tim Anderson(〜24)

  • Lucas Giolito(〜23)

  • Liam Hendriks(〜24)

が挙げられますが、この内今オフ動きがありそうなのがクローザーのHendriksです。
 Hendriksは24年のクラブオプションを含めてあと2年保有できますが、新しいクローザーとしてReynaldo Lopézに目処が立ったこと、1400万ドルという年俸が(とりわけ高額リリーフを他に複数人抱えるこのチームには)負担となることが理由です。

 トレードにしてもFAにしても、最優先で欲しいのは依然として空席である二塁手で、こちらの候補は

  • Elvis Andrus

  • Brandon Drury

  • Whit Merrifield

  • Nick Madrigal

  • Jean Segura

といったところでしょうか。
 まだ噂すら立っていない状況ですので予想するのは難しいですが、補強自体は終わっていないと信じたいですね。


おわりに

 ところで、来年3月のWBCの話題が早くも盛り上がりを見せていますね。
 ホワイトソックスからは

アメリカ代表🇺🇸
・Tim Anderson
・Lance Lynn

ドミニカ共和国代表🇩🇴
・Eloy Jiménez

キューバ代表🇨🇺
・Yoan Moncada
・Luis Robert Jr.

オーストラリア代表🇦🇺
・Liam Hendriks

が内定または出場可能性有ということで、こちらも注目していきたいです。

 当たり障りの無い内容ばかりで恐縮ですが、今回はここまでです。最後までお読み頂きありがとうございました。


¡Muchas gracias Pito!

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