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初めてのフランス留学 学生編その1 ドタバタだけど出発するわよ

幸運なことに、学生時代そして社会人になってと2度ほどフランスに留学をしました。それが今の仕事につながっています。

初回は、Toursというロワール地方の都市でした。いわゆる古都です。15〜16世紀にかけて建設された古城がロワール川沿いにおよそ300以上点在し、フランス王家や貴族に愛された土地です。とても穏やかな気候で、フランスで一番綺麗なフランス語を話すと言われています。また、パリからTGVで1 時間弱という地の利もあり、多くの学生が世界中からフランス語を学びに来ます。

私は、大学の交換留学生として、現地のグランゼコールに通い、経済を学びました。日本の大学4年時の夏に渡仏し1年滞在の予定だったので、もちろん留年するつもりで行きました。当時は超就職氷河期。周りの友達は必死で就職活動をしていたけど、特に焦る気持ちもなく、心はフランスへ飛んでいました。

そもそも経済学部からの交換留学だったので、特にフランス語を勉強していたわけではありませんでした。専攻していた第二外国語はロシア語。しかも希望言語落ちまくりの第4希望。ロシア語喋れたらどんな言語でも喋れるんじゃねえかと半分投げやりに勉強していました。

大学内での交換留学選考会は、確か大学3年の初夏ごろ、成績と面接そしてフランス語試験で選ばれたと記憶しています。一応その選考会のためプライベートでフランス語学校に通ったりして準備はしていました。しかしそう甘くはなく、一度は選考会で落ちました。あーこれで学費留学は無理かーと諦めていた頃、所属していた会計ゼミに行くと、担当の女性教授が突然、 ”あなた、フランス行けるわよ!!” と言って来ました。今でも覚えているこの衝撃。 ”え?先生、私落選しましたよ。” というと、 ”話つけて来たのよ。” 聞くと、直接選考委員の先生のところへ殴り込みに、いや物申しに言ったらしい。 ”どうしてうちの生徒を落としたのよ。彼女は優秀よ。フランス語はこれから行くまでに勉強すればいいじゃない” と。

もうその教授には頭が上がりません。選考担当の教官は、経済学部の先生ではなくフランス語の専門教官でした。ですからきっとフランス語の能力で判断されたのだろうと推測します。この程度ではフランス語の授業についていけないと。もっともです。のちに言われましたフランス語の教官に、”そりゃもうすごい勢いで来たんだから、うちの佐藤を落とすとは何事ですかってね。感謝しなさいよ。” それで留学を許可してくれたフランス語の教官にも感謝です。

このお二人がいなかったら今フランス語に関係する仕事はしていなかっただろうな。

こうして初めてのフランス留学への道は開かれたのです。

次回はそこから実際フランスの大学で勉強するまでを書きます。


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